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ズレてる方がいい。


「おまえはズレとるんやて!」


社会人になって間もないころ、当時の上司によく言われた言葉だ。

"ズレている"はもちろん褒め言葉ではない。今思えば、私のズレを的確に且つ執拗に伝えてくれたのは良かったのかもしれない(笑。

私自身は「あまのじゃく」な性格だ。当たり前を疑ったり、違う視点をもつことで新しいアイデアが生まれると思っている。あえてズラしていると物事は面白くなるんじゃないかな。


世間とズレちゃうのはしょうがない


今回も自身が気になった文中の言葉(網掛け文字)を基に感想を書きます。以下本の紹介文。

世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、世間からはみ出している養老孟司が、世間との付き合い方、抜け出し方を語る。


笑いは何かしらのズレで起きるものといっても過言ではない。

芸人である伊集院光さんと「バカの壁」でも有名な養老さんの会話は、縁側で行われているような安心感がある。相手に対する信頼があるからこそ、会話からズレの本質が見えてくる。

世間とズレていることに対して「僕、ズレていると思います」と言うことで、そのズレがある程度修正されることがある。(伊集院さん)

「ズレ」を周囲に伝えることで、それが修正されるという視点は面白い。ズレがそのひとの特性となれば、愛らしくなるのではないか。少なくとも「ズレている!」と相手に指摘されるよりも自身から発信した方が世間との折り合いもつけやすくなるのだろう。


別の世間があるなら、もともといた世間に戻る必要はないし、戻ったときにはまた違う景色に見えると思うんですよ。(伊集院さん)
「痛ければ外れろ」このままでは耐えられないくらいの痛さだったら、一度外れた方がいいのかも。(伊集院さん)

自身の「ズレ」を認識した上での条件付きだが、その居場所が痛いのであればきちんと逃げた方が良い。逃げ場が自身の居場所になるわけで、その選択肢はとても重要だと思う。


心は疲れさせない


心が疲れちゃうと寝れなくなる、寝れなくなるのだけは避けたい。身体を疲れさせる運動の習慣をつけることで、心と身体をバランスよく疲れさせる。

田舎で田んぼや畑を耕して作物を育てていたら、いじめたり落ち込んだりする、そんな暇ないんですよ。疲れちゃうから。(養老さん)


不登校になって落語の道を選び、今はラジオの帝王(笑)とも言われ多彩に活躍する伊集院さん。別の選択肢を見つけ、そこに居場所を作ったからこそテレビでも視野の広いコメントができるのだろう。

結局行き着くところは、「やっていて楽しい」ということ、「食える」ということ、この二つだと思うんですよ。(伊集院さん)


なんでも多様性に繋がる


世間といろんなズレ方をしている人がいることも、多様性につながると思うんですよ。多様性を許さない社会だと、遊びがなくて、逃げ場がないですよね。人間個人個人も、世間とぴったりくっついていると逃げ場がない。ズレているくらいがちょうどいいんじゃないか。(伊集院さん)

「ズレてる方がいい」はエレファントカシマシの歌から。コンサートでこの曲を聴くといつも励まれる。自身のズレが世間に受け入れられたとき、未来屋や可能性は広がっていくのだと思う。



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