【スト6】 ライトゲーマーがマスター帯でトッププロに勝つまでの取組 (ストリートファイター6)
はじめに
メタンと申します。
週に約5時間しか格闘ゲームができないライトな格ゲーマーです。
しばらく格闘ゲームから離れていたおじですが、ストリートファイター6で復帰して、約1か月でマスターランクになりました。
私自身はスト6ではキンバリーを使っていますが、特に使用キャラに関係ない内容となっています。
格闘ゲームをプレイするほとんどの人が、自分のようなライト層だと思っています。この記事では、ライトゲーマーでもマスター帯に到達できた私自身の取組を紹介します。
余談ですが、ウメハラさんにもランクマでたまたま勝つことができました。長期戦では勝てるはずもありませんが、通り魔的にランクマでトッププロに勝てると、モチベーションが上がってうれしいです。
※職場や学校で一生自慢できます。
2先のランクマであれば、誰でもトッププロに勝てる可能性があります。
ライトゲーマーでも、マスター帯で試合したくないですか?
この記事で対象とする方
格闘ゲームにあまり時間を使えない方
スト6から格闘ゲームを始めた方
マインドセットが重要
自分の弱さを自覚する
スポーツでも、勉強でも仕事でも、強さは捧げた時間に比例します。
ライトゲーマーが、ヘビーゲーマーよりも強いはずがありません。
最初に、ライトゲーマーは「絶対的に弱い」ことを自覚しましょう。
努力する人ほど強いのは当たり前。ヘビーゲーマーやトッププロに正攻法で勝とうなんて、おこがましい考えです。
練習時間が足りないので、勝率も安定しないし、明らかに強くない人や単調な行動を繰り返すだけの人にも負けるでしょう。全てにおいて対策不足なので当然の結果です。自分が弱いせいだと認めましょう。
では、自身が弱いことを自覚した上で、限られた時間の中で最大限の結果を出すにはどうすればいいでしょうか?
弱者が強者に勝つには?
弱者が強者に勝つための戦術には、古来から様々な研究や事例があります。歴史に学べば、弱者が強者に勝つ方法はたくさん存在します。
有名なものとして、ランチェスターの法則があります。
元々戦争を対象とした数理モデルですが、現在では経営学に活用され、実際のビジネス上の意思決定でも応用されています。
ランチェスター第一法則は、以下の公式で表されます。
「戦闘力=兵士数×武器効率」
この公式に当てはめると、弱者が強者に戦闘力で上回るための戦術は以下のような例があります。
奇襲をすることで局地的に兵士数で上回る
例:桶狭間の合戦相手よりも性能の良い武器を用いる。
例:長篠(設楽原)の合戦
なお、”孫氏の兵法”では、負ける戦はしないことが推奨されていて、
「そもそもライトゲーマーであれば格闘ゲームをやらない」
ことが最適解となります。(ある意味正しい)
格ゲーにおいて弱者の勝ち方とは?
格闘ゲームに当てはめて考えてみます。
格闘ゲームは、相手の体力をゼロにした方が勝つゲームです。
相手の兵士数をゼロにした方が勝つという、ランチェスターの第一法則の前提と全く一緒で、考え方をそのまま応用することができます。
私が考えた格闘ゲームの法則は、次のような定義です。
ダメージ = (行動機会) × (ダメージ期待値)
行動機会というのは、格闘ゲーム用語でいうと、いわゆる「読み合い」です。
あえて「読み合い」という言葉を使っていないのは、初心者の方はじゃんけんのような平等な読み合いを想像してしまうからです。
プロゲーマーの方も配信でじゃんけんという表現を使っているので誤解が生じやすいですが、「読み合い」が成立するのは、実力が近い前提です。
実力差がある場合は、そもそも読み合いとはなりません。
ライトゲーマーとプロの試合も、本当の意味での読み合いとはなりません。
弱者が強者に勝つ鉄板の作戦は"奇襲"です。
弱者は、読み合いが発生する前に勝つか、仮に読み合いが発生しても、有利な条件で戦うのが理想です。
このような理由で、行動機会という定義を使っています。
ダメージ期待値は、ランチェスターの法則の武器効率と同じ概念です。
性能の高い武器を使えば、それだけ効率よく相手を倒せます。
同じように、ダメージ期待値の高い攻撃をすることで、効率よく相手の体力を減らすことができます。
スト6では、体力が全キャラ1律で10000に設定されています。
ダメージ期待値が1000-2000とすると、1ラウンドで10~20回の行動機会が発生します。
弱者が勝つための戦術
前置きが長くなりましたが、具体的な戦術を記載します。
戦術①:強い行動を知る
弱者が勝つための1つ目の戦術は、限られた行動機会の中で、強い行動の割合を増やすことです。強い行動を知ることで、ダメージに繋げることができる確率があがります。
スト6において、強い行動は2種類あります。
全体フレームが強い
フレーム状況が強い
強い行動を意識する上で、フレームの概念を知る必要があります。
一般的な知識として、ゲームや動画にはフレームレートが存在します。
動画編集をやったことがある方は、出力の時にフレームレートを設定するので馴染みがあると思います。
スト6は、1秒間に60フレームで構成されています。つまり、1秒間に60枚のパラパラ漫画でゲームが進みます。
「〇フレーム有利な状況」という言葉をよく聞きます。
例えば、12フレーム有利な状況というのは、
0.2秒間(12/60)だけ相手よりも早く動ける、という意味です。
1.全体フレームが強い行動とは
人間の反射速度は、トップアスリートで約0.2秒、一般人で約0.3-0.4秒です。
つまり相当な才能がない限り、20フレーム前半で到達する攻撃には、人間は反応できません。
これらの行動は、「読み合い」にはならず、「押しつけ」です。相手の実力に関係なく、人類共通で対応が難しい行動です。
ライトゲーマーは、この種類の強い行動を押し付けることを真っ先に考えましょう。ライトゲーマーは弱いので、読み合いに持っていくと勝てないことを自覚し、押し付ける行動メインで戦います。
DJのドライブラッシュ(通称リニア)、近距離からの本田やブランカの突進技、キャミイの低空スパイク、ケンの竜尾脚、JPのタケノコなど、強いと言われている技はこの行動に当てはまります。
特に、DJ、キャミイ、ケンについては、これらの強行動がガード時はフレーム状況(後述)がよく、ヒット時はコンボがつながってダメージ期待値が高いため、非常に強い行動となります。
全体フレームが強い行動自体は、ほとんどのキャラクターが持っています。まずは自分の使っているキャラクターで、20フレーム台で押し付けられる行動を書き出しましょう。書き出すことは、自分の頭を整理するためにも、後から見返すための確認項目を作るためにも重要です。
また、発生26フレームのインパクトも、強い行動の一つです。インパクトは全キャラ共通の強行動です。
なお、私はおじで練習もしないため、インパクトには全く反応できません。
2 . フレーム状況が強い行動とは
強行動を押し付けるだけで勝てるほど高ランク帯は甘くはありません。
どうしても読み合いは避けて通れません。
その時に意識したいのが、有利フレームです。
有利フレームとは、相手よりも先に動ける状況を意味します。
有利フレーム状況の読み合いは、例えるならイカサマありの読み合いです。
麻雀で例えると、配牌でテンパイしている状況からスタートするようなイメージです。
有利フレーム状況であれば、相手の方が実力が上でも、圧倒的に有利な読み合いをすることができます。
自分のキャラクターで、ガード後やコンボ後に有利フレームとなる技やセットプレイを書き出しましょう。自分で調べる必要はなく、youtubeやブログなどでまとまった情報が既にあるかと思います。
有利フレームを作った後は、細かいことは考えずにその状態から投げや打撃を重ねてください。多少フレームについての理解が不足していても、対戦相手は苦しいはずです。
投げや打撃が当たったら、起き攻めで再度有利フレームを作ることを超意識してください。ここでループができるようになると、勝率がグッと上がります。
バトルハブでプラチナ帯以下の方と対戦することがありますが、コンボ後の状況を考えていない場合が多いです。
極力コンボ後は、再度有利フレームを作りましょう。
また、画面端が強いとよく言われます。
その理由の1つが、画面端であればコンボや投げ後に有利フレームを作りやすく、起き攻めがループすることです。それほど有利フレーム状況を作ることは強い行動です。
何フレーム有利という細かい数字の情報を把握していなくても、有利フレームのループ方法を覚えればマスターランクには到達できるはずです。
戦術① 「強い行動を知る」まとめ
全体フレームが強い行動は、人類共通で対応が難しい。
限られた行動機会で、この行動を押し付ける割合を増やす。有利フレームで読み合いをすることを超意識する。コンボ後も有利フレームを作って起き攻めをループできるセットプレイを覚える。
戦術② 弱い行動を知る
格闘ゲームは対戦ゲームです。
当然、対戦相手も強い行動を押し付けてくるし、自分のキャラクターの強い行動への対処もしてきます。
つまり、対戦相手にとっても(行動機会)と(ダメージ期待値)が存在します。
防御側にとっては、以下の定義が成り立ちます。
被ダメージ = (被行動機会) × (被ダメージ期待値)
対戦相手の体力を先にゼロにするには、被ダメージを抑える選択肢を意識することが重要です。
例えば初中級者帯で多い、被起き攻め時の無敵技(通称:パナし)を考えてみます。
無敵技(例:OD昇竜拳)が当たった場合、こちらが与えるダメージは約1500です。無敵技がガードされてしまうと、被ダメージは約3000-4000&被起き攻めです。
ほとんどの場合、無敵技をパナす行動はリスクリターンがあっていません。
何も考えずにこの行動を繰り返す方は、当然勝てません。
一方で、無敵技をパナしてもリスクリターンに合う場合があります。
例えば、次のような場合です。
画面端に追い詰められ、何もしない場合でも被ダメージ期待値が高い
無敵技をガードされても反撃が安い
SA3など、ダメージ期待値が高い無敵技でパナす
自分の体力が少なく、次に読み負けるとラウンドを落とす状況
上級者が無敵技をパナす場合、リスクリターンが説明できる何らかの理由が存在します。さらに、攻撃時には、対戦相手の被起き攻め時の行動を覚えていて、ダメージ期待値が高い行動を選択します。
上級者にとって最もダメージ期待値が高い行動は、無敵技ガード後の反撃です。そのため、ランクマで対戦相手が意味不明なタイミングで無敵技をパナしてきた場合は、「こいつはカモだ」と認識して起き攻め時に様子見やシミーを増やします。
そのほか、相手の有利フレーム状況での小パン暴れも弱い行動です。これをしている方があまりに多いので紹介します。
全ての行動機会において、相手と自分の画面位置、体力、フレーム状況、前の読み合いで対戦相手が取った選択肢を考慮して、被ダメージを抑える選択肢を取りましょう。
状況に応じた判断が難しい場合には、ガードしながらインパクトを見る選択肢を増やしましょう。基本的にガードをしていれば、被ダメージ期待値が低いです。
なお、筆者はインパクトだけを見ていても、インパクトを返せません。
戦術② 「弱い行動を知る」まとめ
被ダメージを抑える選択肢を意識する
同じ選択肢でも、状況次第で期待値が変わる。考えるのが面倒であれば、ガードしながらインパクトを見る。
戦術③ 時間を有効に使う
ここまで読んでいただいて、強くなった気になっていませんか?
決して勘違いしないでください。あなたも私も弱者です。
加えて、格闘ゲームに使える時間が少ないライトゲーマーです。
ライトゲーマーが勝つには、効率良く勝てるプレイを身に付ける必要があります。そのための具体的な行動を記載します。
コンボを妥協する
ダメージ期待値が大きい選択肢を取るには、コンボ練習が必要だと思っていませんか?
この発想は、練習時間が潤沢に取れる強者の発想です。
あなたも私も弱者なので、コンボは妥協しましょう。
ダメージ期待値は、(実現ダメージ) x (成功確率)です。
弱者は、成功確率が95%以上のコンボだけを使いましょう。
筆者は、インパクトが当たったら、直SA3という妥協コンボを多用しています。弱者のコンボ選択は、その程度で充分です。
練習内容を絞る
「コンボ練習するくらいなら立ち回りを練習したほうがよい」
という書き込みをよく見ます。ここでいう立ち回りとは、なんでしょうか?
限られた時間を練習に使う場合、以下のことを実施しましょう。
押し付けられる強い行動の選択肢を増やす
妥協コンボの精度向上
コンボ後に有利フレームを作る起き攻めループの精度向上
キャラ毎のダメージ期待値が高い強行動への対処(=キャラ対策)
諦めることを明確にする
練習時間が十分確保できないため、全てのキャラや強行動に対して対応することは不可能です。
参考に、私が諦めていることを記載します。
ランクマ使用率が低いキャラへの対応
特に本田、ブランカ、キンバリーは対戦前から負けを認めている。インパクト返し
インパクトを返せると勝率が5%は上がりそうなので練習は始めている。最大コンボ
トレモでコンボ練習はほとんどしてない。
効率的に強くなる
最後に、効率的に強くなるために私が実践していることを紹介します。
通勤電車内で、youtubeとtwitterでキャラ対策や強行動の情報収集
強い人のリプレイを見て、セットプレイの情報収集
自分のリプレイを見て、被ダメージに繋がっている行動の洗い出し
自分のプレイの課題、強行動、練習項目の書き出しと確認
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ライトゲーマーがストリートファイター6でマスターランクに到達するための参考となれば幸いです。
あくまで私の経験に基づいたもので、記載している情報が正しいかどうかはわかりません。
ただし、強い行動を押し付けることが勝つ近道だという確信はあります。
ストリートファイター6が、格闘ゲームの歴史を変えることを楽しみにしています。
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