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Ep1:アート業界の現状

株式会社TRiCERA代表取締役社長の井口です。

2018年11月1日 株式会社TRiCERAを設立し、
”Creativity has no boundaries”(創造力に国境は無い)をキーワードに
日本のアートを海外に展開するアート&クラフトECマーケットプレイス
運営を行なっています。

本日より毎週、日本と世界のアートについての情報を発信していきます。

〜世界におけるアート業界〜

アートの世界シェアはアメリカ、イギリス、中国の3カ国のみで
約85%を占めています。

世界最大のアートフェア「アートバーゼル」とスイス最大の銀行「UBSグループ」によると、2018年は674億ドル(約7兆4500億円)と増加している傾向にあります。


〜日本におけるアート業界〜

2018年、世界のアート市場規模は約7兆円に対し、日本国内のアート市場規模は約2500億円と言われており、日本は世界市場の約4%に過ぎません。

世界の先進国の中で見ると、日本のアート市場は圧倒的に小規模です。
その原因の一つが日本では美術品が資産として見なされていないことです。

また日本では作品の価値付けをする評価軸が弱く、現代アートの価値を向上させる仕組みも不十分であることも原因だと考えられています。


〜アーティストの現状〜

日本ではアーティストという職業が社会的に地位を高くしたという歴史が薄く、また高く扱う文化もありません。アーティストは作品の売れ高によって収入が左右される厳しさから多くの人が趣味程度で終わってしまうという現実があります。

よってアーティストとして生計を立てていく事は難しく、またそれが一部の才能を持つ人にしか達成する事が出来ないという固定概念から抜け出せていないのです。

実際、作品の販売で生計を立てられるアーティストは限られています。
有名なコンクールで入賞をした経験があるというアーティストでも美術講師やセンス・能力を生かせる副業をしながら生計を立てています。

本業に近い副業は時代のトレンドや消費者のニーズを把握することができ、
感性が刺激されるなどのメリットがある一方で時間等に縛られるため、創作意欲が沸いたときや閃きがあったときに作品づくりに没頭できないなど、フレキシブルに動けないというデメリットもあります。

また中には他言語やブランディング方法など、直接創作とは関係ない分野の知識も身につけ、それら全てを利用してアーティスト一本で生計を立てている方もいますが、少数に留まっているのが現状です。


〜今後生計を立ていくためには〜

日本のアート作品の情報はあまり海外に発信されていない。
しかしこういった閉鎖的な環境が日本独自のアートを生み出しています。

ここでポイントとなるのが「海外向けの拡販」です。

現在、日本の作品を世界に展開するにはグローバルなマーケットで作品を販売しているギャラリーに所属することですが、ギャラリーの数も多くはありません。
そのためギャラリーの所属を目指しながら自らの作品をプロデュースする必要があり、本来であれば出来る限り自分の創作活動に集中したいアーティストにとって大きな負担になっています。

また海外に販売するにあたって壁となるのが
「言語」、「配送などの物流面」、「マーケティング」。

プロフィールやウェブサイトなど全てにおいて英語で作成し、自ら作品のマーケティングをする。作品が売れた際は梱包し、輸出、配送手配などを行う。

このようにアーティストの世界進出には多くの障壁が存在します。
しかし世界には日本人アーティストに関心を持ってくれる外国人のコレクターが多く存在するのです。


〜解決に向けてのヒント〜

日本のアート作品を世界中からオンラインによる購入を可能にし、日本のアーティストをキャリア面・収入面の両方からサポートしていく。
そういったマーケットプレイスを確立させ、日本のアート業界に変革をもたらしていく必要があるのです。

次回のエピソードは若手アーティストに焦点を当て、掘り下げた内容で更新します。

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