トリカラボ / 酉果らどん

「酉果らどん」による、奇天烈ことば研究所。 ファンタジーの詩"Fanta詩…

トリカラボ / 酉果らどん

「酉果らどん」による、奇天烈ことば研究所。 ファンタジーの詩"Fanta詩"研究を中心に、日夜ことばの可能性を探究中。 ヒトリゴ島の外れから、 ことばのチカラ、お届けします。

マガジン

  • WEATHERD(ウェザード) - 天候術師のサーガ -

    本編より約250年前の世界。 誰もが魔法を使い、生活は魔法を中心に営まれていた。 しかし、地上の人びとは魔法で生活を豊かにすることはできても、天候だけは操れなかった。 空では「天候術師」と呼ばれる、魔法使いの精鋭たちが各々の能力で天候を操っていた。 天候術師たちは持ち前の能力ごとに「師団」を結成し、飛空挺で移動し空の均衡を保っていた。 ミナミの祖母から語られる、この世界の真実とは。

  • 実楽流:FUN多詩 外伝 ヤスメヤセンの休日

    ヤスメヤセンの少女ミナミの休日。

  • ヒトリゴ島

    詩ログ「ヒトリゴ島」に掲載した詩。 すべて野生の猛獣たちです。 襲われないよう、気をつけて。

  • 地底帝国の詩 - チテイテイコクノウタ -

    謎が謎を呼ぶ、超自然的SF冒険叙事詩。 考古学者の父とともに遺跡の調査に来ていた少年、段城矢真十(ダンジョウヤマト)が迷い込んだのは"地底帝国《カズーテラ》"だった。 現代文明を遥かに凌駕するテクノロジー、既存概念を覆す事象の数々。 少年は、追われ身の女帝テンムスたちとともに「鏡の断片」を巡る危険な旅に出る…。

  • トレタテ日詩

    或る日の感情、産地直送。

最近の記事

  • 固定された記事

当ラボについて

皆様どうも初めまして トリカラボ所長 酉果らどんです 当ラボは 言葉のもつ力の実験を 来る日も来る日も行っています その実験の成果を 日々書き連ね 或いはそれが 音を連れて来たり またあるときには 描写が見られたり 別の生き物になったりして 姿を現すのです でもその言葉たちは どんな形であったとしても あなたの側に必ず居ます 森で迷って疲れた時に 憶えていたら 思い出してみてください 呪文のように 唱えてみてください 直ぐに効果は出ないけど 徐々に良くなるはずです

    • 泣き虫オロロン【天候術師のサーガ 5】

       うわぁぁぁぁぁあ!  ── 仮面の少年  え、え?  ちょちょちょ、  静かに!  バレちゃうってば!  ── 島ギャル、アガヴェ 泣き叫ぶ仮面の少年の口を アガヴェは必死に押さえつけた その間仮面の少年は アガヴェの手を噛んだり 暴れたりしていた まぢかよ! 頼むからそんなに暴れないでってばぁ! ── アガヴェ アガヴェはナナミのおばあちゃんに 見つからないかドキドキしていたが ナナミがなんとかしてくれると 信じていた 〜 イノリゴ島

      • ゲンコツ祭り【天候術師のサーガ 4】

         子ども…?  ── イノリゴ島の少女、ナナミ 仮面をとった少年の顔は 雨粒で艶やかに濡れていた ナナミはしゃがみ込んで 少年の顔をペチペチ叩いた  おぉ〜い。  生きてるぅ〜?  ママとパパは?  ── ナナミ 少年に呼びかけてみたが 反応はない  仕方ないなぁ。  こんなとこに  置いてくわけにもいかないし…。  ── ナナミ ナナミは少年を背中におぶった  お、意外と軽い。  ── ナナミ 床に落ちていた仮面が気になったので 拾い

        • 仮面の少年【天候術師のサーガ 3】

          〜 イノリゴ島 外れ 雨の小屋 〜   あ、ちょっと!  ── イノリゴ島の少女、ナナミ 立て付けの悪いはずの扉が この時ばかりは調子よく するすると締まり ナナミは気味の悪い 「雨の小屋」に ひとり取り残されてしまった しかし、 彼女は恐怖など 微塵も感じていなかった 幽霊や宇宙人などは一切 信じていないからだ そんなことよりも ここら一帯で起こる 奇妙な異常気象の メカニズムが気になっていた ただ、ミナミは こんな島から早く出て行きたい と感じていた 魔法が

        • 固定された記事

        マガジン

        • WEATHERD(ウェザード) - 天候術師のサーガ -
          5本
        • 実楽流:FUN多詩 外伝 ヤスメヤセンの休日
          4本
        • ヒトリゴ島
          142本
        • 地底帝国の詩 - チテイテイコクノウタ -
          113本
        • トレタテ日詩
          32本
        • 実楽流:FUN多詩Ⅱ - 本当のダイヤモンド -
          333本

        記事

          雨の小屋【天候術師のサーガ 2】

          ナナミは 背丈の二倍ほどある 高い木の塀を軽々越えて 友人との待ち合わせに向かった ナナミの通っている学院では 生徒や教師を含め、 みんな魔法が使える そして、「魔道デバイス」なる謎の道具をもち 腕には「魔除けスタンプ」と呼ばれる タトゥーが入れてある 「魔除けスタンプ」の個数が多いほど 魔法の威力は強大になる だから、 授業中の教室では 大抵火の玉が飛び交っているため 教師たちはひたすら 打ち消し呪文の詠唱に追われることになり なかなか授業

          雨の小屋【天候術師のサーガ 2】

          むかしむかし【天候術師のサーガ 1】

          〜 ヤスメヤセン・丘陵地地帯 ミミナおばあちゃんの家 〜  これはむかしむかし、おばあちゃんから聞いた話じゃ。  ミナミのおばあちゃんのそのまたおばあちゃん。  大大ばあちゃんの話。  ── ミミナおばあちゃん ミミナおばあちゃんはゆっくり話し始めると ベランダに映る青空を遠目に見つめた ミナミはおばあちゃんの視線に導かれるように どこまでも続く青空に目を移した    天候術師たちがこの惑星の天気を操っていた頃…。  ── ミミナおばあちゃん  そのいつ

          むかしむかし【天候術師のサーガ 1】

          アフタヌーン・ティー【ヤスメヤセンの休日 4(最終回)】

          〜 ヤスメヤセン・郊外 丘陵地帯 おばあちゃんの家 二階 衣装箪笥内〜 植物の化け物は とうとうミナミのいる部屋に入ってきた ミナミは 衣装箪笥の扉に空いた隙間から 部屋の景色を覗き見した まるで恐竜のように キョロキョロ辺りを舐めまわしながら ミナミの姿を追っていた ミナミは いつでも衣装箪笥を突破されてもいいように リヴィングから持ってきた箒を右手に 左のてのひらにも何かを握りしめた 植物の化け物は しばらくミナミのいる部屋を徘徊した後 ついに衣装箪笥の前に立ち

          アフタヌーン・ティー【ヤスメヤセンの休日 4(最終回)】

          部屋の中の驚異【ヤスメヤセンの休日 3】

          〜 ヤスメヤセン・郊外 丘陵地帯 おばあちゃんの家〜 ミナミは 慌てて家の中に入った 近頃なにかと物騒なので おばあちゃんの安否が 真っ先に心配になった 外はあんなに晴れているのに 家の中はなんだかジメジメしており 陰気さが増す感じがした リヴィングの方から嫌な気配がして 恐る恐る除いてみると キッチンに見たこともない生物が佇んでいた  (あれは人間?人の形をしているけど、 身体は植物でできているみたい) ── ヤスメヤセンの少女、ミナミ おばあちゃんの安否の不安

          部屋の中の驚異【ヤスメヤセンの休日 3】

          おばあちゃんの家へ【ヤスメヤセンの休日 2】

          〜 ヤスメヤセン・市街地〜 ミナミは ママから受け取った麻袋を持って ヤスメヤセンの市街地を駆けた おばあちゃんの家は ヤスメヤセン郊外の 丘陵地帯にある 市街地を駆けながら ミナミは過ぎゆく景色を 目で追っていた しばらく見ないうちに ヤスメヤセンの街は 自分が知らない 別の街のように様変わりしていた ミナミは 見覚えのある通りで立ち止まった ぬいぐるみ屋さんが…。 ── ヤスメヤセンの少女、ミナミ かつての戦友 ワタヌキのぬいぐるみ屋さんは 人気アイドルグル

          おばあちゃんの家へ【ヤスメヤセンの休日 2】

          ヤスメヤセンの休日【ヤスメヤセンの休日 1】

          〜 ヤスメヤセン・カフェパラソル(ミナミの実家)〜  ミナミ、これ頼むよ。 ── ミナミのパパ 厨房から程よく炒められたナポリタンの皿と 皿を持った太い指の生えた毛むくじゃらの手が 勢いよく飛び出した はぁ〜い。 ── ヤスメヤセンの少女、ミナミ 小麦色の髪を高い位置でポニーテールにした少女は 上に厚手の白いフーディー、スリッドスカートを履いて 黒いエプロンを身につけていた ミナミは慣れた手つきで ナポリタンの入った皿を 客のテーブルまで運んだ ミナミがテーブルま

          ヤスメヤセンの休日【ヤスメヤセンの休日 1】

          新たなイラストを描いとります。 師邑アトロ

          新たなイラストを描いとります。 師邑アトロ

          ショック・ウェイヴ【ヒトリゴ島 131】

          振動が波となって 世界へ伝播する ラジオの電波塔は こころにある場所 眠ったままの ぼくらはいつも 大切なものを 失くして気づく もうこれ以上 涙よ流れないで ── 悲しみは、二度と繰り返すな。 (2021.3.10)

          ショック・ウェイヴ【ヒトリゴ島 131】

          こころの栄養を補給しました。 酉果らどん

          こころの栄養を補給しました。 酉果らどん

          このまま、時間が止まればいいのに。 酉果らどん

          このまま、時間が止まればいいのに。 酉果らどん

          こころの故郷への帰郷。 酉果らどん

          こころの故郷への帰郷。 酉果らどん

          ロスト・テクノロジー【ヒトリゴ島 130】

          ぼくらの ロスト・テクノロジー DNAに結ばれた 記憶のなかで生きている よく見る 夏の風物詩 ── エネルギーの、放出方法。 (2021.3.7)

          ロスト・テクノロジー【ヒトリゴ島 130】