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"うらこうさく"か"ビーダル"か

 こんにちは、マシュマロです。 
 書きたいことを思いつき、かつ分量が多くなりそうなので久しぶりにnoteに書かせていただこうと思います。今回のテーマはこちらです。

"うらこうさく"か"ビーダル"か

 皆さんが普段デッキを組む際、ミュウVmaxやムゲンダイナVmaxなどの特殊な例を除いてほぼ間違いなくメインアタッカーの他にデッキを回しやすくする補助の役割を担う非Vのポケモン(今回はシステムポケモンと呼ぶことにします)を採用すると思います。その代表的な例が特性:うらこうさくをもつインテレオンやジメレオンをはじめとする進化ライン、もしくは特性:はたらくまえばを持つビーダルであり、大半のプレイヤーのデッキではこれらのカードをサポート役として採用するのが現在のスタンダードレギュレーションではよくあるケースだと思います。
 今回はこのうらこうさくの進化ラインとビーダルのカードとしての性質を考察し、またこれらのカードはどのようなデッキと相性が良いのかということについて考えていきたいなと思います。これらの他に特性:やりくりを持つチラチーノなども存在しますが、シェア率の都合で後述させていただきます。

・それぞれのカードの紹介

 本題に入る前に、まずはそれぞれのカードの基本的な情報をおさらいしておきましょう。

1.うらこうさく進化ライン
(メッソン、ジメレオン、インテレオン)

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→特性:うらこうさくによって、山札から好きなトレーナーズを持ってくることができるジメレオンとインテレオンがいます。また、分岐進化に相手のポケモンにダメカンをのせる特性:クイックシューターを持つインテレオンや技でれんげきのポケモンを並べることができるメッソンがいます。

2.ビーダル

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→特性:はたらくまえばにより、手札が5枚になるように山札を引くことができます。進化前のビッパもHPが70と、この手の進化前のポケモンにしては高水準なHPを持っています。

・それぞれの強みと弱み

 次に、それぞれのカードを採用するにあたってのメリット、デメリットを考えます。

・うらこうさく進化ライン

メリット
1.プランニングがしやすい
→確実に好きなトレーナーズを持ってくることができるので自分の考えた動きを実現しやすいです。

2.プレイの選択肢を広く持てる
→好きなトレーナーズを持ってくることができるということで、裏を返せばトレーナーズであればどんなカードでも良いので様々な選択肢を考えることができます。

3.メッソンの存在でタネ切れ負けが少ない
→技:どんどんよぶは、れんげきのポケモンを山札から3枚まで呼ぶことができるので、メッソンでメッソンを並べるということができます。このため、早い段階でたねポケモンが居なくなって負けたというようなことは起こりづらいです。

4.クイックシューターの存在
→技とは別にダメージを出せる要素があるため、サイドを取るタイミングを調整することができるため、あえてアタッカーを倒さずに相手のツツジを腐らせるようなプレイングを可能にしています。

5.自身をアタッカーとしても使える
→特性:うらこうさくを持つインテレオンの技:アクアバレットはバトル場にもベンチにもそれなりにダメージを与えることができるため、水エネルギーを採用することでサブアタッカーとしても機能しやすいです。120というダメージはミルタンクを突破することができるので、デッキの補助枠のポケモンにしてはかなり高水準の攻撃力であると言えます。

デメリット
1.進化ラインが多く嵩張りやすい
→どの進化デッキでもこれに関しては仕方ないことだと考えています。現行スタンダードレギュレーションではポケモン通信もないため、進化ポケモンで手札が固まってしまったときにエスケープすることができないのでこうなったらどのデッキもかなり厳しいと思います。これに関しては割り切っても概ね問題ない事象であると考えています。

2.デッキのスロットを喰いやすい
→進化デッキである以上仕方のない問題であると言えます。デッキのスロットを使いがちであるというデメリットとデッキにもたらす安定感というメリットのどちらを取るのかは各々のプレイヤーが考えるべき問題だと思います。

3.メッソンのサイド落ちが厳しい
→2枚以上サイドに落ちるとデッキの回転が鈍くなることがあります。ただこれはメッソンの有無に関わらずどのデッキでも同じことであり戦略のメインにしているカードが複数枚サイドに落ちると厳しいということとほぼ同義であると思うのでここは割り切っても問題ないです。

4.多少慣れる必要がある
→慣れる必要がある、というよりは対戦においてどのカードがどのくらいの優先度で必要になってくるのかというのを常日頃考えていれば持ってくるカードを選ぶことに時間がかかりにくくなると思います。

5.終盤の手札干渉が突き刺さることがある
→プレイング次第ではありますが、手順を間違えると手札干渉を乗り切るためのカードが山札や手札から無くなるというようなケースをよく目にします。このため正しく山札を圧縮することや手札にジメレオンやインテレオン、レベルボールやしんかのおこうを抱えておくことで手札干渉に備えるというプレイングが望ましいと考えています。

・ビーダル
  
メリット
1.手札が細くなりにくい
→特性:はたらくまえばの存在で手札は5枚に増やすことができるので常に細い手札で試合をするようなことにはなりにくいと思います。

2.立てる上での要求値がうらこうさくよりも低い
→ビッパを用意して、次のターンにビーダルに進化するだけで毎ターン特性を使用することができるので、毎ターン進化させるようなプレイが必要になってくるうらこうさく進化ラインに比べるととっつきやすいように感じます。

3.ハイパーボールを無理なくデッキに入れられる
→ハイパーボールというカードの性質上、使用した後の細い手札をリカバリーしていく上でビーダルの特性は非常に相性が良いため、ビーダルが採用されているデッキではハイパーボールが4枚入っていることが多いです。

4.デッキのスロットをあまり喰わない
→うらこうさく進化ラインに比べて2-2や3-3ラインで運用することができるためデッキのスロットにかなり余裕を持たせることができます。空き部分には頂への雪道やクラッシュハンマーなどのカードに使うことができるため、そのようなカードでデッキパワーを高めることも可能になります。

5.ツツジ耐性が非常に高い
→特性:はたらくまえばの存在によって手札干渉をされてもある程度の手札を確保することができます。そのため何もできず止まって負けというようなケースは起こりにくいと考えています。

デメリット
1.縦引きであってピンポイントサーチではない
→手札を確保することはできるものの、必ずしもそれらが必要なカードであるとは限らず、不要かつ捌くことが難しいポケモンなどが固まってしまうと特性をうまく使えないようなことが起こってしまいます。

2.手札が詰まるタイプの事故を解決できない
→前述の通り、うまくカード捌けないような手札になった場合、デッキをスムーズに回していくことが困難になる場合が多いです。

3.攻撃ターンが遅れると巻き返しが難しい
→クイックシューターのような技以外でダメージを稼いでいく手段に乏しいため、手札事故などでメインアタッカーの攻撃スタートが遅れてしまうと、定石通りの流れで対戦が進んでしまった際に劣勢を巻き返していくことが非常に難しいです。

4.敗北が確定するまでのターンが早いことが多い
→前述の通り、遅れるとその劣勢を覆すようなプレイの検討がしづらくなりがちなのがビーダルの大きなデメリットであると思っています。お互いのプレイ練度が近いと、かなり早い段階で勝敗がわかってしまうようなケースをよく目にします。

5.自身が攻撃に参加しにくい
→ コインを投げて裏なら失敗する技を持っていますが、運が絡む以上このポケモンを攻撃プランに組み込むようなことは余程のことがない限りは好ましくないと思っています。仮に成功してもダメージ量としては中途半端であり、個人的には取るリスクとリターンが釣り合っていないように見えます。

・"うらこうさく"か"ビーダル"か

 それぞれのカードが持つポテンシャルや、メリットとデメリットが分かったところで、いよいよ本題です。つまり、うらこうさくやビーダルが、それぞれどのようなデッキに対して相性が良いかというのを僕の個人的な考えから書いていこうと思います。まず僕個人としての結論を先に申し上げると、枠を作れるなら基本的にうらこうさくの進化ラインをデッキに採用する方が良いと考えました。もちろんLO系やミノマダムなど、コンセプト上うらこうさくだけでは揃わないor揃っても次の受けになるカードがない、またはそもそも相性が良くないというような例外も存在することはここで強調しておきます。

・うらこうさくとの相性が良いデッキ例

1.れんげきポケモンのデッキ
(れんげきウーラオスVmaxやカラマネロ等)

2.インテレオン自体もアタッカーにするデッキ
(かがやくゲッコウガやアルセウスインテレオン等)

3.事前にダメカンを置く動きがが強力なデッキ
(サンダースVmaxやダイケンキVstar等)

・ビーダルとの相性が良いデッキ例

1.手札を細くできない非ルールデッキ
(ミノマダム、ゾロアークコントロール等)

2.即使用できるグッズが多く採用されたデッキ
(はくばバドレックスVmax+アルセウスVstar)

・うらこうさくが優れている理由

 前述の通り、僕個人としては一般的なデッキを組み上げる際に採用する補助枠のポケモンは、ビーダルよりもうらこうさくの方が基本的には優れていると考えています。縦引きするか特定のカードをサーチしてくるかについては、正直各々得意不得意があるのでここを比較するのは少しやりにくいのですが、1つはやはりクイックシューターの存在は大きいと思います。技での攻撃以外に相手のポケモンにダメージを与える手段があると対戦を行う上での選択肢の幅がぐっと広がります。技以外での攻撃手段を持たないデッキだと互いのプレイヤーが定石通りのプランを取り続けた場合に、ほぼ間違いなく最初の攻撃で遅れを取ったプレイヤーが敗北します。もちろん、この差が1回分であればツツジなどを使うことで攻撃順が入れ替わり遅れた側にも勝機がある場合もあります。しかしながらこの遅れが2回分を超えて来る場合や手札干渉に対する耐性があるデッキの場合、ツツジを使うだけでは乗り越えられないことが多いです。また、先に攻撃を開始できても打点が足らずにベンチに下がられて攻撃ターンの順番が入れ替わって負けるというようなケースもよく目にします。クイックシューターはそのようなちょっと足りない打点を補完する役割を持ったり、HPの低いポケモンにダメカンを集めることでサイドを獲得することができるためある程度出遅れても逆転勝ちできる可能性がビーダルより高いと考えます。
 もう一つはアクアバレットという技の存在です。現行スタンダードでのメインアタッカーのポケモンが持つ技の打点は基本的に200〜250ほどが多く、アクアバレットの打点を足し合わせるとVmaxまでもを2発で処理することができます。また、ルールを持たないポケモンで攻撃できるという点も非常に強力であり、Vstarをメインにしたデッキであれば2-2-1-2などのサイドプランで、アタッカーを4回は動かせる計算になります。この1の部分の役割を、ビーダルは基本的に担うことができません。まとめると、足りない打点を補うという能力にどちらのインテレオンも長けており、通常のポケモンV同士の殴り合いでは埋まらないはずの1ターンが埋まるという点が、僕がビーダルよりもインテレオンが優れていると考える理由です。

・チラチーノについて

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→うらこうさくやビーダルに次に思い浮かぶ非ルールシステムポケモンが、このチラチーノです。チラーミィは技でたねポケモンをベンチに呼ぶことができ、チラチーノは手札を1枚トラッシュすることで、山札からカードを2枚引くことができます。また、技:エネアシストは40のダメージに加えてベンチポケモンに基本エネルギーを加速することができます。どちらもレベルボールに対応している点も意識しておきたいポイントだと思います。

・チラチーノの弱点

→ボールの対応範囲も広く、ポケモンを展開する技やある程度のダメージを与えつつエネルギー加速できるチラチーノの技の存在によりサイド1アタッカーを挟むという役割を十分担えるだけのスペックがあるため、一見するとビーダルと同等かビーダルよりも優れているように見えるチラチーノですが、このカードには致命的な弱点があります。
 それは"システムポケモンとしてのポテンシャルが低い"ということです。特性:やりくりは手札を1枚トラッシュして山札を2枚引くという特性ですが、場にいるチラチーノの数が少ないと思ったよりも手札が増えないこと、さらに基本的なことに遡ってみると、この特性の性質上、ある程度手札の枚数が多くないと使いづらく(エクストラレギュレーションではタマタマの存在により特性を使うハードルはスタンダードよりも低くなります)、手札が少なければ少ないほど手札をトラッシュしてまで手札を増やすリスクとリターンが釣り合わないようなシーンが増えてくると思います。そのため、本来の役割であるシステムポケモンとしてのパフォーマンスが、うらこうさくやビーダルよりも低くなってしまうという本末転倒な事態が起きているので、僕個人としてのチラチーノの評価はあまり高くなく、チラチーノを入れるくらいであればビーダルで基本的に問題ないだろうと考えています。現行スタンダードでチラチーノを採用が検討できるデッキはハイパーボールの採用が憚られ、かつVIPパスを大量に採用する、またチラーミィが技を使うシーンが多いアイアントLOのようなデッキくらいだと考えています。現行スタンダードの性質上、勝敗の決着までにかかるターンが少なくなっていることも、チラチーノの評価が落ちている大きな理由の一つです。

・おわりに

 ここまで読んでいただきありがとうございました。今回はデッキに採用する非ルールポケモン、特にシステムポケモンについて、僕個人が思っていることをざっくり書かせていただきました。この記事内での評価はあくまで僕個人の考えでしかないので、皆さんもデッキにシステムポケモンを採用する際は、様々な要素を熟考した上で最適な選択肢を見つけ出していきましょう。
今回の記事は以上になります。また次回の記事でお会いしましょう、それでは。

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