在日外国人再入国緩和への日本国民による誤った偏見

日本の在留資格を取得する外国人の再入国緩和措置については、政府の対応だけでなく日本国民の反応も悲しいものがある。「感染拡大が続き日本人でも帰省を遠慮している中、緩和は止めてほしい。再入国緩和で在日外国人が入国すれば、待機要請に従わない可能性がある。また外国人が日本でコロナウイルスに感染すれば税金を使って治療する上に病棟が奪われる。」というツイートに多くの賛同者がいる。まるで理解していないのだ。もしかすると日本人の中には不法滞在者との区別すらきちんと分かっていない人もいるのかもしれない。
在日外国人の多くは、日本に永住するわけでもなければ数年しか日本に滞在しない人もいる。だから将来受け取れるかも分からない、また最近では日本人ですら支払わない人が多い年金を在日外国人の彼らがが日本人の為に支払っているのである。
また『日本人でも帰省を遠慮しているのに』とあるが、当然の事だろう。帰省はぜひ遠慮していただきたい。なぜ帰省と比べる必要があるのか、また何故日本人の帰省の方がまだ許されることのような表現なのか全く理解できない。
在日外国人の彼らは、旅行でも帰省でもない。自分の家に帰ってくるだけなのだ。そこに家があり(住民票を置き)、そこに税金を払い、家族、仕事、学校がある生活拠点なのだ。帰ってこなければ二重生活で貯金もなくなり既に生きていくことも難しくなっている人もいるのだ。
また待機要請の懸念も国籍は関係ない、帰国した日本人が待機要請に従わない可能性もあると自然に考えられないのだろうか。なぜ在日外国人に限ったことのように言うのだろうか。国籍だけで何を判断しているのだろうか。そんなに国籍が大切なのだろうか。そして何故日本国籍の方が上のような上から目線の日本人がここまで多いのか。現実を見るべきである。この考えは私も同じ日本人として恥ずべきことだと思っており、私はこの考えを理解する気は全くもってない。

そもそも、この意見やこの意見に賛同している日本人がこれだけいるということは、再入国緩和がどういった外国人に対しての措置なのかすらはっきり分かっていない人がこの国にはあまりにも多すぎるのだと思う。なぜか”税金も払わず簡単に日本に入ってきた外国人が日本の税金を使う”という現実的にありえないことを考えて決めつける人が日本には多く存在することは確かである。それは日本人がいかに国際意識が低く無知であるかが良くわかる。自分が分からないこと、難しいと感じること、自分にとって都合の悪いことに関しては目をそらし正しい情報を知ろうともせず、狭い情報の中で自分が勝手に決めつけ納得しようとする。

一つの例を簡単に説明しよう。「国際結婚で配偶者VISAを取得している在日外国人は日本人と結婚しているだけで優遇されるのだろう」という言葉を本当によく耳にするが、その無知さにいい加減呆れてしまう。ではなぜ、日本人と結婚して日本に子供もいるのに、VISAを取得出来ず日本と海外で離ればなれに暮らしている夫婦がいるのだろうか?こういうケースの話は偏った日本のニュースでさえ、何度も取り上げられたことがある。
そして日本人の配偶者VISAは信用度が高くなければ絶対に許可がおりない。
また、外国人側が世帯の主たる家計維持者である場合は特に、所得も重要とされる。また全ての税金を支払っているか納税証明書(又は課税証明書)を提出する義務がある。それでどうやって税金を払わないということが出来るのだろうか。もし仮に納税証明書の偽装を行った者がいたとしても、役所に問い合わせればすぐに嘘が発覚するはずた。
(例に配偶者VISAを上げたが、他の在留資格者でも納税証明書の提出が必要なので、納税義務を果たしていないなら在留資格は取得できない。)

そして次に「こんな時に日本を出るから悪い。」という人もかなり目立つ。
これも、決めつけであることは気付いているだろうか?何事も自分基準のみで考えない方がいい。それでは本当に考えが狭すぎる
「こんな時」でなく「コロナ禍のとうの前から」出張や親の介護、色々な理由で日本を出国している人が大勢いるのだ。確かに「こんな時」に後先考えずただの旅行目的で出国すれば、自業自得と言われても仕方ないのは理解できる。ただ、そうでない人に対し「こんな時に」と決めつけているのが問題で間違いである。
そして、更に「コロナの感染が拡大しだした時に帰国を早めれば良かったんだ。」という人もいるようだが、国際情勢をまるで分かっていない。それが日本基準な考えなのだ。
日本では突然のロックダウンは起こっていない。だが、海外ではどうだっただろうか?海外のニュースが入ってきにくい日本でも、今回の世界各国のロックダウンの情報くらい大々的に流しているので日本国民も知っているはずだ。外を見ることをせず、日本ではこうだからという決めつけは、本当に今後の日本にとっても何の為にもならないと私は思っている。外を見ることもせず知らないのであれば決めつけることはできないはずた。どうやって決めつけることが出来るのだろうか。これでは更に世界から笑われることになる。なので当然、現在帰国難民となっている人の中には前もって帰国を早めようとした人達が大勢いる。日本にいれば想像できないであろう突然のロックダウンで帰国を早める手続きも出来ない程本当に突然の国際線の停止で帰国出来なくなるのだ。
色んな状況に置かれた人がいる。「こんな時」に出国したわけでもなく、前もって帰国を早めようとしなかったわけでもない
何も知らないのなら、無知な決めつけはするべきでない。

決めつけは何の得にもならない。日本基準では無知なだけである。少し視野を広げて現実を受け止めてほしい。
そして、我々日本人は、海外からの指摘をすぐに攻撃と捉えかみつくことしかせず、他国より遅れている部分や自分たちの非に対し気付いているのに気付かないふりをして認めたがらず、日本にとって都合の悪いことからは目をそらし続け「これでいいんだ。日本は凄いのだ。」と思い込もうとし、事実を言われることを嫌う人が多いと私はどうしても感じてしまう。指摘は学びになることも多くあり、非を認め反省するからこそ初めて成長出来ることもある。ありがたい学びを素直に受け入れられないのはとても勿体ないのだ。これでは日本は自ら成長を拒むことになってしまう。

ともかく、ずっと日本に貢献してくれている在日外国人を国籍だけで拒否し、誤った偏見で決めつけ、真実から目をそらし続ける昔から変わらない大日本帝国。本当にこのままでいいと思っているのだろうか?恥ずかしくはないのだろうか?
このままでは良くないと思い、今の日本を変えたいと動いている日本人もまだまだ少ないが増えてきていることは感じている。それがせめてもの救いだ。

そして、在日外国人の再入国緩和に対し「緩和なんかして簡単に再入国させるな。」という人は、実際は、在日外国人の再入国緩和措置は緩和と謳いながら強化され、簡単にに再入国出来ないという事実を知り、うわべだけのニュースの言葉だけできちんと情報を得ず、自分がいかに狭い情報の中だけで浅い考えで決めつけていたということも分かったのではないだろうか。
そして、外国人だけが待機要請に従わない可能性があるわけでもなく、外国人が日本でコロナウイルスに感染すれば税金を使って治療する上に病棟が奪われるわけでもないことがわかっていただけただろうか。
ましてや、税金も払わず簡単に日本に入ってきた外国人が日本の税金を使う”ということは現実的にありえないということも分かっていただけただろうか。
簡単に日本に住めると思うのなら、日本人も簡単に海外に住むことがてきるのか自分で試してみればいい。したいかしたくないかは今は別の話である。自分がやってもいないことを人に「簡単に」というべきでない。何事でも実際に経験した人や、努力した人、能力がある人ほど人に対し「そんなこと簡単」など言わないはずだ。大変さを分かっているからだ。簡単だと言うのなら実際にやって見せてほしい。
日本政府のこの水際対策に対し、改めて皆さんはどのように感じただろうか?また在留資格を持つ在日外国人への誤った偏見をまだ持ち続けたいだろうか?
日本や日本人の非を認める事から逃げ、真実から目をそらしたいだろうか?

そしてまた今回の意見も、日本への攻撃ではない。私は日本人だから日本の非を認めたいだけである。そしてきちんの非を認めた上で改善を求めるのは、日本を良くしたいと思っているからだ。

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