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戦場の悪魔~殲滅編~

 実に奇妙な記録がある。
とある国の戦時中の記録だ。ある夜山の中で野営を組んでいた部隊が突如消滅した。敵国はその山には侵攻しておらず、誰が何のためにどうやって彼らを消滅させたのか長い間誰にも分らなかった。
特に異様だったのはその殺され方で、全員頭部や頚部に凄まじい圧迫を受けた後があり、6人中1人を残して全員が頭蓋骨の粉砕や首の骨の粉砕によって死亡していた。
残った1人も執拗に首を絞められて死亡している。最後に殺されたであろうその1人は部隊長であり、小屋の中で半円を描くように壁に立てかけられ並べられた隊員たちの遺体に囲まれるようにして絶命していた。それはまるで生贄の儀式のようだと関係者は漏らしている。行方不明者が1人いるがそれは犯人ではなく、連れ去られた可能性が極めて高いという見立てであった。
自殺や仲間割れなどでは決してない、また敵国の襲撃にあったわけでもない。

今日は全7人のうち6人が外因性による死、そして1人がいまだに行方不明である第二のディアトロフ事件といわれた謎多きこの夜の山の様子を解き明かしたい。

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