貫入

最近、普段使っているマグカップを新しくした。

前に使っていたものは、かれこれ13年くらいの付き合いになるのだろうか。景品でもらったものだったのだが、思った以上に長い付き合いになった。水を入れると下からいくらか漏れてしまうようになったので、さすがに寿命かと新しいものを使うことに。

新しいマグカップは、これまた頂きもので、カップの中にお菓子の詰め合わせが入っているギフトセットだった。お菓子はとうの昔に食べてしまい、早10年以上。よく考えたらこのマグカップ、先代と手に入れた時期はそう変わらないかもしれない。

白地に焦げ茶色の線で大きく動物の絵が描かれ、下が細く、上が太い、少し変わった形のこのマグカップ。最初から、小さなヒビ割れのようなものが、表面全体にあった。

最初からあるのだから、ヒビ割れとは違うのだろう。他の器でもたまに見かけるし、模様のようなものだろうとは思うものの、正体が気になる。調べてみたところ、「貫入」というものらしい。

釉薬とそれを塗った本体の収縮度の違いによってできるもの。言われて見れば確かに、表面的なヒビ割れだ。このマグカップは白地で模様も少ないから、特に目立つのだろう。

ひとつ賢くなった本日である。

余談だが、釉薬と言えば、なまこ釉の色合いが好きだ。釉薬の名前はほとんど知らないが、色合いと名前でなまこ釉はすぐに覚えた。

自分の琴線に触れる綺麗ななまこ釉の器を手に入れるのは、密かな目標のひとつである。


ではまた明日。