暗闇のタグ

今朝ふっと気付いたこと。

私は服のタグを探すのが好きなのかもしれない。


最近は寒いので。朝起きて一番にすることは、布団の横に置いてある服を着ることだったりする。寝る前に脱いで、起きた時に着る服。この時着るのは羽織るタイプではなくて、上からかぶるタイプである。


服なので当然、前と後ろがある。

家族が寝ているので部屋の電気をつけることはできない。

暗闇の中手探りで服を探して。服の前と後ろを判断して。そうして上からかぶって着る。


服の前後を判断する時に使っているのがタグだ。

首の後ろ、背中側にもタグはあるけれど。私が使うのはもっぱらお腹の横。着た時左側にくるタグの方である。

手で触った感触で、まずは服の側面を見つける。そうして内側に手を入れて、タグがあったらそれでよし。無かったら反対側を探る。

この「手で触って判断する」というのが楽しいポイントなのだと思う。


むかーし、カメラ屋で働いていた時。「カメラの中でフィルムが引っかかって巻けないんです!」という時は、ミニ暗室というか、マジックとかに使いそうな横から手を入れられる立派な箱を使っていた。

箱の中にカメラを入れて、蓋をして。横から手を突っ込んで。手の感触だけでカメラを開けて、フィルムを取り出して、手で巻き取るのである。

その作業も何か好きだった。タグ探しはそれと似ているというか、ワクワクポイントは同じなのだと思う。

目で見るよりも難易度が上がるというか。挑んでいる感があるというか。宝探し感があるというか。要はそんな感じ。


毎朝のタグ探しを「面倒だな」と全く思わないのは、たぶん私がそれを好きで、楽しんでいるからなのだと思う。


そんなことに今更ながら気付いた朝なのであった。



ではまた明日。