ソーシャルメディア上でCOVID-19についてのウソの情報を出している医者はどんな奴らなのか 米国医師会雑誌の論文から


という興味深い(?)論文が出ていたのでメモしておく。

Original Investigation

Public Health

August 15, 2023

Communication of COVID-19 Misinformation on Social Media by Physicians in the US

Sahana Sule, BS1; Marisa C. DaCosta, BS1; Erin DeCou, MPA1; et alCharlotte Gilson1; Kate Wallace, MPH1; Sarah L. Goff, MD, PhD1

Author Affiliations Article Information

JAMA Netw Open. 2023;6(8):e2328928. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.28928

要旨
重要性 2023年1月18日の時点で確認されているCOVID-19関連の死亡者数100,000人以上のうち約3分の1は、公衆衛生上の勧告に従っていれば予防可能であったと考えられる。医師がソーシャルメディアやその他のインターネット上のプラットフォームでCOVID-19に関する誤った情報を広めたことにより、専門的、公衆衛生的、倫理的な懸念が生じている。

目的 (1)ワクチンが利用可能になった後に米国の医師が広めたCOVID-19誤報の種類、(2)利用されたオンラインプラットフォーム、(3)誤報を広めた医師の特徴を明らかにすること。

デザイン、設定、参加者 誤情報を定義するために、調査期間中のCOVID-19感染の予防と治療に関する米国疾病対策予防センターのガイドラインを用い、2021年1月から2022年12月の間に米国在住の医師によって伝えられたCOVID-19の誤情報を特定するために、使用頻度の高いソーシャルメディアプラットフォーム(Twitter、Facebook、Instagram、Parler、YouTube)およびニュースソース(The New York Times、National Public Radio)の構造化検索を行った。医師の免許取得州と専門医が特定された。4つの主要プラットフォームにおける各医師のフォロワー数を抽出してリーチを推定し、メッセージの質的内容分析を行った。

主な結果および測定結果 測定結果には、伝播されたCOVID-19誤報のカテゴリー、誤報伝播に関与した医師の数と特徴、誤報伝播に使用されたオンラインメディアチャンネルの種類と潜在的リーチが含まれた。

結果 COVID-19の誤報を広めたのは、国内の全地域にまたがる28の異なる専門分野の52人の医師であった。一般的な誤情報のカテゴリーには、ワクチン、投薬、マスク、その他(すなわち陰謀論)が含まれた。42人(80.8%)の医師がワクチンの誤情報を投稿し、40人(76.9%)が1つ以上のカテゴリーで情報を広め、20人(38.5%)が5つ以上のプラットフォームに誤情報を投稿した。特定された主なテーマは、(1)ワクチンの安全性と有効性に異議を唱えるもの、(2)科学的根拠や米国食品医薬品局の承認がない医療行為を宣伝するもの、(3)マスク着用の有効性に異議を唱えるもの、(4)その他(根拠のない主張、例えばウイルス由来、政府の嘘、その他の陰謀論)であった。

結論と関連性 COVID-19の誤った情報をソーシャルメディア上で広めた米国人医師に関するこの混合法の研究では、さまざまな下位専門分野を代表する全米の医師によって、広範で不正確な、潜在的に有害な主張がなされたことが示唆された。医師による誤った情報の伝播に関連する潜在的な害の程度、これらの行動の動機、誤った情報の伝播に対する説明責任を改善するための潜在的な法的および専門的手段を評価するために、さらなる研究が必要である。

➡感想:52人か。日本にもそういう有名医師が何人もいるが、日本には何人いるのだろう。調べた人いるのかな?

ちなみにその嘘つきDrたちは、キャリフォルニアにたくさんいるようだ。あとはテキサスとニューヨーク州に多い。ニューイングランドは少ない(というかZERO?)


専門性で見ると、圧倒的にプライマリケアが多い。次は精神科医、産婦人科医と眼科医が続く。

米国では、上記のプライマリケア医はけた違いに人数が多いので、割合で見ると、産婦人科とか眼科医が一番割合が高そうである。

https://www.abms.org/abms-board-certification-report/


医者の数はニューイングランド方面が多いようなので、(ニューヨークよりも)キャリフォルニアやテキサスの方がやばい医者の割合は高そうである。


Twitterとフェイスブックで影響力が大きそう。

日本でも、SNSやマスコミでとんでもないこと言っている医者が何人かおり(SNSはしょうがないが、あーゆー医者を取り上げるマスコミもどうかしていると思うが)、こういうやつらは免許取り上げろよ(取り上げているマスコミの放送免許も取り上げろよ)と思っている医者は多いのではないかと思うが、それは実現していない。米国でも以下の通り難しいようだ。

”National physicians’ organizations, such as the American Medical Association, have called for disciplinary action for physicians propagating COVID-19 misinformation,32 but stopping physicians from propagating COVID-19 misinformation outside of the patient encounter may be challenging.33 Although professional speech may be regulated by courts34 and the FDA has been called on to address medical misinformation,16 few physicians appear to have faced disciplinary action. Factors such as licensing boards’ lack of resources available to dedicate toward monitoring the internet35 and state government officials’ challenges to medical boards’ authority to discipline physicians propagating misinformation36 may limit action.
米国医師会などの全国的な医師団体は、COVID-19の誤情報を広めた医師に対する懲戒処分を求めているが32、医師が患者との面会以外でCOVID-19の誤情報を広めるのを止めるのは難しいかもしれない。免許委員会がインターネットを監視するためのリソースを確保できないこと35や、誤った情報を広めた医師を懲戒する権限を医師会が持つことに対して州政府当局が異議を唱えること36などが、行動を制限しているのかもしれない。”


ここまで

余談だが、専門医ごとの人数を調べていて見つけたABMSの資料、州ごとの毎年の専門医の人数などあり、日本の都道府県ごとの専攻医の人数の資料に似ているなと思った。

https://www.abms.org/wp-content/uploads/2023/04/ABMS-Board-Certification-Report-2021-2022.pdf

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