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第2回SDGs担い手育成講座(2022年度)

第2回SDGs担い手育成講座を開催しました。この講座の概要、第1回の講座につきましては、以前記事を作りましたので、こちらをご覧ください。

・トヨタ白川郷自然學校

第2回SDGs担い手育成講座のご報告

狙い

第2回:村のサスティナビリティを実感する
現場体験(フィールドワーク)で丸1日かけて古道整備作業を行い、道を守り続けてきた白川村の人々の想いに触れる機会とする。また、ゲストに株式会社さとゆめ代表取締役の嶋田氏をお迎えし、自身や地域、事業との〝向き合い方”をお伝えする。

参加者

年間を通した連続講座の第2回は12都県17大学から19名の若者が参加しました。今回も多様な分野の方がおり、様々な視点や想いを持った若者が集まりました。

スケジュール

【1 日目】
  PM 開会・オリエンテーション
     ゲストトーク「自分と向き合う地域と向き合う事業と向き合う」
     講師:嶋田俊平 氏(株式会社さとゆめ代表取締役)
   夜 ゲストトーク「なぜトレイルを整備するのか?」
     白山白川郷トレイルクラブ代表 蟻原陽一氏
【2 日目】
  AM 古道整備作業Ⅰ
  PM 古道整備作業Ⅱ
   夜 白山白川郷トレイルクラブメンバーと意見交換
【3 日目】
  AM 個人ワーク
     グループセッション
  PM クロージング

活動の様子

①開会・オリエンテーション 
第1回終了後から約4か月ぶりの再会で、まずは近況報告です。「自動車免許の仮免が取れました」「ゼミ選択で迷ってます」「卒論の中間発表準備中です」「就職先が決まりました!」「ワーキングホリデーに参加してきました」など、様々な近況報告があり、そのたびに温かい拍手とともに、参加者の笑顔が溢れた時間となりました。

學校長による開会の挨拶
近況報告の様子

②ゲストトーク「自分と向き合う 地域と向き合う 事業と向き合う」
講師:嶋田俊平 氏(株式会社さとゆめ代表取締役)
株式会社さとゆめ代表取締役の嶋田氏に「さとゆめ」創業の想いや経験などを熱く語っていただきました。キャリアの中で「いかに地域に必要とされる存在になれるか」「そして、いかに自身や社員が生きていくか、 組織を維持・成長させるか 」を考えて生きてきたこと、その結果、「伴走」という、 コンセプト・ビジネスモデルに辿り着いたこと、その過程での気づきや試行錯誤したことなどを中心にお話しいただきました。 


ゲストトークⅠ「自分と向き合う 地域と向き合う 事業と向き合う」
ゲスト講師の嶋田俊平氏(株式会社さとゆめ代表取締役)
真剣に聞く参加学生

その後、少人数のグループに分かれ、感想や意見を共有しました。また、ゲストの嶋田氏も時間を区切って、各グループに入り、近い距離で参加者からの声に耳を傾け、また同時に参加者の皆さんからの質問にも答えておりました。

③ゲストトーク「なぜトレイルを整備するのか?」
 ゲスト:蟻原陽一氏(白山白川郷トレイルクラブ代表)
「なぜトレイルを整備するのか?」と題して、白山白川郷トレイルクラブの活動やJAPAN TRALの話をしていただきました。また、集落と集落をつなぐその古道を歩いて、蟻原氏の曾ばあちゃんが嫁入りに行った話など蟻原氏の熱い想いも感じられる場面がありました。短い時間ではありましたが、古道整備活動の意義を感じていただき、翌日の作業へ気合いを注入する時間となりました。

また、事前課題で考えて頂いた「今まで歩いた中で、一番好きな or 思い出深い or おススメしたい道にまつわるストーリー」を蟻原氏も含め、少人数のグループに分かれ、共有しました。それぞれの背景が垣間見え、自然と一体感ができ、和気藹々の楽しい空間となりました。

④古道整備作業
当日、天気に恵まれ、絶好の作業日和となりました。「今日は先人が歩いていた道をトレイルとして活用するため毎年整備している白山白川郷トレイルクラブの方々と一緒に作業します。」との声で始まり、白山白川郷トレイルクラブの方々の紹介と、出発前に全員で集合写真を撮りました。

古道整備作業出発前の集合写真
「頑張るぞ!お~!!」の掛け声で気合十分(後発隊のメンバー)

先発隊と後発隊に分かれ、コースターで自然學校を出発。現地へ到着後、白山白川郷トレイルクラブの田口氏より作業の全体説明がありました。また、唐ぐわや剪定ばさみ、ノコギリなどの作業道具の説明と、安全に作業するため危険予知などを行いました。その後、作業開始。手ノコで枝切りを行い、ルートづけ、さらに切ったものの除去や、歩きやすいように唐ぐわで地面を平らに均す作業をしました。また、今回のルートは倒木も多かったため、倒木除去作業なども合わせて行いました。

倒木除去作業①
倒木除去作業②
歩きやすいように唐ぐわで地面を平らに均す作業

3時間ほど作業して、12時ごろに中山峠に到着。みんなはおなかペコペコ。「腹が減っては戦はできぬ」ということで、お昼休憩となりました。森のなかの古道上で座り込み、お弁当を食べました。山のなかで休みながら、ゆったり食べるお弁当は最高においしかったです。

昼食後、さらに1時間ほど歩いたところでブナ林帯に到着しました。「蟻原氏の曾ばあちゃんも嫁入りの際にここを通ったのか…」など、先人たちに想いを馳せながらひと時を過ごし、みんなで集合写真を撮りました。その後、引き続き、古道整備作業を行い、ゆっくりと戻りました。

古道を突き進むメンバー
途中、太陽の温かさに感動
みんな真剣に頑張りました
樹齢数百年のブナの木にも出会いました
上を見上げると、本当に立派。長い間、ここで生きている。
ツキノワグマの爪痕もたくさん
ブナ林帯で、みんなでハイチーズ!

⑤白山白川郷トレイルクラブメンバーと意見交換
夜は、丸1日作業を共にした白山白川郷トレイルクラブの皆さんと作業をふりかえり、感想を共有しました。その後、焚き火を囲みながらざっくばらんに話し合い、古道整備をどんな想いをもって取り組んでいるのかなど、トレイルクラブの方々の想いに触れる機会となりました。

⑥個人ワーク
3日目の朝は、天気があまりにも良かったので、予定になかった森歩きからスタート。朝の森は心地よく、リラックスして目覚めの時間となりました。2日間のふりかえりの後、ファシリテーターの黒坂からお題が出されました。「コンサルタントとして古道を活用した地域の活性化について考えてください」昨日の体験を思い出しながら、ワークシートに取り組みます。

天気が良く、朝の森を散策しました
個人ワークの様子

⑦グループセッション
個人ワークで考えた案を少人数グループに分かれ、発表会です。発表者はコンサルタントとなりプレゼンテーションを、聴者は地元自治体関係者となり、古道を通した地域活性化策に耳を傾けました。同じお題にもかかわらず、視点の違いにより、様々なアイデアがでておりました。

⑧個人ワークⅡ&グループセッションⅡ
次にもう1つのお題「コンサルタントとして、羽幌町が抱えているオンコの保全について考えよう」がファシリテーターより出されました。「オンコ??」参加者は初めて聞いた言葉に対して、スマホで必死に検索。調べながら、ワークシートを完成させていきました。その後、グループで共有しました。ファシリテーターから「ワーク①とワーク②では、どんな違いがありましたか?」の問いかけがあり、少人数で話し合いました。その結果が、参加者の学びや気づきにつながっていました。

⑨クロージング
最後は、3日間の感想を1人1人述べて、同じ時間、同じ活動を共にした仲間の想いを分かち合いました。また第3回の予告として、地域や企業の未来を見据えた取り組みを体感していただくための〝白川郷学園訪問”や〝トヨタ役員による講話”などをお伝えし、締めくくりとなりました。

実施結果(主催者所見)

第2回目の講座の目標は達成できたと考えます。ゲストトークの嶋田氏のおかげで、参加者の皆さんに、自身や地域、事業との〝向き合い方”を提供できたと感じました。また、白山白川郷トレイルクラブの方々との共同作業(古道整備作業)や焚き火を囲んでの意見交換を通して、昔から道を守り続けている村の人々の想いに触れていただきました。また、同時に実際に丸1日かけて作業に関わることで、如何にそれが大変なことかを実感されているように感じました。また、クロージングの際に「道をつくっていて、〝あっ、道ってつくれるんだ”と物理的にも思い、合わせて、心理的にも〝自分の将来の道もつくれるんだ”と感じたことが今回、私のなかで一番大きかったです。」という参加者の感想は特に印象に残っております。

参加者の声

「〝経験することが大切”と〝知らないからこそ調べる”の両方を体験して、
 すごい人になれた気がする。」
「内省をして、12月に来るまでにはもっと物事を広く見て、もっと自分が
 知らない世界に勇気をもって踏み出して、ちょっと深化した自分に
 なりたいと思いました
。」
「ゲストの嶋田さんやトレイルクラブの方々、スタッフの皆さんが自分の仕 
 事を楽しそうにしていて、参加者の皆さんも自分の夢をすごい熱量で話し
 ていて、すごく刺激になりました
。」
「自分の学校生活でやっていきたいと思うことが見つけられてよかった。」
「最後のワークは〝知る”ということがどういうことか体感できる素晴らし
 いワークでした
。朝の森の散歩も気持ちよかった。」
「自分の視野が無意識のうちに狭くなっていることに気づいた。道づくりを
 通して思い入れが生まれたように、もっと多くの経験をして自分が輝ける
 道を探したい
。」

参加者の皆さま、ご参加いただき、ありがとうございました。また、第3回に会いましょう!

古道整備作業後に、みんなで集合写真



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SDGsへの向き合い方