見出し画像

三角絞めの女王外伝〜高橋芽依〜

何なんだよ。
僕は、目の前にいる高橋芽依という同級生の女子に対して、嫌悪感に近い感情を持っていた。
聞くと彼女はある合同練習で僕の友人を無茶苦茶に絞め落としたんだという。
僕はまるで信じられない気分で、今日の地方予選の会場で彼女を見つけた。

「なあ、お前。」

そう話しかけると彼女はそのちょっとその辺じゃお目にかかれそうもない可愛い顔をこちらに向けた。
その視線は鋭く眼光で肌が切れそうにひりついた。

「柔道って、そういうことじゃないんじゃねえの。いくら強いのか知らないけどさ。」

僕がそういうと彼女は人の多い試合会場の中で、僕にだけ聞こえるようは可憐な声で
「じゃあ今日の夕方、君の言うことに聞く価値があるのかどうか試してあげるから。ここにきて?」

そう言って、彼女はこのジムの住所を僕に伝えた。
いや、そう言うことじゃなくって。と、言おうとした時にはもう群衆の中に紛れていた。

ここから先は

7,305字

¥ 2,000

読んでいただきましてありがとうございます。サポート、ご支援頂きました分はありがたく次のネタ作りに役立たせていただきたいと思います。 皆様のご支援にて成り立っています。誠にありがとうございました。