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お金2.0読解!書評しました。


最近、電車広告やSNSのいたるところで
目につきますよね。「お金2.0」
そんなに売れてるならどんな本かな〜と
気になり読んでみました!
想像以上に面白かったので、書評書きます!!

本の内容をざっくり言うと
・価値のシフトチェンジが起こっている。
・内面的かつ社会的な価値が大事になる。
・上の2つはテクノロジーによって加速する。
・経済システムを分かっておこう。
・人生の意義・目的を見せるところまで考えよう。




お金、感情、テクノロジー。
この3つのベクトルは未来の方向性を決める大きな要素で、中でもお金の力が大きいようです。

300年くらい前、農業から産業に社会全体が大きく変わり、工場で労働力を価値として提供し、お金をもらうことで生計を立てるようになっていきました。

お金と良い生活が、イコールになったわけです。

それまでは王とか神とか宗教とか、お金よりも大事な存在があったから、お金を絶対視することはなかったんです。

そういう意味では確かに、お金があれば「お小遣い」「習い事」「人並み」「進学」「食べ物」などなど、日本で生きていくのに困ることはなくなりますね。

じゃあこの本は、300年前から現代にかけて絶対的な存在感を放ったお金の話なのか?と言われたらそうではありません。
むしろお金自体の価値は下がっていくみたいですよ。

お金がもたらしたもの

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お金は元々、価値の交換・保存・尺度の機能を持っています。しかし、現在その基本的な機能は、あまり大きな役割を果たさなくなっています。

資本主義社会が始まってからというもの、経済を回すエネルギーとなったのはお金でした。
食べ物をその都度、物々交換していたら腐ってしまうので、価値の交換・保存・測定として機能したお金は優秀と言えます。

でも資本主義経済では、資本(お金)を持った者が強くなる仕組みになっているため、モノを作って、発注して、店で売って、客が買って、という通常ルートを辿るよりも、資本から資本を増やす方が資本主義の世界では強くなれました。

それによって、手段としてのお金ではなく、お金からお金を増やしていく目的としてのお金に皆んなが注目していったんですね。

………これっておかしいですよね。

お金儲け、利用価値・使用価値としてのお金。
そこばかりに目が向けられて、
本当に大事な価値は蔑ろにされている。

僕らは「お金」の為に生まれてきたのではないはず。

共感や共有、好意などの内面的な価値。
貢献や全体の利益などの社会的な価値。
本当に大事なのはそういう価値。

個人の価値が全体の利益になるといった
資本主義の考えでは、実用性があるかないかが
全ての基準になるから、内面的な価値や社会的な価値は後回しになる。

こう考えるとお金が僕らにもたらしたのは、価値の問いかけなんじゃないかなと思います。

大事なのは本質の「価値」

一方で皆んなが価値について考えるようになってきている事実もあります。そんな価値について考えるようになった今の時代では、昔のように「お金が第一」といった風潮はなくなってきました。

その流れに呼応してか、内面的な価値や社会的な価値で生きる為の仕組みが沢山出始めています。
例えば、SNSやクラウドファンディング。

TwitterやFacebookなどのSNSを使うと、
いいねがついたり、感情を表す顔マークを
つけることが出来ます。
個人的な活動を応援してもらえる場所にも
なるわけです。

そして、社会的な活動であれば(カンボジアに学校を建てる、木を植える)、今まではお金が集まりづらかったものでも、クラウドファンディングを行うことによって簡単に集めることが出来るようになりました。

他にも、仮想通貨、ブロックチェーン、シェアリングエコノミー、トークンエコノミー、評価経済などなど、沢山の仕組みが増えてきています。
このようなテクノロジーを使えば、社会的な価値で独自の経済圏を作ることも出来てしまうこともあるみたいです。国家に依存して、企業に依存して、ライフスタイルを作る必要はなくなってきているのです。

内面的な価値・社会的な価値を大事にして生きていこう。

本書ではこのように書いてあります。

社会的に価値のある取り組みは利益を出しやすくなってきている一方で、利潤のみを徹底的に追求する事業は短期的な利益を求めすぎて消費者に避けられてしまうか、過剰競争に巻き込まれて長期的には利益を出しにくくなっているような気がします。

SNSで可視化されれば利益(お金)ばっか求める人を避けるのは当然だし、クラウドファンディングでやりたいことより利益を目先に見てたら支援したくならないのは当然ですね。

良い時代の到来

経済とは?経済システムについて

本書では経済のことを「欲望のネットワーク」と書いてあります。人間の持つ欲望を満たすためのネットワークが経済ということですね。
欲望は3つに分類されます。
「本能的欲望」→衣食住や性欲、睡眠など。「金銭欲望」→そのままお金が欲しいという意味
「社会的欲望」→みんなから認められたいといった承認欲求や、全体の利益を考えたりすること
確かに人の欲望を満たすために、お金が存在してるというのは納得ですね!

次に欲望のネットワークである「経済」がうまくまわる仕組みについてこのように書いてありました。
経済システムは5つの要素からなっています。

インセンティブ(報酬)、リアルタイム(変動)、不確実性、ヒエラルキー、コミュニケーション

これらは既存の経済で説明がつきます。
たとえば会社であれば、インセンティブがないと働くモチベーションはあがりません。給料が出ないのに働いて下さいと言われて働く人は居ませんね。

しかし最近では、金銭欲求を満たす報酬だけでは満足しない若者が増えてきました。そういったことから近年は、社会的な欲求が重視されるようになっています。
社会的な欲求をいかし、トークン(仮想通貨)が使われたりすることもあるみたいです。トークンを会社員全員が持ち、その月に頑張った人、沢山手伝ってくれた人にトークンを送ることで、頑張った人が評価される経済圏を作ったりできるみたいです。
送られたトークンは、お金に変えたり、また他の人に回したりすることで、欲求を満たすことが出来ます。

会社にはリアルタイムが求められています。リアルタイムは変動のことを表していて、たとえば延々とハンコを押したり、事務作業をするような仕事のように次に起こることが分かりきってる仕事よりも、次に起こる予測不可能な出来事によってやるべきことが変わっていく仕事が求められているのです。
子供の頃遊んでいるときに、新たな世界が次々に見つかる瞬間に似ていますね。

リアルタイムと関連して不確実性も重要です。
この世界では何が起こるか分かりません。
運の要素がある程度あります。人は昔、狩をしていたとき、不運に見舞われ、死の瞬間を目の当たりにしたりすることも多かったでしょう。
そんな不確実な出来事が起きる世界では、そのような危険な局面に、人間の脳の報酬回路が刺激されるようになりました。そうすることによって人間の活動を続けていたのでしょうね。
そんな過去の経験から、運の要素を取り入れることで、より経済がうまく回るという現象が起きているみたいです。

ヒエラルキーについて。
会社内で素晴らしい業績を上げている人と、
しっかり仕事もせず業績を上げない人の評価が同じだったら誰も納得しませんよね。経済は崩壊します。資本主義経済なのですから、利益を多くもたらしてくれる人に利潤が回ってくよう出来ているんです。それに人は、比較優位を原動力にして継続的な活動を行い、優位であることを望んでいる場合が多いです。基本人間は他者との比較で相対的に自分を確認する生き物なので仕方ないですね。

コミュニケーションが大事なのは言うまでもありませんね。よく会社のマイナス面として飲み会が挙げられたりしますが、飲み会などで行われるコミュニケーションが大事だったりします。何気ない会話を交わした相手と仕事をすることで、仕事上の連携がうまくいったりすることがあるんでしょうね。

以上5つの要素が経済をうまく回すために
大切なので、自分の活動に当てはめてみても
良いですね。

最後に。
これからの時代は人生に意義や目的を持つことに価値が出てきます。
1970年代頃までの物や食べ物が無い時代は終わり、物質的な物より精神的な何かが求められています。
自分で課題を見つけ、解決していく。
お金になる前の本質の「価値」の部分が
大事になる。

これからの時代をどう捉えるも自分次第です。

僕は良い時代が来るんだろうなと思って
毎日を過ごしていきます。

この本では他にも経済・自然・脳についての関連性、脳の報酬系、自律分散、評価経済、信用経済についての面白い話が書いてあるので、もし今回の書評を読んで読みたいと言う方が居たら是非読んでみてください!

お読み頂きありがとうございました!!

#お金2 .0 #書評 #テクノロジーの進化

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