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24年かけて「自分と他人は違う」ということを学んだ

みなさんが、「自分と他人は違う」ということを学んだのはいつでしたか?

ぼくは24年かけて、なんならこの1年くらいで、それを学んだような気がしています。自分と他人は、違う生き物である。ぼくとあなたは違う。人間はみんな違う。

最近ようやく、意識できるようになりました。

この学びは、この1年で一番大きな学びの一つだと思っています。今回は「自分と他人は違う」という学びを得たプロセスについて、書いてみます。

自分と違うからと、後輩にブチ切れた中学生時代

滅多に怒ることはないのですが、未だに覚えている人生最大(そして今のところ最後の)に激怒したのは、中学3年生の時、部活の後輩に対してでした。

当時のぼくは、部長という責任ある立場を任されていたこともあり、練習に対して当然真面目に取り組んでいたのですが、一つ下の学年の後輩たちの中には、真面目に練習に取り組んでくれない子も当然いて。ずっとイライラしていました。

そしてみんなで大会に行った日、他の部員の種目の応援に行かずにヘラヘラしている後輩たちに対して、とうとう我慢できなくなり、ブチ切れてしまいました。

「お前ら本当に人間なの?まじ意味わかんないんだけど。なんで一緒に練習してる部員のこと応援したいと思わないの?あり得ねえ。」

あんまり覚えていないけれど、こんなようなことを吐き捨てた記憶があります。

まあ部長として、彼らに怒るのは一定理解できることな気もしますが、当時のぼくは、一緒に練習する仲間を応援しないことを、「意味わかんない」と言って怒った。ぼくにとっては、そうするのが当たり前だった、ということです。

これは、ぼくにとって大事なこと(=一緒にがんばっている部員を応援すること)は、当然他の部員にとっても大事である、という前提があったからだと思います。自分の大事なことと、他人の大事なことが違うという可能性を意識することすらありませんでした。

大学生になっても、自分と他人の違いがわからなかった

大学生になっても、「自分と他人が違う」という可能性を意識することはできませんでした。

顕著だったのは、当時付き合っていた彼女とのコミュニケーションだったと思います。

例えば、彼女が落ち込んでいて、話を聞いて欲しいと伝えてきた場面で、ぼくは話を聴きながら

「それってこういうことじゃない?」
「こうしたらいいと思う」
「こういうこともできるよ」

など、ドヤ顔でアドバイス(という名のマウンティング)をしてしまい、よく彼女に怒られました。

当時はそんな自分を「優しくない」「共感ができない」と理解していたけど、そもそも「自分と他人が違う」ことをわかっていなかったのかなあと思います。

落ち込んだ時に自分が求めるものと、他人が求めるものが同じであるという前提に立って、彼女とコミュニケーションを取っていました。

本当はそんなもの当たり前に違うし、言われればわかるのだけど、腹落ちしきれていなかったから、あんなことを彼女に言ってしまったのだと思います。

性格特性診断で、自分の相対的な特性を知った

そんなぼくが、自分と他人は違うということを意識し始めたのは、(手前味噌みたいになりますが)インターン先のcotreeで受けた性格特性診断です。

この診断では、自分のコミュニケーションスタイルや動機の種類が、心理学的な見地に基づいて、具体的な数値として表されます。当たり前のように、自分とみんなのコミュニケーションの取り方は違うし、何によって動かされるかも違う。そんなことを具体的な数値によって教えてくれます。

ちなみに、ぼくの結果の一部を添付すると、こんな感じ。

コミュニケーションでいうと、基本的に感情表現が豊かで、意見を主張するタイプで、一体感や強調を重視する傾向にあります。動機については、安全動機が最も高い。失敗や挫折を恐れがちで、安心・安全を求めるそうです。

ただ、正直言って、これを受けた当初は「へー、そんなもんか」というくらい。結果はそこまで衝撃的なものでもなかったし、「あーまあそうね、わかるわかる」という気持ちでした。

その時のぼくは、「自分とみんなは違うんだ」ということを自分はわかっていないんだ、ということすら気づけていなかったのです。無知の無知、です。

日々のコミュニケーションの中で少しずつ浸透した

ぼくが「自分とみんなは違う」ということを学んでいったのは、この性格特性診断を受けた上での日々のコミュニケーションによるものが大きかったです。

cotreeには、いろいろな人が働いています。バックグラウンドも様々ですし、上に挙げたソーシャルスタイルや動機もそれぞれ全然違う。それは、至極当たり前のことです。

そんな自分とは違う人とコミュニケーションや一緒に仕事をするとき、当然ズレが生まれてきます。何を大事にしてコミュニケーションを取るのか。何によってモチベーションが上がるのか。一人一人、違います。

そしてそういったズレは、うまく活かせるといいチームを生む大事な要素になりますが、ミスコミュニケーションやストレスに繋がりやすいものでもある。

ですがcotreeにおいて特徴的だったのは、この性格特性診断を全員が受けており、その結果をオープンにしていること。そして、その違いを意識し、開示しながら日々のコミュニケーションを行なっていることです。

例えば、形式や論理を重視するアナリティカルタイプの人の提案を、感覚派のエクスプレッシブの人が「いいね!」と褒めた時、「ぼくアナリティカルだから、どこがどういいのかを具体的に言ってほしいです」みたいなことを伝え返したりしています。こういうコミュニケーションが日常的にあります。

(余談ですが、実はこれ結構レベルの高いことをやっていると思います。自分と他人の違いを尊重する文化、自己開示しても受け入れられるという前提、自分の思考プロセスの言語化能力など、いろんなものが組み合わさったことで可能になっているコミュニケーションなように思います。手前味噌だけど。)

もしかしたら、こんなコミュニケーションをめんどくさいと思う人もいるかもしれません(cotreeの中にもいるかも)。

でもぼくは、こういったコミュニケーションによって少しずつ、「あ、自分と他人は違うんだな」ということを学んでいきました。自分の思考回路は、他人の思考回路と違う。自分の動機は、他人の動機と違う。性格特性診断に出ていない部分も含めて、「自分と他人は違う」ことを体得していくことができました。

当たり前の前提に、もう一度立ち戻ろう

わたしとあなたが違う、という大前提は、大前提なのだけど(だからこそ)見失ってしまうことが数多くあります。もちろんぼくも、よく見失う。

他人との関係性がうまくいかないなと思ったとき、コミュニケーションにズレがあるとき、改めて「自分と他人は違う」という前提に立ち戻ってみると、うまくいくことがあるのではないでしょうか。

写真はフランスのストラスブール。色とりどりの街並み。

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