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たゆたえども沈まずの根性論で

こんにちは。読書、美術館めぐりが趣味な工務部の2年目です。
(春から3年目です)
最近は原田マハさんの『たゆたえども沈まず』をのんびり寝る前や交通機関での移動時間に読み進め、やっと半分に到着しました。
この作品はゴッホを題材として書いてある本で…
現在偶然か運命か、名古屋美術館にて「ゴッホ展」が開催されているようです。福岡での展示会には間に合わなかったのでどうにか行きたいと思っている所存です。(蔓延防止が終わってますように)


ちなみに半分読み進めるまでに、『20代で得た知見』『本日はお日柄もよく』『楽園のカンヴァス』『キネマの神様』etc…を読み終え意外と寄り道しております。
そんな私はこの2年間で大規模修繕工事、新築、外壁改修工事、公共工事(橋梁)といった現場を見させていただきましたが、だいたい3カ月~5カ月で一現場といったサイクルで仕事をしています。(だいたい1現場2冊は読み終えたいと思っていますが、現実1現場1冊のペースです。)

これ以上本について語っていては、ニュースレターチームのみんなに怒られてしまいますので、ここからは本題に入っていこうかと思います。
今回は『20代で得た知見』を読んでいた頃に担当した、新築の現場の裏側をお話していこうと思います。

b hotel Neko Yard

2021年1月に工事が終わり、2022年1月に1年点検を上司が行うというので、同行しました。現場では「当時ここはこんなことがあったよね」や「この設計にはこんな意図が込められていたんよ」といった話で盛り上がりました。今回は先輩や職人の方々にも当時のお話を聞いてきたので、現場でのエピソードなどを書いていきたいと思います。

入口に向かうアプローチ


広島市中区猫屋町にある10階建てのホテル


ほとんどのホテルが名前は後付けのところが多いみたいですが、このホテルは設計の段階で名が決まりました。
地名にちなんで「Neko」そして、ホテル=宿=Yardからきているそうです。またYaedには「庭」といった意味があるため、10階のルーフバルコニーを庭と見立てた設計意図になっています。

10階ルーフバルコニー

10階浴室

1~9階には1つのフロアに2部屋あるのですが、10階には1フロア1室の作りで特別仕様のお部屋になっています。浴室は在来工法で施工しています。

周囲に防水加工を施し、コンクリートなどで壁や床を造る昔ながらの工法です。
床や壁の防水性を考慮しながら、モルタルとタイルで仕上げる方法であり、最大の特徴は自由にスペースに合わせて作ることが出来るといった点です。

LOHAS studio
バスタブ配置前

これは型枠が取れて、窓のサッシが着いたごろの写真です。まだ浴室というよりは、ただのコンクリートの部屋ですね。
さて、これがどう変わっていくか見てみましょう!

ブロック積完了

壁が1枚目の時よりも綺麗になっていますね。
バスタブを置くためのブロックが積まれています。このブロックをレベル(水平)に積むために左官さんや先輩と、墨出しという目印となる線をひいたりと、写真を見ているとどんな話をしながら作業していたかまで、思い出してきました。

そして…

バスタブ据え付け

みんなで見守る中バスタブは搬入されました。
仮設エレベーターに立てて載せ、クロスを傷つけないようにしながらすれすれのドアを乗り切り付けられたのがこのジャグジー付浴槽です。

立派なジャグジー完成し、ボゴボゴ音を立てていたのは感動しました。

このように素晴らしい浴室が完成しました。

足場解体

足場解体中

足場には本来メッシュシートが張ってあるのですが、足場解体の際には先にシートをとります。個人的にこの状態のとき、本当にかっこいいし綺麗だなと他の現場でも毎回思うほど、足場が好きです。この無骨な感じがなんとも言えません。ここの現場の足場は、『大払しおおばらし』という方法でばらしていったんです。

大払しとは?
足場をあらかじめ組んでおいた足場をクレーンでまとめて吊って組み立てや解体を行うこと。枠組み足場がこの工法に対応している。

大組、大払し【知って得する!鳶用語辞典】
クレーンにてばらされる


端の方で吊られている足場が見えるので凝視してご覧ください。

あまりにも圧巻なので、私の先輩も動画や写真を撮っていました。
どこの現場でも大払しが出来るわけではなく、クレーンを置ける敷地やばらした後材料が短時間で莫大に出てきてしまうのでそれを置く敷地、とにかく敷地が必要なのです。
なので、大概の解体を行うときにはウィンチ(材料を運ぶ道具)を使い手払しにて、解体していきます。

最後に

パリの標語、原田マハさんの著書『たゆたえども沈まず』といった言葉がありますが、この言葉の意味はコンパクトに説明してあるものだと『不安定で揺れはするが決して沈まない』といった意味になります。
その上で私も『たゆたえども沈まず』を根性論として、深く沈むことなく立ち上がりながらこれからも、現場を駆け巡ろうかと思います!


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