見出し画像

Vol.2 会話も その立場に立たないと そこからの景色は見えない

講習会の講師での失敗経験が多くの“気づき”を与えてくれた


担当企業の業務の一環として業務時間外に開催される講習会の講師 

半強制的に参加させられた感がヒシヒシと伝わってくる 完全アウェー状態

受講者の大半は 別に「話を聞きたい」と思っていない感じだ 


「このムードを変えてみましょう!」 と自分を鼓舞して

大きな声で ゆっくりと 分かりやすく を心がけて講習をスタートした 

しかし最後まで “聞き役”である受講者の反応が サッパリわからず 手ごたえが全くなかった


講習会終了後 受講生のアンケートを見て愕然とした

「講師の 威圧的な話し方 傲慢な態度 が不愉快で 話す内容が全く入ってこなかった」

「理解してもらいたいためのエピソードなのだろうが 自慢話にしか聞こえない」

といった酷評の嵐

少しは自信があったので 酷評は 正直ショックだった


後日 冷静に 講習会のビデオ映像を観て

「なるほど こりゃ 威圧的ってとられるね(笑)」

と納得した


”これではいけない”と思い 話し方教室に通って先生に相談してみた


先生曰く

貴方の話し方や態度は 受け入れられなくて 拒絶する人は多いでしょうね
政治家の街頭演説なら いい話し方ね  ハハハ(笑)

貴方は 講師としてのソフトな話し方を学びにきたと思うけど

長年やってきた貴方の話し方の癖を 修正するのは 無理だね
貴方らしさが 失われるだけ


貴方の話し方は 講師ではなく モデレーターなどの 人の話を引き出す役割をやってみるといいよ


先生から バッサリと切り付けられたが まあ 言われて当然と思えた

これを起点として 経営者のインタビューや対談の司会役 パネルディスカッションの進行役 へのチャレンジが始めた 



話を引き出す立場の経験によっての 気づき 


話の聞き出し役になると 話し役を客観的に観察ができるものだ 

多くのビジネスパーソンは 経営者・従業員といったポストに関わらず 自分の仕事に関する話をしたい

社会起業家もコンサルタントも 多くを語りたい

しかしながら 「この人は話が上手だな」と感じる人は ほんの一握りだった


この話が上手いと思える人には 共通点があった

● “間”の取り方が絶妙

● 声のトーンを変わらなくて あえて “間” を作ることで 強調したいことを伝えている

● 質問の回答が簡潔でわかりやすい

● センテンスが短く整然として 聞きやすく 理解しやすい

● 話のリズム感が心地良い

● 常に相手を見て 会話のスピードコントロールをしている



ビジネス会話に必要な力 


相手の発言の真意と本気度を精査して その発言が本音か?建前か?を見抜く必要がある

・ 話を引き出す話し方 
・ 話す内容の構成力
・ 的を射た質問力 


といったスキル・テクニックをマスターしなければならない


想像力 アドリブ力 臨機応変力

といったコツも掴んでおかなければならない

どの要素も簡単に会得できるものではない


ビジネスシーンで 会話は主導権を握ることが“必須条件?


会話の主導権が 営業成績に直結して “売上” に大きな影響を及ぼすとまで言われる

当然のことながら 会話というのは 話し役 と 聞き役 がいる

話し役は

聞き役が 退屈そうな表情になると 別の話題に変え 話に食いついていてくれば 饒舌になって深い内容まで話す

したたかな話し役は 聞き役の反応を見ながら話す内容を変えている

聞き役は

質問を多く投げかけることによって 相手に多くを語らせニーズを探ろうとする

相手に向けた質問の回答に 大きな反応を見せることで 会話が盛り上がる雰囲気も 創り出すことができる

したたかな話し役は 大きな反応を見せることで 会話が盛り上がる雰囲気を作り出し 自分の主張を相手に伝えるタイミングを見つける


ビジネスは 狐と狸の化かし合い 

一概に 会話の主導権を握るのは 話し役or聞き役 どちらが 有利or不利 とも言い難い


その立場に立たないとそこからの景色は見えない


「話し上手は聞き上手」 という諺があるが 「聞き上手は話し上手」でもある

この“話を聞きだす役”を体感してみれば 自分の“話し役”としての 良さも悪さも 理解できる

前述の話し方教室の先生が 私に伝えたかった真意だと思っている


他人に不快感を与えない最低限の微修正は必要だが 長年やってきた“話し方”の修正は 簡単でない

修正したことによって 話し方がぎこちなくなって 自分の良さを失うことの方が大きくなることもある


話し上手な人は 相手の様子を良く観察している 

そのことで 会話をコントロールしている


これが会話の主導権を握るということかもしれないが

知識が豊富であることに越したことは無いと言われるが 細部まで細かく話せることが 話し上手ではない


話し上手になるには 技術は必要なのだが それは

相手に対するちょっとした気配り




筆者の呟き


ビジネスパーソンにとって 交渉時の会話術を習得できる勉強会は 実践経験でしかない




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?