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【浦和レッズ】一年の振り返り(雑感ベース)【お疲れさまでした】

はじめに

 京都麩って美味しいですね!!!(挨拶)

 サッカーを、そして浦和レッズを愛する皆様こんばんは。
 今年も残り数時間となりました。大晦日のご馳走を平らげて慌てて書いています、くろだです。
 ・・・と書いていたら色々あって年を越してしまいました。
 みなさま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 一昨年は書けたか覚えていないのですが、今回は雑感ベースでも書き残しておかねばならぬと思い筆を取ることにしました。
 2023シーズンはACLのタイトルを取ることが出来た歓喜をピークに撤退戦の様相を見せながらなんとか高度を維持していたものの気球の燃料をくべようにも燃料が目減りしていき、最終的には気球の補修も間に合わなかったようなイメージでシーズンを終える事になりました。
 詳細なレポートは継続して追い続けていた方々の記事を見ていただければと思っていますが、個人的に見てて良かったなと感じたポイントと緩んでしまってから見る事が出来なくなってしまったポイントについて雑感ベースで残しておこうと思います。

個人的好みポイントだった構造・現象

 スコルジャ新体制の初手として守備構造の着手から入ったのは周知の通りかと思いますが、シーズン最序盤でも萌芽を見せていたものの、第3節からプレーテンポに変化が見えた事で現象としてもはっきり見え始めました。

 最序盤から見せていた大枠としては前線の規制から強めに誘導して上図のトライアングルで包囲する、というのが前提にあったように思います。
 序盤2試合での拙速からバタバタした展開を見せていましたが、それもある程度の強度で基本構造を実装できていたからこそで、プレーテンポを調整したことで基本構造の強度を再構築する時間が生まれ、好循環を迎える事が出来たのだと感じています。

 トライアングルで包囲する際の基本的な配置は上図の通りだったかと思いますが、基本線は2~3方向の包囲+プレスバック(または後方のパスルート遮断)で、出し所を探している内に刈り取ってしまうか相手が勢いを持って前進していても方向転換を制限することで正面で相対する選手が迎撃しやすくする配置を取っていました。
 これは、相手のバックラインの枚数が2枚でも3枚でも最前線の規制役であった小泉や大久保が後方とコミュニケーションを取りつつプレスを行う事で中央へのパスルートを制限しながら誘導を実現し続けた結果として多く見られる配置でした。
 サイドに追い込んだ際の逃げ道に伊藤敦樹が顔を出してパスカット、というシーンや中央での迎撃役が刈り取る、引っかけたのちにプレスバックや側方の味方が回収してトランジションを迎えるシーンが多く見られたのはこの基本構造の維持に注力し、正対する迎撃役が無為に突っ込むことを我慢し側方の配置をそれなりの速度で果たすことが出来た事によるものでした。

構造の維持と懸念点

 ACL前に見せていた基本構造を維持するための大前提として前線の規制~トライアングルの形成+プレスバックというセットが必要となりますが、反転して考えてみれば、パスルートの限定とタイミングが合わず、配置が整う前に迎撃役がアタックしてしまう、プレスバックが適切になされていない、などのプリンシプルの面によって構造の強度を自ら手放してしまう事になります。当落線上の選手たちがスタメンから漏れていったのは、この基本構造から逸脱する振る舞いが多く見られたからでもあり、あまりに適応が出来なかった選手はプレー時間が著しく低下していたように思います。
 セットした形でも構造から逸脱する振る舞いをするという事は、トランジションが多発し構造に対するインパクトが連続する時間帯においても構造を維持することなど出来るはずもありませんし、構造が脆弱な時間帯を増やしリスクを自ら作り出してしまう事で強力なバックラインを擁していても適切なポジティブトランジションを迎えることなど出来るはずもありません。

 また、対戦相手においても浦和の基本構造を乱すためにそれぞれのプレーモデルをベースに様々な手を打ってきますが、ACL前の数試合に目を向けて見ても名古屋戦では試合序盤からフィジカル的要因から配置を整えることが出来ない場面を作られていましたし、札幌戦では相手の守備に苦慮する形で自軍のネガティブトランジション時の振る舞いに難しさを抱える事に、川崎戦では両軍の戦域の広さに由来して浦和側が局地戦を選択したことでリソースのバランスを乱されてしまいました。
 基本構造の維持においてはプリンシプルが重要となってきますが、ストレスを抱え続ける中でプリンシプルを維持し続けるだけの意思をどれだけ持てるか、というのは非常に重要な要素でした。
 当落線上の選手はその点で不安定さを強く感じましたし、スタメンに名を連ね続けた選手の中にもこの面で物足りない選手は存在していましたが、スタメンに名を連ね続けた選手と当落線上の選手に決定的な差があったとすれば強烈なパーソナリティを発揮していたかどうかだったと思います。構造に対して安定性を揺るがす可能性のある振る舞いをしても結果として収支を合わせる事が出来れば起用されていましたし、構造を維持するために強く振舞える選手がサポートする事で強烈なパーソナリティを活かすことも出来たからです。

ACL後の期待と困難

 ACL後の浦和は監督、選手からより攻撃面にフォーカスした振る舞いを志すようなコメントを残していましたが、僕はこれに対してACLまでの道程をさらに進めてよりプレスから流れを引き寄せる腕力を発揮しようとしているのだろうな、と期待していました。
 実際には前線のキャラクターとしてより攻撃面に特色が強い選手を配置するバランスを取ることでファーストディフェンスが決まらない場面が増え、プレスによって腕力を発揮するというよりはトランジションを迎える高さが低くなることで感じるストレスをどうにか解消したいという志向が働いたのでは?と感じる場面が増える事になります。

 鳥栖戦を見た際の雑感でも書きましたが、プレスや守備構造の維持にかかる精神的ストレスに加えてポジティブトランジションを迎える高さが低い=相手のカウンタープレスに晒される頻度によるストレスを避ける形で自身がコントロールしようとする起点をビルドアップに置いた振る舞いが増えたのではないかと推測しています。
 その要因として、ACL後の心身の消耗がエネルギーを注ぎ込むことを許さなかった事が挙げられるかと思いますが、単純なエネルギー不足だけではなくサブメンバーが最低限の置換も出来なかった事でチーム全体としての負荷調整が難しかったことが大きいのではないかと思います。
 特にサイドバックと前線の両翼にスタメンとして計算できる振る舞いが出来る選手が少なかったことで負荷調整も効かず、土台にひびが入ったままの進軍を強いられた状況が守備構造を基礎にした発展を許さなかったと表現した方がしっくりくる気がしますが、その点で見るとフィールドプレイヤー枠の実に半数近くにリソースの問題を抱えながらシーズンを戦っていたことになります。
 トレーニングに割ける時間が短かった事も影響しているとは思うのですが、実質的にACL決勝までに構造を無駄に乱すと判断されてしまった選手についてはリスクの大きさからチャンスが与えられる状況ではなかった事でカンテの(かつての)興梠的起用をベースにトップ下に安居がファーストチョイスに、出来るだけ中央で使ってあげて欲しかった小泉をサイドで起用せざるを得なかった事でボランチの使い方が固定化され流動性の確保が難しくなってしまったんだろうな、と思います。

さいごに

 今シーズンはリソース不足の面はありつつも守備構造の整備に一定の成果が出た事でエネルギーが不足した場面でも大崩れしない組織を実装できたことが大きな成果だったなと思います。
 その反面、特にサイドの選手に代替となる選手を用意することが難しくなった事でリソースがひっ迫することになり大崩れはしないながらもギリギリの戦いを強いられてしまった事はタイミングの問題もあるにせよリソースを用意するフロント側の瑕疵でもある、という部分は見逃してはいけない部分でしょう。
 今シーズン、監督に就任するヘグモさんがどのような実装を志向するかは始まってみないと分かりませんが、コア部分は残るにしても報道ベースでも見て取れるように選手の入れ替えが相当数あるでしょうし、それに伴って新たにコアに設定される選手にも変化がありそうな予感が強くあるので楽しみにしていきたいと思います。
 特に、2試合程度ですが見てみた感じ4-1-4-1のような配置を取る分、サイドバックの人選と挙動に対する適正は見なければいけませんがビルドアップの出口を用意しやすそうな雰囲気もあり、中盤(特にインサイドハーフ)の選手が躍動してくれれば相当に楽しい試合が見れるのではないかと思っていたりします。伊藤敦樹をどう使うねん?問題は出てくるでしょうが・・・。配置を昨シーズンの浦和を踏襲して4-4-2や4-2-3-1を採用した際にはどんな形で基礎構造を整えるのか、という部分にも興味がありますので、シーズン開始から5試合でどんな現象が見れるのかに注目していきたいな、と思っています。

また、何か書いていこうと思いますので、その時は是非とも。

ではでは。

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