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ネクタイマニアの方へ、理想的なノットを作るための条件について考えてみました。(①結び方編)

 ネクタイのノットについて、皆さんは気にしたことがありますか?
 普段何気なくネクタイを結んでいるかもしれませんが、ノットの形や大きさは、スーツとシャツ、ネクタイから成る、いわゆるVゾーンを構成する大事な要素です。
 ただ、理想的なノットを作るためには、実はいくつかの条件を考える必要がある、ということはあまり知られていないと思います。
 そこで、今回から3回にわたって、ネクタイ工房ならではの視点でノットについてお話ししたいと思います。


 初回となる今回は基本となる「ネクタイの結び方」にフォーカスします。


 ネクタイの結び方にはプレーンノット、ダブルノット、セミウィンザーノット、ウィンザーノットなどをはじめとして、実は85種類も結び方があると云われています。
 ネクタイは結び方によりその表情を様々に変えます。代表的なものを2種類見てみましょう。

 まずはプレーンノット。

プレーンノット・4.7cm


 1周しか巻いていないため、細身のノットができるのが特徴です。また、ノットの内側がシンプルな構造になっているため、ディンプルがきれいに出やすい結び方だと思います。

 ノットが細身のためスマートな印象を演出できます。個人的には、ノットが細い分、大剣部分との対比が強調され、ネクタイの魅力が際立つ結び方だなぁと思います。

プレーンノットと対照的なのがウィンザーノットです。

ウィンザー・4.7cm


 プレーンノットと比べるとノットの形がかなり変わり、正三角形に近い形になっています。写真だとわかりづらいですが、結び方が複雑な分ノットが三次元的にも大きくなり、より存在感のある胸元を演出できます。

プレーンノット・4.7cm

ダブルノット・4.7cm


セミウィンザー・4.7cm

ウィンザー・4.7cm

 プレーンノット、ダブルノット、セミウィンザーノット、ウィンザーノットと並べてみると、徐々にノットの幅が広くなっていくのがわかると思います。

 理想的なノットを作るためには、相手にどんな印象を与えたいかを踏まえ、合わせるシャツの襟の形やジャケットのラペルなどとのバランスを考えながら、結び方を選択する必要があります。

 ・・というのが教科書的なネクタイの結び方についてのお話だと思いますが、実は理想的なノットを作るにはこれだけでは足りません。


 次回はノットの印象を大きく変える「ノットの高さ」についてお話ししたいと思います。



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