私の人生において「ぞうきん」が意味することを考えてみた(その3)

ぞうきん(その1)= 母としての優しい気持ち

ぞうきん(その2)= 学びと成長の循環がつくれない自分

ぞうきん(その3)とは・・・?

そう、

ぞうきん(その3)= 隠れたダイヤモンドの原石


教員時代、忘れられない人がいる。
その人は、私より何年も多く教員経験がある大先輩なのだけれど、
自信がなさそうで、いつも焦っていて、
どことなく困っているような印象だった。
ここでは仮に、Y先生と呼ぼう。

ある時、私はY先生が担任をするクラスの
副担任をすることになった。

副担任は、基本的に
1新人さんが副担任として入ることで、担任のベテラン教員から学ぶ
2いろいろな事情で担任としてフルコミットできない教員のサポートを副担任がする

のどちらかの意味で配置されていたが、
今回は明らかに後者のパターン。

一人では「頼りない」、「心配」
だからY先生は、サポートが必要。

職場でそんな風に見られているのを感じていた。



そして、私はどのようにサポートしたのか?

実は、、、、

何もしなかった!!!!


でも、何もせず、
私はただ教室にいて、笑っているだけで、
すごく、すごく良い雰囲気のクラスになった。
こどもたちも、Y先生のことが大好きだ。

これって、すごくない?!?!

何もしていないのに、クラスがいい雰囲気なんだよ?!

いや、違うのだ。

何もしない。
これがポイント。

私が、何もしないから、クラスがいい雰囲気なんだよ。

Y先生が頼りないと思って
私が助け舟をを出すとする。
そしたら、生徒も感じる。
「あ、Y先生は頼りないんだな」って。
そしたらY先生をバカにし始める。

つまり、周りの大人が「Y先生は頼りない」
と思っているのが、周りの子供にも伝播するのだ。


おいおい、ぞうきんの話はどこ言ったんですかー?!
そろそろ、ツッコミが入りそうだ。

Y先生のクラスでいつも私がゲラゲラ笑っていたのは、
Y先生の発言や言い回しが、個性的で面白いから。

ある時、大掃除の役割分担を生徒の前で話していて
こう言ったのだ。

「教室には、ぞうきんが潤沢にありますから」

「潤沢なぞうきん!?!?」と私は大笑い。
(生徒は静かに聞いていただけだったけど)

潤沢な資産
潤沢な予算
潤沢な資源
なら分かるけど、

ぞうきんに「潤沢」をつけるのかー??!!
その絶妙なコンビネーションが、私のツボにはまった。

そんな面白い表現がポンポン飛び出すから、
Y先生の話を聞いていて、思わず笑ってしまう。


Y先生と一緒に過ごした一年は、楽しかった。
あ、こんな風に体の力を抜いて、笑って過ごせば
うまくいくじゃん。
頼りない、なんて思わずに
良いところをどんどん見つけていけばいいんだな。
そう気がつけた一年だった。

「潤沢なぞうきん」
その表現に、
Y先生の、地味で目立たないけれど
でも、磨けばキラリと光るに違いない
ダイヤモンドの原石のようなものを見つけたのだ。


自分の原石を見つける
そして、大事に大事に磨く
すると、原石がどんどん輝きを増していく
一人ひとりがそんなことができるようになってほしいし、
一人でも多くの人がそんなことができるお手伝いがしたい

Y先生との一年
「潤沢なぞうきん」

そう、「ぞうきん」は
私のミッションを象徴している
大事な、大事な存在なのだ。

Y先生、ありがとう。
ぞうきん、ありがとう。









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