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【壮絶体験】資金繰り奮闘記①

こんにちは。平良です!
今回は、私が前職時代に経験した凄まじい資金繰りの状況についてお話します。
ちなみに前勤めていた会社は2023年1月26日に倒産をしています。
会社倒産から1年たち、私の中でも整理がついてきましたので、私の体験した学びを皆さんにシェアしたい、そんな想いで発信させていただきます。
全ては書ききれないので、小分けにして記事にしていきます。

入社3年目 右も左もわからない中で任された事業責任者

私は新卒で入社した会社で3年目の時に、事業責任者に抜擢されました。当時社員は11名でした。事業責任者といえば聞こえはいいですが、実力で成り上がったというよりは、当時事業責任者だった上司が会社を辞めることになり、たまたま私しかいなかった、というのが本当のところです。

問題はここからでした。
恐怖の資金繰りが幕を開けます。

口座残高87万円 足りないお金は8000万円

会社で社長、経営層、経理を含めた緊急会議が始まりました。
社長と経理以外はこの日召集されるまで、会社の財務状況を見たことがありませんでした。ここから衝撃の事実を知らされます。

2018年7月1日、私は初めて会社の口座残高を見ました。
口座残高 87万円。
え?それだけ?
会社は当時年商1億5000万円。社員の給料だけでも毎月500万円ほどは必要でした。まず10日の給料が足りない💦💦

衝撃はそれだけではありません。
前月の6月末の時点で、取引先や税金の支払いを500万円未払いで、待ってもらっているとのことです。

なるほど。そうすると、今月時点ですでに1000万円足りないということか。

まぁまぁとはいえ、今月に大きな入金を見込んでいるんでしょう。今月に支払える見込みがあって、送らせていたりしているんでしょう。
と、自分を落ち着かせるためにそんな妄想を膨らませていました。

しかしそこからさらに追い打ちをかけるように衝撃の事実を知らされます。

当時材料の仕入れをしていた商社さんに、約1年間ほど未払いが続いているとのことです。払えるときに少しずつ払ってはいるものの、毎月の仕入れの量だけどんどん未払いが膨らみ、現時点での未払いが約7000万円あるとのことでした。

オーーノーーー!

つまり2018年7月1日時点で足りないお金は
7月10日 給料500万円
前月末未払い分 500万円
商社さんへの未払い分 7000万円

計8000万円
(毎月の給料以外の販管費を入れるとさらにヤバい)

それに対し、会社の口座残高は
87万円】

「社長、今月入金はいくらあるんでしょうか?」
そう聞いてみました。
「君が営業してとってくるしかないよ。」
その一言で終わりました。

10日の給料支払いに向けて奮闘

そこから私の毎日が資金繰りをしまくる日々に変わりました。
まずは10日の給料500万円 さらには20日、30日と支払がどんどん襲ってきます。
今月を乗り切るには最低1000万円の入金が必要でした。(もちろん未払いを1ヶ月で解消することは考えていない)
私は自社の商品である太陽光発電所の営業をかけることにしました。

2件の太陽光発電所の販売 販売金額2800万円 粗利額500万円
受注後に材料を発注して工事を行うため、契約時にもらえるお金は多くても1割程度。お客様も工事の着工や完工に合わせてお金を支払っていくのが通常の流れでした。

しかし、今は1割の280万円をもらっても今月を乗り切れません。
私はなんと、契約時に半額の1400万円をもらう提案をすることを決意しました。
すぐに見込みのお客様に電話でアポイントをとり、7月5日に提案に行きました。
商品の提案を終えた後、私はお客様に

「本案件を即決で購入を決めてほしい。そして契約時に半金の1400万円を支払ってほしい」そう伝えました。

明らかに常軌を逸した提案にお客様は驚きましたが、私の提案と心意気を気に入ってくださり、なんと即ご契約を頂くことができました。
そして給料支払い日の10日の朝、無事1400万円の入金を頂き、社員のみんなに給料をお支払いし、7月を乗り越えることができました。


これが私の資金繰り奮闘記の始まりでした。

つづく。

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