自分の故郷はどこか

 今日で11月も終わり。明日から12月だ。2019年もあと1か月で終わる。あっという間だった。2019年はとにかく旅をした1年だった。名古屋へ行き、大阪へ行き、四国へ行き、色々なところへ行った。色々なことを味わった1年だった。海外に出なかったが、とにかく日本も色々な世界を持っていることに気づかされた。自分のイメージが次々と裏切られた。

自分の郷土を受け入れること

 自分は栃木で生まれた。両親は自分が生まれた1年前に鹿児島から栃木に転勤してきた。だから栃木にも疎い。栃木は東京のベットタウンにもなっているぐらい新幹線があって、生活にも不自由がない、そんな地域だった。

 鹿児島で生まれ育った親にとって栃木はあまり張りあいのない場所だったんだろう。栃木の人はおおらかで内向性が高い。それが親にとってあまりいいと思っていなかった。よく口癖で言ってたのは「栃木には何もない」だった。それは事実なのかもしれない。栃木の人は身内で仲良くなる人が多い分、自分はあまり馴染まない部分があった。(別に栃木じゃなくても埼玉もそうだったが)

 そういうこともあって栃木に残ろうとは思っていない。いままで自分は栃木が故郷だと思うことができなかった。栃木は戊辰戦争以来「負けの歴史」を持っていた部分もある。だからこそ余計に故郷だと思うことができていなった。何か宙に浮いた感じだった。

 親元を離れて何か気持ちが変わった。それは色々なところへ旅をしたからということもあったし、郷土の歴史を学ぶようになったこともあったし、色々なことがあった。他を知ることで故郷のいいところに気づくことができた。そしてその土地の文化や歴史を知ることで郷土の歴史をおのずと調べるようになった。自分が生まれ育ったところを受け入れた瞬間だった。

 自分が出会った親しい人に栃木の話をしたら、「栃木に行ってみたい」と興味を持ってくれた。何か自分をより受け入れられるようになった。

故郷をもつこと

 自分の故郷は確かに栃木なのだが、自分のもう1つの故郷を持つことになる。それは四国だ。四国は自転車で1周した。それ以前に1度だけ松山に訪れたが、それ以外本当に興味がなかった。でも自転車で四国を旅して自分の価値観が大きく変わった。

 四国の豊かな風土、文化や歴史、美味しい食べ物、人の温かさに触れることで四国に惹かれるようになった。確かに他にも色々な素敵なものがあるのは知っている。例えば鹿児島が挙げられる。でもそこまで惹かれる、というところまでなかった。

 今年は3回も四国に行った。特に高知と高松、瀬戸内が自分にとって故郷のように思えるぐらい好きな場所になった。瀬戸内と太平洋とでは全然違う。でもその違いはとても興味深い。

 四国を故郷をすることは栃木を故郷に思えることになった。何か自分の腰を据えるような感覚だった。自分の故郷を持つことは自分を受け入れることにもなった。好きな場所のことを知り、自分の故郷を知り、そして自分を受け入れる。ようやくそういうことができたのだ。

 2019年、自分の故郷をなにか持つことができた。さて、2020年はどんな年になるだろうか。1人旅からパートナーと一緒に旅をする1年にしたい。🐓

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