はじめに

公証役場、公証人、と言われてすぐに仕事の内容をスラスラいえる人はどのくらいいるでしょうか?
行政書士もその点でいえば同じような感じで仕事内容を皆様に周知されてはいないように思いますが,,,,。
今回は行政書士とも業務上関わることもある、公証役場、公証人の事について書かせていただこうかと思います。

公証役場とは

公証役場とは、公証人が公証業務を行うための施設です。
全国各地の公証役場で公正証書の作成、定款や私署証書(私文書)の認証、事実実験、確定日付の付与などを行います。

公証人とは

公証人は、日本においては公証人法に基づき、法務大臣が任命します。
公証人は国家公務員法上の公務員ではありませんが、国の公務である公証作用を担う実質的な公務員です。
ただし、法務省など政府からの給与や補助金は受けず、公定された手数料を依頼人から受けて収入とします。

公証人が担う公証事務は、国民の権利義務に関係し、私的紛争の予防の実現を目指すものであり、公証人が作成する文書には強制執行が可能である公正証書も含まれます。

そのため、公証人は、単に高度な法的知識と豊富な法律実務経験を有していることが必要であるばかりでなく、職務の性質上、一方当事者に偏ることなく、中立・公正でなければなりません。
この点で、一方当事者からの依頼を受けて、依頼者の代理人等として依頼者の公正な利益のために活動する弁護士や司法書士等とは異なっています。


公証役場と公証人の仕事

公証役場と公証人の仕事は、私たちの日常生活にも密接に関わっています。たとえば、遺言書や離婚協議書、不動産の売買契約書など、重要な契約や意思表示を公正証書にすることで、法的な効力や信頼性を高めることができます。
また、公証人は、証人や被相続人の死亡の証明、遺言書の開封、遺産分割協議の調停など、遺産相続に関する業務も行います。さらに、公証人は、裁判所に提出する証拠の保全や、海外で使用する文書の認証など、国内外の法的な手続きにも必要な業務も行います。

・法律行為その他私権に関する事実についての公正証書の作成(公証人法第1条第1号)
・私署証書の認証(公証人法第1条第2号)
・株式会社・社団法人・財団法人等の定款の認証(公証人法第1条第3号)
・私電磁的記録の認証(公証人法第1条第4号、指定公証人のみ)
・不在者、相続財産等の財産管理人による財産目録の作成への関与(民法第27条)
・遺言証書の作成(民法第969条)
・秘密証書遺言への関与(民法第970条1項、第972条)
・金銭等の請求につき執行受諾文言のある公正証書(執行証書)への執行文の付与(民事執行法第22条第5号、第26条第1項)
・手形・小切手の拒絶証書の作成(拒絶証書令1条、手形法第44条、第60条、第77条、小切手法第39条、商法第609条)
・私文書への確定日付の付与(民法施行法第5条、第6条)
・抵当証券の支払い拒絶証明書の作成(抵当証券法第27条)
・破産財団財産の封印(破産法第155条第1項)

などを、当事者・関係者の嘱託に基づき行います。

行政書士と公証役場、公証人との関係

公証役場と公証人の仕事は、行政書士とも関係が深いです。行政書士は、公証役場と公証人の仕事に関連する業務を多く行っています。

たとえば、遺言書や離婚協議書などの公正証書の作成にあたって、行政書士は、依頼者の意思や状況に応じて、適切な内容や形式の文書を作成し、公証人に提出することができます。

さらに、会社設立時の定款製作を行政書士が行いその定款の認証を公証人に提出することができます。

このように、公証役場と公証人の仕事は、行政書士の業務範囲にも含まれており、行政書士は、公証人と協力して依頼者の利益を守ることができます。

まとめ

公証役場と公証人の仕事は、私たちの日常生活における重要な契約や意思表示、遺産相続や証拠保全などの法的な手続きに欠かせないものです。
公証人は、公正証書の作成や証拠の保全などの公証業務を行う実質的には公務員であり、法務大臣の任命を受けて、一定の地域において業務を行います。

普段はあまりなじみのない公証役場と公証人の事を書かせて頂きましたが、関わる可能性が皆無、という方は少ないのではないでしょうか?
可能性があるという事は最低限知っておいた方がよい、という事でもあります。

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