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東浜のノーヒッターマダックスについて

すごく「今更かよ」と思われるかもしれませんが、なんだか書きたくなったので、東浜のノーヒッターマダックスについて書いてみます。

□達成の要因
 ノーヒッター自体が凄いことなのは皆さん周知の通りですが、それを100球以内のマダックスで達成しているわけですからね、自分の語彙力を疑いたくなりますがこれは本当に「凄い」ことなんです。では何故「ノーヒッターマダックス」を達成することが出来たのか。

1:西武打線
2:東浜の配球能
3:守備力

実際に試合を見ていて、この3つが主な要因だったのではないかと私は感じました。

1:西武打線
 ノーヒッターマダックスという素晴らしき快挙の要因として”これ”を要因として挙げてしまうのは些か興醒めな気もしてしまいますが、少なからず要因の一つだったと思います。

森友哉やオグレディの不在、中村・栗山の「牙城」の不調なども相まってこの日の西武打線は迫力に欠けるといっても過言ではない打線でした。「4番の山川を徹底マークしておけば良い」といった打線で、東浜自身も投げやすかったのではないかと思います。

2:東浜の配球能
 上記で「西武打線の迫力不足」と述べはしましたが、それだけでノーヒッターが達成される訳では全くありません。かつて菅野が「1試合に納得のできる球は5球あれば良い、10球あれば完封できる」と言っていたように、いくら打線が迫力に欠けるとはいえど投手のコンディションや審判、捕手との相性など様々な要因が絡んできます。「迫力不足」は事実であり要因の一つではありますが、この日ノーヒッターを達成できた最も大きな要因は「東浜の配球能の高さ」と考えるのが最適ではないでしょうか。

野球研究所@Youtube(@SABR_lions)さんより引用

この日の東浜の投球データをまとめたものですが、どの球種も空振り率10%を超える数値を叩き出しており左右関係なくどの球種でもストライクを稼げていることが分かります。また注目したいのは「O-Swing%」で、対右ではシンカー・カットボール共に約30%の数値を、対左に投じたシンカーに至っては66.7%と非常に高い数値を残しています。何故ここまで高い数値を残せているかについてですが、私は「真っ直ぐを狙っていた西武打線」を逆手にとった結果だと考えています。打者は基本的に真っ直ぐ狙いであり、前回対戦時も抑えられていたという背景も作用したのでしょう。その考えを察してか、真っ直ぐ軌道から左右に曲げて落とすカットボールやシンカーを軸にし西武打線を翻弄していました。特に2巡目以降の18人に対して初球の真っ直ぐ入りはわずか2球であり他16人は全て変化球を投げていることからも西武打線のアプローチを理解していたと言えるのではないでしょうか。そしてこの日は真っ直ぐの質自体も高く、36%に抑えながら空振り率が15%近く残っていましたしカットボールやシンカーを軸に攻めてい中で余計に効力を発揮したと考えられます。また、捕手のサインに何度も首をふる場面も見受けられました。捕手任せにならず自分で考え打者のアプローチを察しその先をいった「東浜の配球能」は素晴らしいものであり、ノーヒッターマダックス達成の最も大きな要因と言えるでしょう。

3:守備力
 これは、内外野の守備力という訳ではなく東浜自身の守備力のことを言います。

1死から四球でランナーを出したシチュエーション、シンカーで併殺を狙いにいき注文通りゴロを打たせました。一見すると東浜がジャンプしている可愛らしいシーンですが、このシーンもノーヒッターを達成した要因のひとつとして考えています。投手はただ投げるだけではなく、徹底した守備も求められるべきだと私は考えています。山本由伸などがその例です。

東浜の場合、あえて打球をスルーしショートに任せているように見えます。無理に打球を取りに行かず後ろに任せる判断を瞬時に行い、内野安打になるリスクを減らす。無理に手を出し安打になるというのは同チームの某投手がよくやっていますし、この判断が出来るかというのも大きな要因となったと言えるでしょう。

▫️最後に
ノーヒッターマダックスから中5日で登板した沖縄凱旋試合も素晴らしかったですね。初回は緊張していたということもありヒットを許しましたが、切り抜けてそのまま7回まで無失点。相手先発與座が最高のピッチングを見せる中、負けじと粘り強く投げ続け先に点を与えることも無し。これぞエースと呼ばれる所以のようなピッチングでしたね。近年は不調や怪我も相まって満足のいくシーズンを送れていなかっただけに、今年は年間通して期待できそうです。是非ともタイトル獲得、そしてチームを覇権奪回に導いてほしいですね。

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