2023年12月。
日本は若い女性を中心にある異変が起こった。
それはある日突然、世の中の様子を一変させるほどの脅威であった。

「ねえ、、ここの問題わかんないんだけど、今日家行っていい？」
岸はどこにでもいる高校生であり、唐突に、連絡先は知っているものの
いつも連絡を取り合うわけでもない美咲からのラインに驚いた。

「え・・・別にいいけど。」

誰も見ていないままついているテレビには、
女子高生や女子大生が集団で男性を襲い、殺害してしまうニュースが静かに報道されていた。
『女子高生が男性に飛びかかったという目撃情報があります。警察では、この女子高生が発した飛沫、つまりなんらかのウイルスが、近くにいた女子高生たちに伝染って集団での暴行に発展したと見ています。大学病院などと共同で、高校生の唾液や体液などからウイルスの正体を突き止めるための研究がされる模様です。怖いですね、一刻も早いワクチンの開発が待たれます。では、次のニュースです。』

岸は、そんな物騒なニュースさえ日常の中にあるノイズの一つとして気に留めていなかった。
そんなことよりも自分が好きな女の子から突然来たラインの相手に手間取っていた。

「今日って・・・・。クリスマスじゃんか・・・。」