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231011 kyoto day05

「鈍考」で雷に打たれる(2度目)

平日ですが、1日お休みを頂いてちょっと観光。
地下鉄に乗り、京都盆地の北の果てまで行ってきました。

このへんまでくると住宅もまばらで、なんだか落ち着く

駅からさらに徒歩15分ほど、「鈍考」というところです。

うつくしい建築。この白い瓦はなんていうんだろうな
建築に関してはここに詳しいです。 またしても石だ・・・

ここはBACHという、本のキュレーションみたいなお仕事をされている幅さんの会社が作った私設図書館みたいなところです。予約制で、おいしいコーヒーを飲みながら90分間静かに本を読むことができます。

スマホは引き出しに預けます。
ものすごく洗練されている
でも緊張感は多少あるのでめちゃリラックスして本を楽しむという感じにはなれなかった
これが自分ちならね~~笑

ここにある本は、選書のプロである幅さんの選りすぐりなので、どれも面白そうで迷う。90分では大して読めないので、端から端まで本棚をざっと確認して、これだという一冊を選ぼうとがんばる。美術関連も気になるし、哲学関連で読みたいのもあるが、まぁここはやはり仏教関連だろう・・・と探していったところ、松岡正剛さんの「自然学曼荼羅」という本が目にとまった。

セイゴオさんは、webで「千夜千冊」を拝読したことがあり、この人の頭の中はどうなっているのだろう、という印象だったのですがそれは間違いではなかった。

「自然学曼荼羅」は最初の章をざっと読んだだけで終わったけども、まず物理学的側面からの「見る」ということについて(われわれが見えているのは光のほんの一部の可視光線に過ぎないという話)、「見る」装置としての顕微鏡と望遠鏡について、そしてカイヨワの「石が書く」(うちで積読になっている本)から東寺の曼荼羅について。博覧強記的にさまざまなジャンルを縦横無尽に渡り歩き、曼荼羅とはなんぞや、ということについて考えを巡らせていく。

とにかくすっごい。口があんぐりとしてしまう。
京都に来て考えていることがらについて横断的に語られており、この「点と点を結ぶ」知性というものに圧倒されてしまった。
ちゃんと読もうと思ってAmazonで注文。
90分はやはりあっという間だったがいい時間を過ごせた。

AMBIENT KYOTOでアンビエントとは何ぞやと考える

この「AMBIENT KYOTO」は二回目の開催で、第一回はブライアン・イーノを扱ってたんですよね。いいなーと思いつつ、さすがに京都までは行けず。
そしたら、今回の旅の日程で第二回があるというのでチケットとって行きました。

会場は2つに分かれていて、こちらは昔銀行だった建物。クラシックな雰囲気(京都でクラシックっていうと千年前とかになっちゃうけど笑 ここは1930年にできたそうです)。

京都中央信用金庫 旧厚生センター

こちらの会場では・・・

バッファロードーター

bdは2曲。大きな2つの向かい合うスクリーンの間にマルチチャンネルのスピーカー群。基本彼らはバンドサウンドですが、今回の曲はそれに電気的な後処理を加えた割とエレクトロニックなサウンドで、会場の音響構成に映えるものでした。
↑の映像はいろんな花がこんな感じでバーンと粒子になるもので、仏教的な「要素に分解していけばみな同じ=結局ぜんぶ宇宙」みたいな壮大さを想起させるものでした。カオティックに展開していくサウンドとよくマッチしてカッコよかった。

コーネリアス その1

コーネリアスは3曲プラス展示場内を流れるBGMを提供。
上の映像はグルーヴィジョンズが制作。音に合わせて植物が増殖し、最終的にはぐるぐる回り出して曼荼羅状に。

コーネリアスその2

このグレーチングみたいなステージにあがって、天井をぐるっと円形に囲った(と足元にも4台ほどの)スピーカーと照明群のコラボを体験する形でした。お得意の4と3のポリリズムだけど、踊りたくなる。

もう1曲は、この記事のトップ画像に使いました。
霧が充満する部屋にLEDのさまざまな光が飛び交う演出がなされていました。

あと、写真撮ってないけど山本精一さんの曲、映像も面白かったです。音って波だよね、っていうのを水を使って表現したもの。

3組にそこそこ共通するのは、
・ギター最高(いろんなギターの音が聞けてうれしかった)
・静かに始まってカオスまでいって静かに終わる
・要素還元主義(ミニマリズム)
という感じでしょうか。

ただ、これって「アンビエント」なのかな・・?、とは思いました。
定義はいろいろでいいだろう、と言われればそれまでなのですが、単に「インスト」音楽(が悪いという意味ではないです)なんじゃないかなと思ったりして。

イーノが提唱したアンビエントは、あくまで主役が別にあって(飛行場とか)、それ以外を満たす音響、みたいな定義だと思うんですが、あまりそういう感じではなくて、単体で聞きごたえがある感じだったので。その辺も変わりつつあるのかな・・?

休憩用ラウンジ 音が結構強烈だったのでここはありがたかった
素敵な部屋ですよね
ソファのふかふかが吸音材ぽくて気が利いてるなと思ったり

音の洪水をがっつりと聞いてちょっと疲れる。
疲労抜きがてら次の会場までゆっくり歩く。

東本願寺の上にアオサギ。

まぁ、どうしても「君たちはどう生きるか」をおもいだすよね

鴨川でもよく見るんですが、こんな街中にも。
神社仏閣の建築物に鳥が乗ってると、なにかの化身に見えてくるようになりました。

途中で昼飯。

ちゃんぽん亭の味噌ちゃんぽん おいしかった

次の展示会場は京都新聞の地下で。
坂本さんと高谷さんはおなじみのコラボですね。

asyncは坂本さんが2017年にリリースしたアルバム
syncしない、つまり非同期みたいな意味だと思う
immersionは没入
この会場がカッコいい
新聞社の地下は、いまは使われていない印刷工場だった
広さを利用して横長に広がるスクリーン
工場感と廃墟間が両方あって楽しい

というわけで、会場は本当に素敵なのですが・・・
音楽と映像が合ってないんですよ。
音楽が終わってまだ映像が続いている、みたいな・・
「async」だからそうしたのか、わからないんですけど、あまり良いとは思えませんでした。
映像は面白いんですけど(これもまた要素還元主義だ)、全部やってることは同じだし・・・
今年アーティゾン美術館で見たダムタイプの「remap」もいまいちだったし・・・なんだかなぁ・・・

なんてことを考えつつさらに歩く
これは京都御所 めっちゃ広い!
聖地巡礼その2(四畳半神話大系)
左が鴨川デルタ ここでロケット花火飛ばしてたのかー(今は禁止されています笑)

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