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【必読の書】「これでいい」と心から思える生き方の重要ポイント㉒

この本の第四章に書かれてる文を
紹介させていただきたいと思います。

小此木啓吾さんは、著書『対象喪失』の中で、現代人が「悲しむ能力」を失ってしまったことを指摘しています。愛する対象や依存する対象を何らかの形で失うことを対象喪失といいますが、現代人の多くは、対象喪失の体験をしたときにちゃんと悲しむことができないため、いたずらに困惑し、自分の全能感が満たされぬ怒りをもてあまし、短絡的な行動に奔りがちな傾向があるのです。

小此木さんは、現代人が「悲しむ能力」を失ってしまった背景について、同書の中で次のように述べています。「対象喪失は、どんなに人間があがいても、その対象を再生することができないという、人間んお絶対的有限性への直面である。ところが現代社会は、人類のこの有限感覚をわれわれの心から排除してしまった。TV、飛行機、車、宇宙船、抗生物質をはじめとする医療テクノロジーの急速な進歩、冷暖房をはじめとする電気製品。(中略)いまや科学少年の魔法の夢はかない、全能感はみたされてしまった。(中略)いつのまにかわれわれの基本的有限感覚は稀薄になり、全能感はますます巨大になってしまった。そして全能感に支配された人間には、対象喪失の悲哀は存在しない。かけがえのない絶対に代りのきかない存在は、心から排除されてしまうからである。

そしてまたこの動向は、自分にとって苦痛と不快を与える存在は、むしろ積極的に使いすてにし、別の新しい代りを見つけだすほうが便利だし、実際にそうできるという全能感を人々に引き起こしている。死んで葬り去れば縁がなくなるし、酷く年老いた者は実社会から排除すればよいし、うまくいかなかった男女は別れて、それぞれ新しい相手を見つければよい。できることならば、学校や職場も気に入らなければ、自由に変えられるほうがよい。(中略)すくなくとも人々の幻想の中では、こうした全能の願望がすべての対象とのかかわりを支配しようとしている」

現代人の多くは万能感・全能感に支配され、悲しみを感じる力を失ってしまったというわけですね。これはつまり、現代人の自我が脆弱化してしまっているということでもあります。

大切なものを失ったときに、そのことを認め、それにともなう悲しみを感じるためには、それに耐えられるだけの自我の力が必要です。「人生は思い通りにはならないものだ」という現実への直面に耐えられるだけの、自我の安定度が必要なのです。現代人は、そのような自我の力が弱まっていると思われます。

「これでいい」と心から思える生き方 第四章

私たちは「人生は思い通りにはならない」ということを
受け入れ、それに適応しなければいけないのですが、
本屋の自己啓発・スピリチュアル・占い関連のコーナーは
これとは真逆の内容の本がズラリ並んでますね。
世の中は逆行しているということです。

思い通りにならないことを受け入れるのは大変かもしれませんが、
受け入れることができたら潜在意識のバランスが変わり、
今まで想像もしなかった方向に動くかもしれません。
何だか条件付きみたいな感じではありますが、
思い通りにならないことを受け入れて損は無いと思います。

自己受容できるようになって、
ようやく他者受容することもできるようになります。
自己受容と他者受容、どちらも重要です。

自己受容に関しては”「これでいい」と思える生き方”と
”なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか”
の2冊だけで事足ります。

より生きやすい道を選択したい方は
自己受容・他者受容・足るを知る
この3つを重視してください。

自己受容・他者受容を深く掘り下げると
老子の『足るを知る』という言葉に辿り着きます。
深く掘り下げて理解を深めたい方は
是非、老子・荘子に関する本を読んでみてください。

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