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パクチー。それは天国の便所に生える草。

パクチー。
タイ料理と言えばパクチー。
パクチーとは何か?一言で言うと、臭い草です。
シャンツァイ、コリアンダー、クアントロなど様々な呼び名がありますが、日本では「三つ葉」と呼ばれている物です。

パクチーがどんな味か試してみたければ、スーパーに行って三つ葉を買ってきましょう。スーパーに行くならパクチーを買って来てそのまま試せばいいじゃんと思うかもしれませんが、その通りです。
まあ、三つ葉をそのまま生で食べてみましょう。それがパクチーの味です。
三つ葉を生で食べると意外と臭いことに気が付くでしょう。
その臭さはパクチーと同じ味です。
こんなこと言うと割烹料理屋の女将にビンタされそうですがマジです。

ただ、味は同じですがパクチーは三つ葉の数倍は臭いです。
三つ葉はナメコの味噌汁やカツ丼に入っているとその熱でいい感じに臭みが飛んで丁度いい爽やかな風味を醸し出しますが、パクチーはよくわからん形状の鍋でトムヤムクンと共にグツグツと煮込まれていてもその臭さは健在です。いや、健在どころか鍋全体を汚染します。

そしてパクチー、シャンツァイ、コリアンダー、クアントロ、三つ葉など様々な呼び名がありますがそれらは全て別物です。味は同じですが臭さの度合いが全然違います。
三つ葉とパクチーは、同じカブトムシでも日本のカブトムシとヘラクレスオオカブトくらい違います。
因みに日本で売っているパクチーはコーカサスオオカブトくらいの臭さです。
本場のヘラクレスオオカブトはまた別物です。

少し前に日本でもパクチーが流行りパクチーサラダなんて頭にネジが二~三本ブッ刺さっているような人が考えたとしか思えない料理がありましたが、タイにそんな料理はありません。
日本に「三つ葉サラダ」が無いのと同じです。
タイ料理におけるパクチーは日本でいう三つ葉やネギとほぼ同じ使い方をする食材です。

パクチーがどんなものかある程度わかってもらえたところで話を進めると、私は正月休みは毎年タイで過ごすくらいタイが好きです。
飛行機に6時間揺られてホテルにチェックインし、疲れているという事で晩ごはんはホテルのルームサービスを頼みます。
頼むのはもちろん、トムヤムクン!(パクチー抜き)です。
しかし私ほどタイに来ていると、パクチー抜きのトムヤムクンはどこか物足りなさを感じながら就寝します。

翌朝はホテルを出てバンコクを散策しレストランでやはりトムヤムクンを注文します。もちろんパクチー入りです。
私ほどタイに来ているとパクチー入りのトムヤムクンを口にしてやっと「ああ、今年もタイに来たなあ」と思えるのです。

そして陽も落ちて夕食を食べにレストランに行きます。
頼むのはもちろんトムヤムクン(パクチー抜き)です。
いや、いらんから。パクチーとかホント勘弁して。
十年来タイを訪れていても慣れる事のない食材。
パクチーとはそんな食材です。


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