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差別化の三分解から考えるキャリア形成の方法

今回は差別化とキャリアです。

この記事でわかること

・差別化の三分解
・スポーツの例で解説
・ビジネスキャリアへの応用
・戦場と戦力に目を向けよう

この記事で書いているのは2つのテーマの掛け合わせです。差別化とキャリアです。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアに何か参考になればうれしいです。

差別化の三分解

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ビジネスで大事なのは他者 (他社) との差別化です。競合他社にはできないことが自分たちにはどれだけできるかです。

顧客にとって他にはない独自の価値があるほど、自分たちが顧客から選ばれる可能性は高くなります

では具体的にどうやって差別化をしていけばいいのでしょうか?

差別化と言っても色々です。このようにまだ粒度が大きいと感じる時は分解をしてみましょう。戦略の観点から差別化を分解すると、次の3つです。

差別化の三要素
・戦場
・戦力
・戦法

それぞれを補足すると次のようになります。

差別化の三分解
戦場: 活動する領域
戦力: 持っているリソース (人, モノ, お金, 情報)
戦法: 戦い方, やることの方針と具体的な中身

スポーツへの当てはめ

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3つの差別化要素への理解をより深めるために、スポーツを例に当てはめてみましょう。

[分解 1] 戦場の例

戦場はまずはスポーツの種目です。具体的には球技、陸上競技、水泳、格闘技、将棋や囲碁、e スポーツです。

チームスポーツの場合はポジションも戦場です。サッカーなら FW, MF, DF, GK です。

戦場は他には試合会場といった場所の意味合いもあります。ホームかアウェーゲームかによって戦い易さは変わってきますよね。このようにどのスポーツ種目で、ポジションは何で、どこで自分は活動するかの選択が勝敗に影響します。

[分解 2] 戦力の例

次に戦力です。

戦力とはリソースです。スポーツに当てはめれば必要な資質です。運動能力、精神力、頭脳、コミュニケーション力、リーダーシップ、協調力などです。

スポーツ道具や設備、情報 (ルールに精通している, 見方や対戦相手の情報) 、使える予算も戦力です。他にはコーチ、スタッフ、応援してくれるファンやサポーターです。練習に使える時間も戦力に含めていいでしょう。

[分解 3] 戦法の例

戦法とはそのスポーツ種目で勝つためにやること・やらないことです。

具体的にはチームの特性に応じた戦い方、シーズンを通してのチームプランです。試合ごとの作戦、試合中の場面や局面ごとのかけひきもです。

あとは練習方針、練習メニューも戦法に含めることができます。

*  *  *

ビジネスキャリアへの応用

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ここまでスポーツを例に差別化の三分解を見てきました。

三分解の考え方はキャリアにも当てはまります。戦場は働く環境、戦力は持っている独自資源、戦法は仕事のやり方です

戦場: 働く環境
・業界, 業種, 参入市場
・会社, 部門, 所属チーム
・オフィスやリモートでの自宅環境
・職種
・人間関係
戦力: 持っている独自資源
・専門スキル, 知見, 経験
・人脈
・仕事に使える時間
・体力, 精神的なエネルギー (集中力やモチベーション) , 仕事への姿勢・向き合い方
戦法: 仕事のやり方
・コミュニケーション方法 (メッセージやメール, 会議やプレゼン 調整や事前の根回し) 
・成果物の作成方法
・問題設定と問題解決の全般

目が向きがちなのは戦法だが…

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ここまで、差別化の3つの分解である 「戦場」 「戦力」 「戦法」 をキャリアに当てはめてみました。

意識が向くのは3つ目の戦法です。というのは、戦法は自分がやることなので、わかっていないと取り組むことができません。目の前の 「やること」 として具体的に想像しやすいです。

一方の戦場や戦力は 「自分がいる環境」 と 「持っているもの」 で、当たり前のようにそこにある存在です。この感覚が暗黙の前提として、自覚をしなくても自然と受け入れてしまう状態をつくっています。その結果、意識することを忘れさせてしまうのです。

戦場と戦力に目を向けよう

もちろん How である戦法は勝つためには重要です。しかし忘れてはいけないのは戦法の背景には、持っている 「戦力」 とどこで戦うかの 「戦場」 があります

毎日の頻度で戦場 (働く環境) や戦力 (独自資源) を考え直したり、立ち戻る必要は必ずしもありません。しかし節目では自分の戦場と戦力の現状は見返すといいです。

今の戦場では自分の強みを発揮できているか、変える必要はないかです。

戦力は、自分の専門スキルが仕事での価値提供につながっているかです。新しいスキルを獲得向上させ、最近は使っていないスキルを錆びつかせないために使う機会を持つ意識も大事です。

戦場と戦力はどう戦うかという戦法の前提です。前提ということは、戦場と戦力の2つを押さえてからでないと、適切な戦い方 (戦法) はつくられないということです

キャリアを考える時には、ぜひ自分の戦場と戦力から意識してみるといいです。

まとめ

今回は差別化とキャリアについてでした。

最後にまとめです。

差別化の三分解
戦場: 活動する領域
戦力: 持っているリソース (人, モノ, お金, 情報)
戦法: 戦い方, やることの方針と具体的な中身
ビジネスキャリアへの応用
戦場: 働く環境 (業界, 会社, 所属チーム, 職種, 人間関係) 
戦力: 持っている独自資源 (専門スキル・知見, 人脈, 時間, 肉体的・精神的エネルギー, 仕事への姿勢)
戦法: 仕事のやり方 (コミュニケーション, 成果物の作成方法, 問題設定と解決)
戦場と戦力に目を向けよう
・どう戦うかという戦法の前提に戦場と戦力がある
・戦場と戦力の2つを押さえてからでないと、適切な戦い方 (戦法) はつくられない
・キャリアを考える時は自分の戦場と戦力から意識しよう

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