私の師匠(公認なし)であるトライブの大名盤、”Midnight Marauders”はすでにクラシックと化していることに異を唱える者はいないだろう。当時ギャングスタラップが流行し、ヒップホップというとダンディズムの塊、というようなイメージであったシーンとは相反し、クールでジャジーな印象を与えてくれる彼らはまさに革命児だ。このアルバム、とにかくQ-tipのサンプリングが光る。ジャズの要素を大胆に取り入れたスムーズなビートの上にQ-tipのリラックスした声とファイフの高い声が曲を彩る。特に”Erectric Relaxation”は後世に残るビッグソングだ。これを若手ジャズバンドのBADBADNOTGOODがカバーしている。こちらも必見だ。また新たなソウルの波を最前線で作っているオーストラリアのハイエイタス・カイヨーテはQ-tipを客演に招いており、彼はいまだに現役で活躍し続けているのだ。　
　トライブは私の青春である。これまでもこれからも。ありがとう。センキュー。

福田