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「自分らしくいるために、どれに集中しようか?」 #025

 「やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。その中で心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。」(「限りある時間の使い方」オリバー・バークマン著)

 「80歳くらいまで生きるとして、あなたの人生は、たった4,000週間だ。」から始まる本書の原題は、FOUR THOUSAND WEEKS。今までのタイムマネジメント系の書籍とは”一味違う”というAmazonレビューのコメントで読むことにした。

 Life Hack的な時間管理ではなく、「時間と戦っても勝ち目はない」「生産性とは罠なのだ」と説く著者。
「時間をあるがままに体験することをやめて、「今」という時間を未来のゴールにたどり着くための手段に変えてしまった」僕たちに警鐘を鳴らす。

 僕たちは時間をあるがままに体験することをやめて、「今」という時間を未来のゴールにたどり着くための手段に変えてしまった。今はまだ楽しむときじゃない。いつかタスクがすっかり片づいたら、そのときこそリラックスして楽しもう、というわけだ。

 それは、一見まともな生き方ののように見えるかもしれない。厳しい競争社会を生き抜くためには、一刻も無駄にできないと感じるのも無理はない。
 ところが今を犠牲にし続けると、僕たちは大事なものを失ってしまう。
今を生きることができなくなり、未来のことしか考えられなくなってしまうのだ。

 つねに計画がうまくいくかどうかを心配し、何をやっている時も将来のためになるかどうかが頭をよぎる。いつでも効率ばかりを考えて、心が休まる暇はない。
 時間を支配しようとする者は、結局は時間に支配されてしまうのだ。

 確かに、将来のことばかり考えている自分がいる。今を生きていると言えるのか、我が身を振り返り、疑問に思う。
いつ自分が人生最後の日を迎えるか、一寸先は闇だというのに。将来のことを考えるウエイトがとても大きい。

 この人生はリハーサルではない。あらゆる選択に無数の犠牲がついてくる。時間はつねにすでに差し迫っていて、今日や明日にも完全に尽きるかもしれない。よくいわれるように「今日が人生最後の日のつもりで」過ごすだけでは足りない。「つもり」ではなく、実際に今この瞬間が人生最後であるかもしれないのだ。未来が一瞬でも残されていると確信することはできない。

 一つ一つの決断は、目移りするほどの素敵な可能性のメニューから何かを選べるチャンスなのだ。そう考えるのなら、「選べなかった選択肢を奪われた」という被害者意識を持つ必要は全くない。

 メニューから何か一つしか選べないことは、決して敗北なんかじゃない。決められた時間の中で「あれ」ではなく「これ」をする、という前向きなコミットメントだ。自分いとって大事なことを、主体的に選び取る行為だ。 

「他にも価値のある何かを選べたかもしれない」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えるのだ。これは人生のあらゆる場面に当てはまる。例えば結婚に意味があるのは、その他の(ひょっとすると同じくらい魅力的な)相手を全て断念して、目の前の相手にコミットするからだ。

 この真実を理解したとき、人は不思議な爽快さを感じる。「失う不安」の代わりに、「捨てる喜び」を手に入れることができる。

 選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。

 私も何でも出来ると思っているのか、あれもこれも詰め込んでしまう。
時間が限られているという事実をきちんと認識して、受け入れなきゃと改めて思う。

 自分らしく、選択していく。自分らしく。
「自分らしく選択するとしたら、何をやろうか?」


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