190906工場1

Trooms 革と工場のこと

10年以上前から皮革工場の業界冊子や販促ツールの制作に関わり、
グラフィックデザイン、そして現在はデレクションを任せていただき
皮革工場の魅力を伝えるお仕事をさせていただいています。
皮から革にするための鞣し、そしてその後の多彩な加工技術など『革』を知ることになったのはこのお仕事のおかげです。

それまで革についてまったく無知だったので、皮革工場巡りは新鮮な驚きの連続でした。

パンチング(穴あけ)加工や型押加工、縮絨加工、グレージング、e.t.c...
布では表現できない様々な加工や仕上げ方法。
天然素材ゆえの難しさや楽しさを現場の職人さんたちから教えていただき
革の魅力や可能性にワクワクし、自分でも何か形にしたい思うようになり、それが革小物を作るきっかけとなっていました。

幾つも工場を巡るうちに、工場自体にも惹かれていきます。
工場の中は不要なものがなく、作業のための道具や機械にもそれぞれ
用途にあった形があり、それらの姿はとても美しく思えました。
汚れやホコリさえもまるで舞台装置のように見えるのでした。

この画像の油差しは今年、廃業されて失くなってしまった工場のモノです。
佇まいが可愛くて、お邪魔するたびに密かに心の中で挨拶していました。
役目を終えてしまった道具に、もう会えないことが寂しいです。

続けていくことの難しさ、大変さを学びながら、これからも工場へ通いたいと思います。


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