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トラック荷台の種類や荷台に関わるルールについて解説します!

トラックの荷台の種類や荷台に関わるルールについてまとめました。

ダイジェストをまとめてますので、サクッと知りたい人は読んでみてください!(この記事にかいてあること↓)
・トラックの荷台の種類と特徴についてわかる
・荷台ごとのトラックのラインナップについてわかる
・トラック荷台に関する注意事項についてわかる

詳しく知りたい人はこの記事をチェック♪

1.トラックの荷台部分の種類と特徴

・トラックの荷台部分には、特装車を除いても10種類以上のタイプがある。
・それぞれに特徴や、得手不得手、弱点があり、これから使いたい事業によって導入する荷台も変わってくる。

平ボディ

・トラックの荷台で、一番古い歴史を持っているのが「平ボディ」。
・周囲を「アオリ」と呼ばれる、金属製の板で囲った、天井のない荷台になっている。
・天井がないため、いろいろな荷物を載せることができ、汎用性が高いのが特徴。
・小型から大型まで、ほぼ全車種でラインナップされている。
・ついつい過積載になってしまいがちなのは要注意。
・天井がないため、悪天候で走る場合には幌やトラックシートが必要になる。

アルミバン

・トラックのキャブの後ろに、アルミ製の箱がついているものを、「アルミバン」、もしくは「バン」と呼ぶ。
・平ボディと違って、四方の壁と天井がついており、荷物の高さ制限があるものの、悪天候に強いメリットがある。
・運送会社で多く導入されているのはこのタイプ。
・アルミバンには、普通の箱だけが載ったものと、冷蔵・冷凍機がついた保温機能のあるバンの2種類がある。見た目は同じだが、冷蔵・冷凍機がついたアルミバンのほうが車両総重量は重いので注意。
・箱部分の背がキャビンより高い場合もあるので、高さ制限のある道路や、地下へ入り込むことが多い場合には注意が必要。

ウイング

・ウイングはアルミバンとよく似た形状で、箱の上部分が油圧シリンダで開閉するのが「ウイング」、または「ウイングバン」と呼ばれる荷台。
・アルミバンより背が高いため、大きめの荷物も積み込むことができる。
・また、ウイングを開けば、フォークリフトでも手積みでも荷物を載せることができる。
・荷物の積み下ろしが楽になるという点がウイングの最も大きな特徴。
・動力は電気と油圧で、最大で約90度開くことができる。
・ウイングは、見た目に反して車両総重量がアルミバンと大差ない。
・ウイングが高く上がる分、開閉するためのスペースと高さが必要になる。
・通常ウイングが開いているとエンジンがかからないようになっているので、その機能がきちんと機能しているかの確認は必須。

ダンプ

・ダンプは、大型・中型・小型タイプがある。
・「3転ダンプ」と呼ばれる、後ろと左右にダンプを傾けることができる、少し変わったものも存在している。
・砂利や砂、産業廃棄物など、決まった形がないものや、嵩(かさ)のあるものの積載と排出が得意。
・ダンプの上げ下げは、ウイングよりも大きいシリンダ1本で上げ下げをする。
・砂などが多い場所で使われるダンプは、シリンダに砂が噛み込んで油漏れを起こすことがある。
・油漏れをそのままにしていると、ダンプの上げ下げができなくなったり、最悪の場合、ダンプの落下事故が起きたりするので注意が必要。

クレーン

・トラックのクレーンとは、キャブの後ろに小型のクレーンがついたもののこと。
・1台まるまるクレーンの機能を持ったものは「ラフタークレーン」といい、これとは別物になる。
・トラックのサイズにもよるが、吊り上げたものを荷台に載せて、そのまま運ぶことができる。
・吊り上げ重量はクレーンのメーカーごとに異なるが、トラックに装着するものであれば、約3トン吊が限界のものがほとんど。
・クレーンには「年次点検」という、車で言うところの車検のような制度が義務付けられている。
・そのため、ほかのトラックに比べてクレーンの点検費用の分、維持費が高くなってしまう。

2.荷台ごとのトラックのラインナップ

・日本には、現在4つのトラックメーカーがある。
・いずれも、小型から大型まで製造販売をしているが、荷台のラインナップは各メーカー、各車両で少しずつ違う。

日野のラインナップ

・日本のトラック業界でシェア1位の日野自動車のトラックは、小さい順にデュトロ、レンジャー、プロフィアの3台。
・荷台のラインナップは次のとおり。
デュトロ(2トン):カーゴ、アルミバン、ウイング、アルミブロック、強化木製平ボディ、クレーン、リフト付きバン、ダンプ、冷蔵・冷凍バン、ミキサー、セーフティローダー
レンジャー(4トン):カーゴ、アルミバン、ウイング、アルミブロック、強化木製平ボディ、ダンプ、冷蔵・冷凍バン、ミキサー
プロフィア(10トン):カーゴ、ウイング、トラクター、ダンプ、ミキサー
・日野の大きな特徴として、高い耐久力と安定した走りがある。

いすゞのラインナップ

・国内シェア2位のいすゞ自動車も、幅広いラインナップでトラックを取り揃えている。
・トラックは小さい順に、エルフ、フォワード、ギガの3車種。
・荷台のラインナップは次のとおり。
エルフ(2トン):平ボディ、ダンプ、アルミバン、冷蔵・冷凍バン、ダブルキャブ
フォワード(4トン):木製平ボディ、アルミブロック、クレーン、アルミバン、冷蔵・冷凍バン、ダンプ、セーフティローダー
ギガ(10トン):平ボディ、アルミバン、トラクター、ダンプ、ミキサー
・いすゞのトラックは、エンジン性能の良さから、さまざまな場面で活躍することが多い。
・特に小型であるエルフは、佐川急便をはじめとする、大手運送会社でもメインで導入されている実績を持っている。

三菱ふそうのラインラップ

・トラックのラインナップは、キャンター、ファイター、スーパーグレートの3種類。
・ディーゼル・エンジン自動車整備士のテキストにも採用されるなど、その性能は高く評価されている。
・荷台のラインナップは次のとおり。
キャンター(2トン):カーゴ、平ボディ、アルミバン、ウイング、冷蔵・冷凍バン、ダンプ、セーフティローダー
ファイター(4トン):カーゴ、アルミバン、ウイング、ダンプ、ミキサー
スーパーグレート(10トン):カーゴ、ダンプ、ミキサー、ウイング、トラクター
・バスも強みとしている三菱ふそうは、どのトラックも力強く走ることができる。
・ラインナップも全車種安定して数があり、目的と用途に合ったサイズのトラックと荷台形状の組み合わせを選びやすいのも特徴。

UDトラックスのラインナップ

・UDトラックスのトラックのラインナップは、4トンのコンドル、10トンのクオンと、2トンのカゼット。
・荷台のラインナップは次のとおり。
コンドル(4トン):アルミバン、冷蔵・冷凍バン、クレーン、カーゴ、アルミブロック
クオン(10トン):ウイング、アルミバン、カーゴ、アルミブロック、タンクローリー、ダンプ、ミキサー、トラクター、除雪車
・大型トラックに強みを持つUDトラックスは、10トントラックであるクオンを軸にラインナップが豊富。
・車体が重い反面、パワーがあるため、荷物の種類や量に左右されずに稼働しやすいのもUDトラックスの特徴。

3.トラックの荷台に関する注意事項

・さまざまな種類のあるトラックの荷台だが、注意しなければならないこともいくつかある。

積み込める物の大きさには制限がある

・積み込める荷物の大きさには制限がある。
・これは、トラックの大きさとは関係なく、すべてのサイズ、すべての荷台形状で共通のルール。
・道路交通法によると、「荷物の長さは自動車全長の10%分、高さが地面から3.8m未満であること」とされている。
・この大きさに違反した場合は、道路交通法違反となり、免許点数1点の加点、100万円以下の罰金に処せられる。
・このルールで特に気をつけなければならないのが、平ボディとダンプの2つ。
・3.8m未満と定められている高さを超えると、いかに青天井の平ボディとダンプでも罰則の対象となる。
・1度違反をして罰則を受けたにもかかわらず、繰り返し荷台から積み荷がはみ出している場合、懲役刑もありえる。
・大きなものを運ぶ際は、ゆとりを持った大きなトラックを使うなどの注意しよう。

警察に届け出れば許可をもらえることも
・積み荷が法律で定められた大きさを超えることが事前にわかっている場合、許可をもらえれば違反にはならない。
・許可をもらいに行く場所は、所轄の警察署。
・許可が下りると、「制限外積載申請」の許可証がもらえるので、それをトラックの運転席などに設置する。
・それに加えて、はみ出す分の荷物には、赤色の布を取れないように取り付けなければならない。
・この時、許可証不携帯や目印となる赤い布がないといけない。
・うっかり忘れてしまうと、許可を得ていても無許可と同じ扱いになってしまうので注意しよう。

背の高い鉄板の溶接はNG

・荷台に鉄板を溶接しているトラックがいくつかあるが、補強や修理目的であれば、これは違法ではない。
・アオリは金属製だが、サビでの劣化や事故での破損など、壊れてしまった場合の修理としてはオーソドックスなやり方。
・平ボディやダンプのアオリの高さ以上の鉄板を溶接するのはNG。
・積載量は、鉄板を溶接することで増やすことができるが、無許可であれば、違法改造車となってしまう。
・もしどうしても鉄板を溶接して積載量を増やしたい場合は、必ず「構造変更検査」を受けて、車検証を新しくしておこう。

荷台に人を載せて公道は走れない

・人が乗ることができるのは座席のみと法律で定められている。
・しかし、これには例外がある。
・それは、積んでいる荷物を監視する人なら、必要最低限の人数のみ許可するというもの。
・もちろん、長距離では危ないため禁止だが、近距離であれば許可が下りる場合もある。
・申請は、荷物のはみ出しと同じく、所轄の警察署で事前にしておこう。

荷台に人を載せる場合の許可
・所轄の警察署で、書類を出し、許可証をもらうところまでは同じ。
・もらう書類が「荷台乗車許可申請」と種類が違う点だけ注意が必要。
・この申請が降りれば、荷台に人を載せたままトラックを走らせることができる。
・道路交通法でも「必要最低限の人数」と書かれているため、人数はあいまいだが、1〜2人が一般的。
・可能であれば、ヘルメットの着用や、落下防止のベルトを装着するなど、荷台に乗る人の安全に最大限配慮しよう。

いかがでしたでしょうか?
荷台形状とメーカーごとのラインナップ、荷台の荷物制限や人を載せる場合の注意点と許可について解説しました。ルールをきちんと守っておかないと、罰則の対象になったり、思わぬ事故につながったりすることもあります。十分に注意し、決められたとおりの対処を心がけましょう。

もっと細かく知りたくなった方は記事をチェック!


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