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革新的な会社の質問力。良い質問は相手のためになる

今回は、質問についてです。

質問は自分のためだけではなく、相手に気づきを与える役割があります。

革新的な会社の質問力 という本から、相手のためになる質問について考えます。

本書の内容

以下は内容紹介からの引用です。

質問には、いまの閉塞感を突破し、革新を生む力がある!

質問コンサルタントである僕の仕事は、企業に行って、ただ質問をするだけ。「もっとこうしたほうがいい」とアドバイスしたり、教えたりすることはありません。ずいぶんと不思議な仕事だな、と思われるかもしれません。
ところが、質問を投げかけるだけで、クライアントには大きな変化や革新が巻き起こります。質問するだけで、そんな成果が出るなんて不思議ですよね。

なぜそんな力があるのか。仕事をするということは、常に「考え」「行動する」ことです。目の前の問題や目標を整理し、解決策を考え、行動することの繰り返しで、仕事は進んでいきます。その時の「頭の中を整理する」「新しいアイデアを生み出す」「やる気になる」きっかけとなるのが質問です。

本書では「自分にしつもん」「部下にしつもん」「会議にしつもん」「お客様にしつもん」という4つの場面で、質問力を磨き、活用する方法を明解に解説します。

良い質問は相手のためになる

この本を読んでの気づきは、質問に対する考え方です。

一般的には、質問とは自分が知りたいことを相手にするためにあります。つまり、質問は自分のためにします。

この本での学びは「良い質問は相手のためになる」という捉え方です。

質問によって、相手が本来持っているものの、まだ考えやアイデアには整理できていないことを引き出すことができるからです。

人は良い質問をされれば考えるスイッチが入り、新しい気づきを得られます。自分がそれまで思いつかなかったことも、あらためて考えさせられます。新しい気づきや発想が、創造的なアイデアや課題解決に結びつきます。

興味深かった質問 (3つ)

本書は多くの事例を扱っています。各事例には、著者が実際に使った質問が紹介されています。ここからは、印象的だった質問をご紹介します。

興味深かった質問
・どうすれば、お客様にもっと喜んでもらえますか?
・終わった時、どうなっていたら最高?
・商品を買うと、どんないいことがありますか?

以下、それぞれについてご説明します。

[質問 1] どうすれば、お客様にもっと喜んでもらえますか?

著者がある地方の八百屋店の親子にした質問です。

近所に大型ショッピングセンターができ、売上が以前の3分の1に減った状況で投げかけた質問でした。

「どうすれば、お客様にもっと喜んでもらえますか?」

著者は、八百屋の家族に次のように伝えました。この質問に家族みんなで真剣に向き合い、何度も問いかけ、答え続けてほしい、そして、出たアイデアを確実に実行してほしい。

質問で八百屋は変わりました。

お父さんは、単に野菜や果物を売るだけではなく、お客に野菜の良さを伝え、食べ方を提案しました。お母さんはお客との会話から、お客のことを深く理解するように心がけました。娘さんは旬の野菜の食べ方、野菜が嫌いな子どもでも美味しく食べられるメニューを考えるなど、野菜の魅力だけではなく利用シーンも提案しました。

半年後、お客がショッピングセンターから戻っただけではなく、熱心なファンが増え以前よりも売上が増えたとのことでした。

「どうすればお客に喜んでもらえるか」という質問は、自分はお客に何かできることはないか、相手に喜んでもらえるために何ができるかを考えさせてくれるきっかけになります。

自分が得をするかどうかは置いておき、相手がうれしいと思うことは何か、自分が何をすれば相手が喜んでくれるだろうかを考えることができます。まず相手に幸せになってもらい、その結果、自分も幸せになれるという考え方がベースにあります。

[質問 2] 終わった時、どうなっていたら最高?

何かを始めるとき、何かに取り組むときにゴールをイメージできる質問です。本書から具体例な使うシーンは以下です。

ゴールイメージへの質問
起床時:今晩眠りにつく前に、どうなっていたら最高?
商談前:商談終了後にどうなっていたら最高?
人生計画:1年後 (または5年後) に自分はどうなっていたら最高?

質問の最後に「最高」とあるので、理想のゴールを思い描くことができます。コツは、ゴールをほどほどのものではなく、「突き抜けたベスト」をイメージするとよいそうです。

最高のゴールを設定し、「どうすればそうなるか」を逆算すると、今やるべきことが具体的に見えてきます。

[質問 3] 商品を買うと、どんないいことがありますか?

興味深かった3つ目の質問です。

自分たちが売っている商品の価値を、お客さんに聞く質問です。あるいは、自分たちに問いかけ、扱っている商品の「お客にとっての価値は何か」をあらためて考える質問です。

ポイントだと思うのは「どんないいこと」と表現していることです。「なぜこの商品を買いましたか」や「商品をどう使いますか」とストレートに聞くのではなく、「どんないいことがあるか」と質問していることです。

この質問は、商品を買う理由、実際に使った時にどんなベネフィットがあるかを聞くことができます。お客さんの課題や困っていることを、どう解決したかを知ることができます。

良い質問で影響力を発揮する

本書で強調されているのは、「良い質問は相手のためになる」です。これは、この本からの私の学びでもあります。

前提にあるのは、答えは聞く相手の中にある、気づいたり意識できていないだけですでに相手は持っています。良い質問で気づきが得られれば、課題解決につながります。

相手に質問をする場合も、自分自身に問う場合も同じです。自分の頭にはあるが、まだ意識できていないこと・整理されていないこと・言葉にできていないことを、良い質問が形にしてくれます。

良い質問を相手にすることは、次のように言うことができます。良い質問とは、影響力を発揮することです。

自分の意見や考えを相手に直接に伝えるのではなく、質問によって相手から引き出し、その結果、自分のまわりに良い影響を与えリーダーシップを発揮することです。


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