「いってらっしゃい」が無くなった日
朝、ひとりだけで!
過ごす時間が!!
とうとう出来る!!!
3月終わり頃まではそんな風にワクワクしかなかったですが。
いざ、その日になってみると意外や意外。
誰も居ない家で食べる朝食の、なんと寂しいことか。
いつもいつも、誰かに声をかけながらご飯を食べ、片付けをし、準備をしていた12年。
妙にテレビの声がうるさく感じるほど静かな我が家は、どこか違う世界にひとりだけ放り込まれたような感覚に陥りました。
誰かの準備がちゃんと済んでいるか確認しながら、朝の身支度を整えたり。
他愛もないことをあれこれ話しながら家を出たり。
遅刻するんじゃないかと冷や冷やしながら自転車を飛ばすこともなくなりました。
保育園に着いたらいつも笑顔の先生たちがお出迎えをしてくれ、娘に「挨拶しようね」とコッソリ耳打ちしたり。
園内で色んな保護者の方たちと挨拶を交わしたり。
玄関先で先生たちと娘から「いってらっしゃい」と言われたりすることもなくなりました。
ひとり静かに家を出て、誰とも会話せずに出勤することのなんと寂しいことか。
人は慣れるんでしょう。
きっとこの環境にもじき慣れて何とも思わなくなるんでしょう。
だけど今まで味わってきたあの12年間は確かに、私の記憶に優しさと幸せという形でこの先もずっと残るんだろうなと感じています。
こんなことでしょんぼりしていたら、この先もっともっと寂しくなること(子離れ、子巣立ち)が待ち構えているのに耐えられるのか!? おい! どうなんだい自分!?!(ヤーッ!)
今はまだ、玄関で家の中を振り返った時のガランとした光景を見て、自分の傍でわちゃわちゃする我が子が居ない状況を見て、エレベーター前でしょんぼりする毎日。
「いってらっしゃい」という言葉を、とうとう言うだけの側になったなぁ。
子供たちも将来きっとそんな日が訪れるから、それまでは元気よく、機嫌よく(ここが一番大事)「いってらっしゃい」を言い続けよう。
そんなことを胸に誓った4月でした。