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シティリーグ シーズン2 優勝×2,TOP4 三神ザシアン解説

はじめに

※当記事は有料部分を含んでいるため、全文を読むには記事を購入する必要があります。

《○○》 → カード、ワザ、特性などの名称
【○○】 → デッキの通称

HN:ガルシア(@Trubbishx3)と申します。
平日は社会人として働きながら、休日の趣味としてポケモンカードをプレイしています。

2017年にWCSに出場し、そこで仲良くなった仲間たちと一緒に練習していることが多いです。

今シーズンの成績

チャンピオンズリーグ2020東京:42位(80pt)
チャンピオンズリーグ2020愛知:49位(80pt)

シティリーグ シーズン1:優勝(100pt)
シティリーグ シーズン2:優勝(100pt)

今シーズン出場している大会では、すべて優先権獲得ライン以上の結果を記録しています。

シティリーグ シーズン2において《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ザシアンV》、通称【三神ザシアン】を使用した調整メンバーの成績は

ガルシア :優勝(5-0,3-0)
クラ:優勝(4-1,3-0)
おかぴー:ベスト4(4-1,1-1)
あめれ:11位(4-1)

と、極めて高い勝率をマークしています。

同じデッキタイプを使用したと言ってもそれぞれの出場時期は違っていて、デッキの内容は完全に同じわけではありません。
《グズマ&ハラ》を採用して序盤の安定感に寄せたタイプと、ミラーと速度を重視したタイプの2つを検討していました。
デッキリストは両タイプとも紹介しますが、本記事では主に ガルシア の使用した《グズマ&ハラ》型の【三神ザシアン】の解説を行います。

無料部分だけでも、是非お読みください。
以下が本文となります。

デッキ選択の経緯

前回同様、CL愛知ではエクストラを選択していたため、スタンダードに対する理解がほとんどない状態からのスタート。
特に今回はスタン落ちとルール改定のタイミングでもあり、前回と比較して大きく環境が動いた。
またシティリーグ シーズン1の経験を通して、シティリーグ開催週は毎回のように新しいデッキが入賞し、常にその時意識すべきデッキタイプが変動している傾向にあると認識していた。

これらの理由から、まずは愛知終了時点での上位デッキの使用感を確かめ、大会直前に行われたシティリーグ・自主大会の結果を参考にして今回の使用デッキを決定することにした。

1/4,5 ポケカメモ杯 ~観戦のすすめ~

スタンの感覚をつかみ情報を得るいい機会だと思い、友人とチームで参加。
CL愛知の優勝デッキでもある【ピカゼク】を調整中だったため、そのまま使用した。

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1/4 ポケカメモ杯 使用デッキ 

1 先 ◯ 三神ザシアン
2 後 ◯ モルペコドール
3 先 × ズガドーン
4 後 ◯ 三神ザシアン
5 先 × ザシアン

大会は1日目の予選と2日目の決勝に分かれて開催されており、2日目に出場にするには予選を通過しなければならなかった。
結果は個人3-2、チーム3-2で予選敗退といまいち振るわなかったが、収穫はあった。

試合には参加できなかったが、予選通過チームは初日のうちにデッキリストが公開されていたため、2日目も会場に赴き、対戦者それぞれのデッキ内容を確認しながら観戦して情報収集に徹することにした。

少し話が逸れるが、mtgの殿堂プレイヤー・八十岡翔太氏はTeam Cygamesの記事内で「今、強くなるためにすべき3つのこと」のうちの1つとして「見て覚える」ことを挙げている。

今の人は他人のプレイを見るより自分でデッキを回すことを優先しがちだけど、うまい人のプレイを見ないとうまくならない。自分はプロツアーに行ったとき、決勝ラウンドの試合を全部見る。日曜日に現地で観光してる人はうまくならない。
試合を見ると言っても、ぼーっと見ていてはダメ。お勧めのやり方は、強い選手の試合を「自分だったらどうプレイするか」逐一考えながら見ること。
(中略)自分なりにまずは答えを出すことが大事。(中略)うまい人のプレイを見ながら考えることによって、うまい人が持っている“理論”を学ぶことができる。

Team Cygames 八十岡塾開講!「今、強くなるためにすべき3つのこと」(http://team-cygames.com/2019/11/16/6251/)より引用

これはポケモンカードでも応用できる考え方であり、特にまとまった練習時間の取れない社会人プレイヤーにとっては有効な考え方だと思う。
自分はもともとゲームの配信を見るのが好きで、平日の空き時間、風呂に入っているときや寝る前に有名プレイヤーの配信・過去のチャンピオンズリーグのアーカイブを見て、プレイヤーの思考を追う練習をしている。

話を戻して、ポケカメモ杯2日目の試合を観戦して得た情報・それに伴う感想について。
具体的には、

・《ザシアンV》を中心としてメタゲームが回っているのは間違いない。

・当時、《ザシアンV》メインのデッキで最もメジャーなのは【三神ザシアン】だった。
《ガラルニャース》がプールに加わったことにより、《ザシアンV》メインのデッキは打点上昇を《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》に頼らなくてもよくなった。
この変化に伴い、
①《ルカリオ&メルメタルGX》採用型の【メルカリザシアン】
②《ガラルニャイキング》の進化ラインを厚くした【スピードザシアン】
が増加した。

・TAG TEAM GXメインのデッキは《ザシアンV》系統のデッキに対してサイドレースで不利を取らないために、《大きなおまもり》を採用することで《ブレイブキャリバー》+打点上昇要素を耐える方針を取っていることが多い。

・【三神ザシアン】以外の《ザシアンV》デッキは《溶接工》を中心に展開する炎タイプのデッキへの勝率が悪い。

・従来は弱点を消すほかに、《ザシアンV》のミラーマッチにおいて《ブレイブキャリバー》を耐える意図でも採用されていた《鋼鉄のフライパン》は《ズガドーン》や《ガラルニャース》の増加に伴って、あまり意味を成していない。

など。

試しに《ガラルニャース》に寄ったデッキを使ってみる、といったスタンスで大会に出ているプレイヤーが多い印象を受けた。
結局のところ、新規に追加された《ガラルニャース》を考慮しても、最も対応力が高い《ザシアンV》デッキは【三神ザシアン】であると判断。

1/11,12 シティリーグ ~マグカルゴLO、急襲~

優先権を有していないメンバー(おかぴー)が1/11のシティリーグ Ganryu鹿島店 に参加。

【三神ザシアン】を使用し、ベスト4に入賞。
CL京都の優先権を獲得した。

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1/11 Ganryu鹿島店 シティリーグ 使用リスト

予選
1 後 ○ ピカゼク
2 後 ○ モルペコドール
3 先 × ピカゼク
4 先 ○ モクナシゴリランダー 
5 先 ○ 超ミュウミュウ 

トーナメント
先 ○ 三神ザシアン
後 × マグカルゴLO

自分が使うことになる【三神ザシアン】のベースとなるリスト。
調整時点では勝率が候補デッキの中で最も高く、先攻・後攻どちらでも安定した動きを取れていた。

このシティリーグにおける最大の事件は、おかぴーを準決勝で下し、そのまま優勝した【マグカルゴLO】の登場である。
デッキの詳細については、優勝者が解説記事を投稿しているため割愛する。

対戦時の話を聞き、その情報をもとにしてその日の夜にデッキを構築。

①《ふわふわまくら》+《まどろみの森》のコンボによるねむり状態ロック
②《じならし》+《さるぢえ》により、毎ターン《リーリエのピッピ人形》を供給
③《リーリエのピッピ人形》を突破できない場合、《ジュジュベ&ハチクマン》によって毎ターン確実にリソースを削る

の3点をベースとしたLOデッキと判断して、上位デッキと当ててみる。
相手がLOであると分かっている前提で対戦したが、【ズガドーン】や【ピカゼク】に対してはよほどのことがない限り負けず、
従来のLOデッキが課題としていた【三神ザシアン】にも、ねむりが上手くハマるとそのまま山を削り切れることが分かった。

翌日のシティリーグでも【マグカルゴLO】使用者のうち2人が優勝、1人がベスト4入賞という情報を受け、この勢いは一過性のものではないと判断。
一気に最も警戒すべき対象+次週のシティリーグ使用デッキ候補に入ってきた。

【三神ザシアン】を使用する際の壁が【マグカルゴLO】で、【マグカルゴLO】を使用する際の壁が【三神ザシアン】であると考え、連休の空き時間をすべてこの2デッキ同士の対戦に充てた。

結果、【マグカルゴLO】専用の対策カードを搭載せずとも、最適なプレイを行うことができれば【三神ザシアン】の方が有利と判断。
(後ほど、この調整を通して得た【マグカルゴLO】に対するプレイ方針についても記述する。)

以上より、最終的な使用デッキを【三神ザシアン】とした。

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1/18 トーナメントセンター バトロコ小山駅前シティリーグ 使用リスト

採用カード解説

メジャーなデッキタイプであるため、細かい枚数の差異が重要になると考えている。
【三神ザシアン】の構築を検討する際の参考になると嬉しい。

まず、【三神ザシアン】というデッキのコンセプトについて。

攻撃面においては
①《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》の《オルタージェネシスGX》によるサイド取得効率の最大化
②その後の《アルティメットレイ》や《メタルソーサー》によって加速された《ザシアンV》の《ブレイブキャリバー》

によって最短距離でゲームエンドを狙いに行くデッキ。

防御面においては
①高耐久の《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》(取得サイド数:3)で展開
②その後、2体の《ザシアンV》(取得サイド数:2)を押しつけていく
デッキ。

以上のような認識。

それぞれのカードの採用理由について、解説する。

ポケモン

4 ザシアンV
このデッキのメインアタッカーであり、ドローソースでもある。
ほとんど全てのマッチにおいて2枚以上使用する。
特性《ふとうのつるぎ》を使用する機会として最も代表的なのは、当然ながらポケモンがワザを使用するための十分なエネルギーがついていない1ターン目。
したがって多くの場合、序盤のボードに置く優先度が他のポケモン以上に高い。
しかし、《クイックボール》などのポケモンをサーチするソースは有限である。
《ザシアンV》を確保したのち、他のたねポケモンを《クイックボール》から選んで呼び、ボードを構築していく展開が理想であると考え、最大枚数の採用とした。
調整を通して、減らしたいと感じたことはほとんどない。

2 アルセウス&ディアルガ&パルキアGX
第二のメインアタッカーであり、《ザシアンV》へのエネルギー供給手段のひとつである。
コンセプトの通り、ほとんどの試合において1枚使用する。
2枚以上使用する展開は稀であり、早い段階で1枚目に触れられるかどうかが重要となる。
他のポケモンと違って《タッグコール》のサーチ対象にもなっているため、2枚の採用。
状況によるが、序盤の《クイックボール》では、
①《ザシアンV》を呼び、《ふとうのつるぎ》の使用を優先する
か、
②《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を呼び、エネルギーを付けることを優先する
かの天秤を意識しておく(両方とも遂行できるのが理想だが)。
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を優先しても、その後スムーズにワザの使用まで繋げられない場合は長期的に見て損な動きをしていることになるので、手札の状況とよく相談する。

《オルタージェネシスGX》の強さについては以前の記事で触れているため、そちらを参照。

2 ジラーチ
状況を選ばず強いポケモンだが、具体的な採用理由は主に2点。
①中盤以降の展開において必要な《カスタムキャッチャー》の揃えやすさが飛躍的に上昇するため
②スタートを許容できるポケモンの数を増やしつつ、後攻1ターン目の《ホラーハウスGX》によるタネ切れ負けののリスクを軽減できるため

スタートは理想的とも言えるが、注意すべき点もある。
【三神ザシアン】において、スタートした《ジラーチ》がそのままきぜつした場合、コンセプトの崩壊につながる。
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》がきぜつした後に2体の《ザシアンV》で勝負できる強み(3-2-2のサイドプラン)
を、最初にサイド1枚を与えることで不可能にしている(1-3-2の取られ方になってしまう)。
よって、バトル場のままターンを渡して次のターンも《ねがいぼし》を使用したいところだが、次の相手のターン、《ジラーチ》を倒してくると判断した場合はほかのポケモンを前に出してターンを渡すことも考慮に入れておく。

1 ガラルニャース
1 ガラルニャイキング

《ガラルニャイキング》の特性《はがねのせいしん》+《オルタージェネシスGX》の効果が加算された《ブレイブキャリバー》でTAG TEAM GXのメジャーなHPラインである270,280を出すために採用。
《ガラルニャース》の特性《しんかのおたけび》は
①《ガラルニャイキング》をサーチする
だけでなく、
②手札にある不要なカードをトラッシュする
③重複した《基本鋼エネルギー》をトラッシュして《メタルソーサー》を使用する
などの使い方がある。
《ホラーハウスGX》後のターンも特性を使うことができるため、トレーナーズを手札から減らすことで次のターンの《ポルターガイスト》の威力を軽減できる。

1 ヤレユータン
当然ながら、ほとんど特性《さるぢえ》を使うためだけに採用されている。
デッキに《カスタムキャッチャー》を採用する上で、必須のカードだと考えている。
用途があまりに多岐に渡るため、代表的なパターンをいくつか挙げる。
①手札に《基本鋼エネルギー》を含め2枚以上のエネルギーがあり、《ふとうのつるぎ》を使う場合、《基本鋼エネルギー》をトップに置くことで、《ふとうのつるぎ》で確実に1枚エネルギーを供給する。
②相手の《マリィ》をケアして次のターンに使いたいカードをトップに置く。(なお、《アルティメットレイ》を使用する場合はデッキシャッフルが介入するため注意が必要。練習では何度もこのミスをやっている。)
③《博士の研究》や《デデチェンジ》の使用前に、トラッシュしたくないカードをトップに置く。2枚同時に使用したい《カスタムキャッチャー》が対象になることが多い。

1 フィオネ
使えるマッチはかなり多いが、主に【マグカルゴLO】に対する勝ち手段のひとつになるため採用。
①《リーリエのピッピ人形》や《メタルコアバリア》のついた《ザシアンV》をどかしてサイドを進める攻撃的な使い方
と、
②バトル場のエネルギーがついたポケモンや《ジラーチ》をどかして次のターンの相手の要求値を上げる守備的な使い方
がある。

1 デデンネGX
サポート以外で必要パーツを引きにいくために採用。
《カスタムキャッチャー》を揃えたらゲームエンド、のようなシチュエーションで《さるぢえ》や《博士の研究》と組み合わせて使用することが多い。
極めて稀なケースだが、
調整中、【ピカゼク】戦において、早い段階で《フルドライブ》を使用され、前の《ピカチュウ&ゼクロムGX》にエネルギーが集まっていて、かつ入れ替えソースが残り少ないと判断できる場合、《マリィ》で手札を絞りつつ、《サンダーマウンテン》を利用して《ビリリターンGX》→《ブレイブキャリバー》でエネルギーが集中した《ピカチュウ&ゼクロムGX》をきぜつさせるプランを取ることもあった。

グッズ

4 クイックボール
《しんかのおたけび》を考慮すれば、実質的にデッキ内のすべてのポケモンをサーチできる万能カード。
できるだけ早いターンからポケモンを選んで場に出したいため、4枚から減らす理由がない。

4 ポケモンいれかえ
《オルタージェネシスGX》の起動、《メタルソーサー》から《ブレイブキャリバー》の起動、《ブレイブキャリバー》の解除、《ジラーチ》の特性起動など、あらゆるマッチにおいて必要とされる動きを補佐するカード。
さらに【マグカルゴLO】に対しては、ねむり状態を解除できる貴重なカードであるため、最大枚数の採用とした。

4 カスタムキャッチャー
基本的に2枚同時に使用することを想定。
揃えるハードルの高さと最大使用可能回数が2回になることを考慮して、最大枚数の採用とした。
《オルタージェネシスGX》後の代表的なサイドプランとなる、
①非GX + TAG TEAM GX(Vmax)→ 2-4
②GX(V) + GX(V)→ 3-3
③GX(V) + TAG TEAM GX(Vmax)→ 3-4
を意識して、ゲーム中にどのタイミングで使用することが理想かを考える。
早い段階で《ヤレユータン》を場に置けた場合、ある程度の使用タイミングをコントロールできる。
また、マッチアップによって1回使えれば十分なのか、2回使わないとサイドを取り切れないのかを判断する必要がある。
例:《カスタムキャッチャー》が手札に1枚のみある状況、《リーリエのピッピ人形》が多数投入されているデッキには2回使いたいことが多いので、《博士の研究》を打たずに《ふとうのつるぎ》を使用して《カスタムキャッチャー》を揃えに行く、など。

1 グレートキャッチャー
条件が緩くなった代わりに対象も狭まったカスタムキャッチャーという認識でいる。
ポケモンVを対象に取れないことから、アタッカーを呼ぶ機能としては限定的であるため、1枚の採用。
ポケモンGXを展開の軸としている【ピカゼク】や【ミュウミュウ】系統が主な使用対象。
アタッカー本体を呼ぶだけでなく《デデンネGX》に対して《オルタージェネシスGX》後の《アルティメットレイ》を当てることで、TAG TEAM GX 1体 vs 《ザシアンV》2体 のような構図になり、非常に有利なゲーム展開となる。

《ポケモンキャッチャー》ついて
少なくとも《カスタムキャッチャー》より優先して採用されるものではないという認識である。
《オルタージェネシスGX》を使用する都合、倒さなければならないポケモンの数が通常より少なく、それに伴いポケモンをベンチから呼び出す回数も少なくてよいと考えている。
ここぞというタイミングで的確にサイドを取る必要があるため、確実性とタイミングの選びやすさという点で《カスタムキャッチャー》に軍配が上がる。

4 メタルソーサー
《アルティメットレイ》まで至っていれば4枚をフルに使う必要はないが、《オルタージェネシスGX》を使用した次のターンなどに《ザシアンV》の起動を迫られる展開もあり、こうした場面で引けないとゲームの勝敗に直結するため、最大枚数の採用とした。
《ガラルニャイキング》や《ジラーチ》も対象に取ることができ、ワザを打つ可能性があることを忘れない。

2 タッグコール
今回最も枚数に悩んだカード。
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》と《グズマ&ハラ》をサーチし、前のポケモンを逃がしながら《オルタージェネシスGX》にスムーズにつなげる役割を持っている。
序盤、特に先攻の利をフルに生かすためにはこの動きが最重要であり、4枚入れてもいいと考えていたが、やはり後半の役割は薄く、ドローの質が下がることを嫌って2枚の採用とした。

ポケモンのどうぐ

1 ふうせん
1 エスケープボード

《グズマ&ハラ》からのサーチを前提にしている。
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》で《オルタージェネシスGX》を使用するために、前のポケモンを逃がすために採用。
《ジラーチ》との相性に加えて、【マグカルゴLO】に対する要素として、1枚を《エスケープボード》とした。
《タッグコール》などで山札を見た時になるべくこれらのサイド落ちをチェックし、《グズマ&ハラ》から前のポケモンが逃げられるかを確認してからプレイ方針を決定する必要がある。

1 竜の鉤爪
こちらも《グズマ&ハラ》からのサーチを前提にしている。
基本的に前のポケモンを逃がすカードをサーチするが、その必要がない場合はこちらを対象とする。
従来の《ザシアンV》系統のデッキでは、TAG TEAM GXに貼られる《大きなおまもり》の対策として《フラダリラボ》が採用されていたが、《大きなおまもり》が採用されているデッキには同時に《混沌のうねり》が入っていることが多く、単体では対策として有効ではないと判断。
また今回スタジアムの枠を《混沌のうねり》に限定しているため、《大きなおまもり》の効果を解除することができない。

《竜の鉤爪》のアイデアは、チーム桃屋がシティリーグで使用していた【三神ザシアン】から。
《大きなおまもり》問題を解決する要素として、最適だと判断した。

サポート

4 博士の研究
4 マリィ
現状、《ザシアンV》系統において、いつ使ってもまともに機能することが期待できるドローサポートがこの2種類しかないと考えているため、2種をフルで採用。
他のドローサポートはこの8枚でも足りないと感じたら検討しているが、手札を山札に戻して引き直す効果は《ふとうのつるぎ》で貯めた手札を流してしまうため、相性があまりよくないと感じている。
対して《博士の研究》と《マリィ》は、基本的に手札のカードを再度引くことがなく、必要なカードを探しにいく性能に長けている。
ドローサポートを使用する際、手札に残っているカードは主に
①「ターンに関係なく、ゲームにおいて不要なカード」

②「ゲームには必要だが、このターン内において不要なカード」
の二つに分類することができる。
①の割合が多い場合は《博士の研究》を、②の割合が多い、あるいはトラッシュしたらゲームの勝敗に影響が出ると判断できる場合は《マリィ》を使用する、という方針。
加えて《マリィ》には相手の手札を絞る機能があり、相手のプランを崩すために使用することもある。

2 グズマ&ハラ
基本的にはゲーム中に1回、追加効果込みで使用することを想定している。
サーチ先のカードの説明で十分だと思うが、《オルタージェネシスGX》をスムーズに達成するために採用されている。
山札に1枚あればいいので、サイド落ちを考慮した上で2枚の採用。
2枚目は他のカード、あるいは1枚目の《グズマ&ハラ》のコストとして使う。

スタジアム

2 混沌のうねり
何の目的が、と問われたら相手のスタジアムを咎めるために他ならない。
具体的には
①《フラダリラボ》によってこちらのポケモンのどうぐを無効化されることを防ぐため
②【ピカゼク】の《サンダーマウンテン》
【ズガドーン】の《ウルトラスペース》、《ヒートファクトリー》
その他炎系統デッキの《巨大なカマド》、《ヒートファクトリー》
など早い段階でプレッシャーをかけてくるタイプのデッキはスタジアムのパワーに依存していることが多く、これらの展開を遅らせるため
③《戒めの祠》の往復ダメージによって、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を倒すハードルが下がるのを防ぐため

《リセットホール》+何らかのスタジアムで貼り替えられた時に再度貼りなおせるように2枚採用。

エネルギー

9 基本鋼エネルギー
全て基本エネルギーの状態からスタートし、《グズマ&ハラ》でサーチできる分の特殊エネルギーにどれだけ割り振ればいいかを調整し、感覚で決めた。
結果として9枚が最低限許容できる《基本鋼エネルギー》の枚数であると判断。

1 基本水エネルギー
《アルティメットレイ》で付けることができる水エネルギーとして採用。
【マグカルゴLO】に対する有効パーツでもある。

2 ユニットエネルギー草炎水
《グズマ&ハラ》の主なサーチ対象となるエネルギー。
特殊エネルギーの枠は3枚欲しいと感じたが、《グズマ&ハラ》で《オーロラエネルギー》をサーチすると、手札からトラッシュするコストが合計3枚とあまりに重いため、ユニットエネルギー側を2枚にした。

1 オーロラエネルギー
先に水エネルギーになるエネルギーを引いた場合に、《グズマ&ハラ》のサーチ対象となるエネルギー。
稀に「エネルギーを1枚引けたら勝ち」という状況で《グズマ&ハラ》がリーサルカードになる可能性があるので、山札の中にあるかどうかを確認しておいた方がいいかもしれない。

当日のマッチアップ

予選
1 先 ◯ 三神ザシアン
2 後 ◯ 超ミュウミュウ
3 先 ◯ ザシアンドール
4 後 ◯ 三神ザシアン
5 先 ◯ タッグバレット

トーナメント
後 ◯ ゲンミミオムスター
先 ◯ 小ズガドーン
後 ◯ タッグバレット

一週間前に急に頭角を現し、対策に時間を費やした【マグカルゴLO】だったが、ふたを開けてみたら一度も対戦することはなかった。
全体の使用率もかなり低かったようだ。

5戦目、決勝のタッグバレットについて
同じ対戦相手だったが、《ゼラオラGX》、《ヌオー》で特殊エネルギーをトランスしながら《ミュウツー&ミュウ》でTAG TEAM GXのワザを使い分ける特徴的なデッキ。
予選とトーナメントの間の待ち時間でデッキを検索していたら、対戦したデッキに近い構築を発見したため紹介しておく。

《コバルオンGX》で《メリープ》を、《フシギバナ&ツタージャGX》で《リーリエのピッピ人形》を対策できていて【マグカルゴLO】にかなり有利を取れる。
その上に決勝まで上がってきていることを考慮すると、今後も目にする機会は多いかもしれない。

【マグカルゴLO】に対するプレイ方針

直前の時間を全て【三神ザシアン】vs【マグカルゴLO】のマッチ検証に使ったため、ある程度プレイの方針が確立できた。

【三神ザシアン】で【マグカルゴLO】に勝てない、あるいは不安だ、と思っている人がいれば、以下のポイントを意識しながらプレイしてみて欲しい。

【マグカルゴLO】対策カードの不採用について
《コバルオンGX》など、ピンポイントの対策カードを搭載することで、明確に勝率を上げることができる。
が、他のマッチで使う機会が極めて少なく、実質的に【マグカルゴLO】以外と対戦する時には59枚のデッキで戦うことになる。
これを嫌い、【マグカルゴLO】以外のマッチにおいても価値を期待できるカードのうちから【マグカルゴLO】に有効とされるものを厚くする、という方針を取った。

前提として【マグカルゴLO】では、ベンチのポケモンを呼び出すことや、相手の手札をトラッシュするなどの妨害策をとることはないと想定している。

・なるべく早いターンで《オルタージェネシスGX》を使用する。
その後、相手のポケモンを3体倒してサイドを取り切ることを狙うことによる勝利を目指す。

・サイドを取れないターンは《ふとうのつるぎ》を使用して必要パーツを集めにいく。
《博士の研究》、《デデンネGX》を使うことはほとんどない。
使うとすれば必要パーツを揃えれば勝ちの最終ターンくらいである。
自ら山札を削るのは自殺行為に等しい。

・対【マグカルゴLO】における必要パーツについて
【マグカルゴLO】のメイン戦法は《ふわふわまくら》+《まどろみの森》のコンボと《リーリエのピッピ人形》による二重の妨害である。
これを回避するためには、
《ポケモンいれかえ》 or 《エスケープボード》

《カスタムキャッチャー》 or 《フィオネ》
を同時にプレイする必要がある。
これらのカードは使える枚数がそのまま勝敗に直結するため、《ジュジュベ&ハチクマン》でトラッシュされないようになるべく手札に抱えておきたい。

また《混沌のうねり》を貼ると、
①相手が《まどろみの森》を2枚消費する
または
②《ザオボー》で《混沌のうねり》をロストする
以外では《まどろみの森》に貼り返されることがない。
《まどろみの森》が貼られていないとたまにねむり状態から回復するので、《ポケモンいれかえ》や《エスケープボード》の消費を節約する効果が期待できる。

・場に出すポケモンを最小限に抑える。
場に出す必要があるポケモンは
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》 1体
《ザシアンV》 1体
のみ。
《フィオネ》は《ジュジュベ&ハチクマン》でトラッシュされないように、なるべく山札に残っている状態を作らないでおく。
場にポケモンが揃った後の《クイックボール》は、主に山札から《フィオネ》をサーチするために使う。
《ヤレユータン》と《ジラーチ》は引いたら場に出してもいい、程度の認識。
ベンチを呼ばれることはないが、それ以上のポケモンを出す必要はほとんどなく、山札に残して山札の枚数を確保しておいた方が良い。

・《アルティメットレイ》で《ザシアンV》を用意しておく。
攻撃手段が《アルティメットレイ》だけでは【マグカルゴLO】側が《ザシアンV》を前に出してきたときに、二度攻撃しなければならない。
《ザシアンV》を倒すために、こちらの《ザシアンV》でワザを打てるように準備する。

・【マグカルゴLO】側の《ザオボー》の存在に注意する。
《マグカルゴ》と《ヤレユータン》が揃えば、任意のタイミングで《ザオボー》を使うことができる。
《オルタージェネシスGX》後に《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》 についたエネルギーを破壊されると、《アルティメットレイ》を打つターンが遅れるため、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》に貼るエネルギーはできるだけ基本エネルギーを優先する。
基本エネルギーを破壊される可能性は極めて低いため、《アルティメットレイ》を打つ時点で山札に《基本水エネルギー》が残っている場合は、積極的に《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》につけていく。
また、《グズマ&ハラ》からサーチする特殊エネルギー、《混沌のうねり》、《エスケープボード》はすべて《ザオボー》の使用対象になっている。
これらを1ターンに1枚ずつプレイしていくと、【マグカルゴLO】側からすればその1枚に対して《ザオボー》を打つことが安定行動になってしまうため、なるべく《グズマ&ハラ》からサーチして、同じターン内にプレイすることを心がける。

・《エスケープボード》は《ジラーチ》以外にも貼ることができることを忘れない。
ねむりを回復する効果があるので、他のマッチ以上に《エスケープボード》を貼る対象についてよく考える必要がある。

・《カスタムキャッチャー》でベンチのポケモンを呼ぶときの候補
①マグカルゴ
こちらが《フィオネ》を置けば、【マグカルゴLO】側に《リーリエのピッピ人形》を2体以上置くことを強制できる。
そうした場合、2体目の《マグマッグ》を準備することは困難であり、《マグカルゴ》を呼び出して倒すことができれば、《じならし》を使用できないターンが発生することになる。

②メリープ
《マグマッグ》を複数準備してきた場合や、将来的に《まどろみの森》を解除できる可能性が低い場合は《メリープ》を狙うのも手。
ねむり状態を解除して《メリープ》を場から消せば、《リーリエのピッピ人形》の処理スピードも上がり、それに伴って《フィオネ》の使用機会が増える。

この行動に加えて《マリィ》を使用し《ふとうのつるぎ》によって溜まった手札を流せば、《マグマッグ》や《メリープ》のリカバリーはさらに困難になり、ペースを握ることができる。
また、この時に使用するワザが《アルティメットレイ》だった場合は、《マリィ》によってボトムに戻った不要カードが山札の中に分散するため、次のターンの《ジュジュベ&ハチクマン》によって有効パーツをトラッシュされる確率を少し減らすことができる。

1/19 シティリーグ

調整メンバーのクラが参加。

1/18のシティリーグでは【マグカルゴLO】の使用者数は予想以上に少なく【三神ザシアン】の入賞が目立ったため、よりミラーを意識した【三神ザシアン】を使用し、優勝した。

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1/19 WonderGOO大田原店シティリーグ 使用リスト

予選
1 後 ◯ メルカリザシアン
2 後 ◯ ピカゼク
3 先 ×ピカゼク
4 先 ◯ピカゼク
5 後 ◯ ズガアゴ

トーナメント
後 ◯ 超ミュウミュウ
後 ◯ 三神ザシアン
先 ◯ 超ミュウミュウ

当然ながら、ミラーは先に《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を起動できる先攻が有利。
この【三神ザシアン】は構築単位でミラーの後攻を意識していて、後攻を取っても追いつけるカードとして《クラッシュハンマー》と《エネルギーつけかえ》を積極的に採用している。

デッキリストまとめ

記事内で紹介したデッキの内容をまとめて確認できるように、試験的に設置してみる。

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ポケカメモ杯[3勝 2敗 予選敗退]
使用者:ガルシア


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1/11 Ganryu鹿島店 シティリーグ[ベスト4]
使用者:おかぴー


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1/18 トーナメントセンター バトロコ小山駅前シティリーグ[優勝]
使用者:ガルシア


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1/19 WonderGOO大田原店シティリーグ 使用リスト[優勝]
使用者:クラ

おわりに

まずは、ご購入いただいた上で最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

【三神ザシアン】について、自分が持っている限りの情報を記したつもりです。
特に【マグカルゴLO】に対するプレイ方針については、時間をかけたもののシティリーグ本番では当たることがなく消化不良だったため、発信したいと言う思いが強く、一つの章として切り出すに至りました。

記事内でも触れましたが【三神ザシアン】は現在最もメジャーなデッキタイプであり、調べてみれば記事を買わなくとも十分なほどに情報が溢れていると思います。
そんな中、自分の記事を購入していただけたことが何より嬉しいです。本当にありがとうございます。
購入していただいた方の何かの役に立てば幸いです。

感想や意見、質問などございましたら、Twitterアカウント(@Trubbishx3)までリプライ・DMなどいただければお返事させていただきます。




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