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478位:The Kinks 『Something Else By The Kinks』(1968)【解説文翻訳】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)

ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 (2020年改訂版)

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478位:The Kinks 『Something Else By The Kinks』(Pye, 1968)

<ローリングストーン誌による解説>
 『Something Else』は商業的には失敗に終わり、ほとんどバンドを殺しかけたが、市井の人々の秘密の生活について描くRay Daviesの才能を世間に知らしめた作品だった。“Waterloo Sunset”は華麗ながらも落ち着いたバラードで、家の窓から恋人たちを眺めてる孤独な男を描き、“Two Sisters”は髪にカーラーをつけたまま家の中で踊る1人の主婦への祝福を歌にしている。また、“No Return”、“Afternoon Tea”、“End of the Season”といった曲では彼が目にしてきた人々の私生活での苦悩を主題に描いているが、そこでも彼は登場人物すべてに詩的で思いやりある眼差しを向けている。
(翻訳:辻本秀太郎、 原文へはこちらから)
<ランキングに関するデータまとめ>
【2020年度版】
同アーティストのランクイン枚数:2枚(本作は上から2番目)
【2012年度版】※前回版との比較用
同アルバムの前回順位:289位
同アーティストのランクイン枚数:3枚(本作は上から3番目)

<ひとことコラム> 
 本アルバム1曲目の"David Watts"といえば、自分が先に知ったのはThe Jamによるカバーで、長らく彼らのオリジナルだと思っていた。ちなみにThe Jamは"Waterloo Sunset"もカバーしていて、これもデモ扱いではあるが音源化されている
 "Waterloo Sunset"はThe Kinksの代表曲で、ボーカルのRay Daviesは2012年ロンドン五輪の閉会式でもこの曲のパフォーマンスを行なっている。歌詞に登場するウォータールー駅はロンドンの名所、ビッグベンの真下にある橋を一つ渡るとすぐにあるテムズ川南のターミナル駅のこと。この曲の主人公は、駅に行き交う人々と待ち合わせする恋人たち、そしてテムズ川と駅に沈む夕焼けを交互に眺める。
 The Kinksの話からは離れるが、ウォータールーといえば、ABBAにも"Waterloo"という名曲がある。だが、これはナポレオンが降伏したワーテルロー(Waterloo)の戦いと恋の戦いを重ねた歌であるようで、ここでのウォータールーはベルギーにある土地を指している。
 ちなみに、個人的に思い入れある"ウォータールー"ソングといえば、The Libertinesの"You're My Waterloo"。ちょうど自分のロンドン留学時に彼らが再結成後のツアーを行なっていたため、ライブを運良く観ることができたり、Carl Barâtと話し写真を撮ったり、何かと思い出がある。この曲のビデオに映っているのがまさにテムズ川沿いの夜のロンドンの風景。ピアノとストリングスを大胆に使ったポップスアレンジには賛否両論あるだろうが、30代後半になっても少年性を帯びたPete Dohertyの哀愁あるボーカルが素晴らしい。2015年の再結成アルバムに収録されてるこの曲だが、実は元々彼らのデビュー前から存在する最初期の曲の一つだったそうで、その頃のデモ音源もネット上で聴くことができる。(辻本秀太郎)


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