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日本の常識は世界の非常識 その1

日本を出て世界に出てみると色々な気づきがある。
自分の場合、2008年にバルセロナに渡った時が本格的に世界を知ったタイミングになるが、ポジティブ/ネガティブ含めた色々な事象を経験して、「日本の常識は世界の非常識(その逆も然り)」ということを気づかせてもらった。

先に綴っておくが、この気づきは「日本は島国なので狭い価値観になりがちだから海外に出た方がいいよ」というだけには留まらない話である。

さて、いくつかスペインで体験した象徴的なエピソードを紹介しようと思う。
たぶん、日本では当たり前の常識が海外では違うことを表している。

①車が通らない赤信号で待っていたら不思議がられる
これは、バルセロナに到着して3日後くらいにした経験。
語学学校に通学する時に、同じホームステイ先のブラジル人の学生と歩いていて
”赤信号だが車が通らない道”
という状況に遭遇した時だ。
普通の感覚で青になるのを待っていた自分と、さっさと渡ろうとするブラジル人。
そこで言われたのが
「なんで待ってるの?車が来てないから渡ろうよ。」
確かにそうだ。無意識に”赤信号=待たなきゃいけない”という擦り込みがあったことにその時に気づいた。些細な出来事だけど、この時から自分の中の当たり前の価値観を剥がしていくことが始まった。

②スーパーでお釣りをくれない
僕には毎日のように通っていたスーパーがあった。
場所は当時住んでいた家から徒歩3分で、レジの兄ちゃんとも会話はしないにしろお互い顔見知りにはなっていたような関係だった(たぶん向こうは僕のことを中国人だと思っていたに違いない)。
ある日、会計をしてお釣りをもらうタイミングでレジの中の小銭がないことがあった。
普通は、レジ担当者が小銭を用意しに裏方の事務所に取りに行くところだが、その時はなんと「今は小銭がないから明日渡すよ」と普通の感じで言われたのである。
「え、お釣りを明日くれるってどういうこと??」と驚いたが、足りないお釣りは十円くらいの少量だったから「まぁいいや」ということでその日はスーパーをあとにした。
もちろん、その残りのお釣りは返されることもなく終わったw
このやり取りはスペイン人の客には通用しないだろう。
たぶん自分がアジア人だったら適用された個人プレーであることは間違いない。
ちなみに、スーパー関連の非常識は他にもある。
パートのレジ打ちが、自分のレジの列が大行列でもシフト終了の時間が来ると「ここはお終い!あっち行ってね。」と平気で言ってくる。
並んでいた人たちは「マジかよ!」となるが、それもお互い承知の上なので運が悪かった程度に解釈している。

③待ち合わせ時間に人が来ない
これもスペインあるある。
夕食やバルに飲みに行く時に「●時に〇〇で待ち合わせね〜」と約束した場合、ほぼほぼの確率で遅れて登場する。
しかも悪気は一切なし。
日本人なら時間にしっかりとその場所に現れるのが当たり前なので、初めはカルチャーショックだった。
「相手の時間を奪っている感覚は彼らにはないのか?」と思っていたが、時間と共に自分もそうなっていったので気にしなくなった。
因みにではあるが、仕事でのアポには時間きっちりに現れるスペイン人。
こういうところのオンとオフの切り替えができるのも彼らの強みの一つだ。

④スリに遭ったら本人が悪い
これは、渡航して半年後に日本に一時帰国してからスペインへ戻った時のこと。バルセロナの空港から自宅に帰る途中で事件は起きた。時間が夜の11時ということもあったのだろう。
空港からサンツ駅というバルセロナの地下鉄が集まっている駅でメトロに乗り換えをする最中にスリに遭ってしまった。
手法はよくあるやり方で見事にプロ集団の罠にかかってしまった。スリに遭ったショックでその日は本当に凹んだ。
そして、次の日に周りのスペイン人にそのことを話したところ、ほとんどの人たちが会話の最後に次のフレーズを僕に送った。
”ここはバルセロナだからな。気をつけろよ”と。
これを聞いた時は正直なところ「冷たい反応だな」と思った。
取られた方が悪いのかよ!と。
日本なら心から同情してくれて被害者の側に立ってくれる人が多いだろう。
しかしながら、このカルチャーショックも日本の常識と世界の常識の差を感じるとても良い機会になっていたんだなと今振り返ると思えることだ。
自分は日本にいるのではなく、ヨーロッパの中でもスリが多いスペインのバルセロナに生活し、日本とは異なる文化の中で生活している。
良いことも悪いことも自己責任の国で生活しているということを身をもって理解することができた経験だ。

これらは氷山の一角に過ぎないが、日本で作られた自分の中にある「常識」というものが覆されたエピソードである。
ここから常識と非常識というものとの考察が色々と変化していきます。

続きは、また気が向いた時に書きます!


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