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発達検査の勧め

公立の小・中学校では、困り感のある子(あるいは周囲が困っている子)に支援を届けようとしたときに、
まず検査を勧めるという流れがある程度できつつある。

まず発達の偏りが感じられて、それが本人ないし周囲の困り感に結びついていそうなときに多くの場所で勧めるのはWISCという知能検査。
別に、発達障害かどうか知るための検査ではない。
でも、たとえば脳の情報処理が凸凹していることなどはわりと結果に表れる。

WISCは自治体によって、公費で受けるのに順番待ちがすごく長くなることがある。
病院にもこの検査はあって保険がきくが、基本的に「治療の必要あり」という何かしらの診断がないと検査できない。
民間の検査所などでもとれるが、わりと高額。

それから、読み書きに苦手がありそう、漢字が書けないとか板書をうつすのが遅いとかの場合は、最近ではStraw-Rという検査を勧める。
こっちは、できる先生がいた場合は校内でとれたりもする。

いずれにしても、検査で客観的な数字を出さないと、ほぼなんにもできないに等しい。
読み書きが苦手で合理的配慮をしてあげたい、そうじゃないと授業もつらいしテストで点がとれないし今から準備しないと受験も厳しいんでは?という場合など、もう一刻も早く検査してあげて!! と思う子はわりとたくさんいる。
読み書き障害の出現率は8%と言われていてクラスに3人くらいはいる計算になる。しかし恐ろしいことに本人はもちろん、周囲の大人が誰一人気づかぬままということがあまりにも多い。
単に勉強ができないとか、ひどい時には怠けていると見なされている。本人も自己肯定感がだだ下がる。

しかし、それくらい重要な「検査をとる」という行為について、先生たちの勧め方がうまい感じの時と、全然ダメな時があって、非常にもどかしい。
そして、残念なことに、先生たちがそれなりに上手に勧めても、保護者が頑として拒否することもある。。。

やはり何かしらのレッテルにつながることを恐れている、のだと思うけど。
でもさあ、それを強く思うのってその保護者自体が心の中でさ・・・ごにょごにょ。

もちろん先生も、よく勉強していないと、ということはそれを深く考えたり想像しようとしたことがないってことだけど、すごい雑な勧め方だったり、腫れ物扱うみたいにおどおどしちゃうから、保護者が不安のあまり逆上することもある。
得意不得意はみんなあるから、それ自体はずかしいことじゃないって、口では言ってるのにね。

まあ学校ではいちいちセンシティブになってしまうので、別に困ってるとか支援目的じゃなくても、子どもをよく知るためのアセスメントは受けれるものなら受けさせてあげる、というムーブメント起こせたらいいな、って思ってます。
勉強の効率を上げるのにも、ものすごーく役立てられますよ。

ただし矛盾するようだけど、大人の皆さんには注意。
どんな検査にも侵襲性があって、これは特に子どもの負担が大きい検査です。必要性があって初めて受けるべきもの。
少なくとも、本人の利益のために大人が活用することを前提にしなければいけない。

そして出た数字は傾向であって必ずしも本人を完全に表しているわけではない、ということも忘れてはいけないお約束です。当たり前だけど、数字は何かと一人歩きする。

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