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2019.06.12 - 青の帰り道

水曜日。晴れ。

曜日を書かないと、何曜日か分からなくなってしまうほど、会社に行っていない。

深夜3時。メールが届いた。先輩からのメールだったが、僕宛てのものではなく、取引先に対するものだった。こうしてこんな時間まで働くことが成り立っているのが、今ではもう「ありえない」と思うようになってしまった。自分の精神にとてもよくない。

メールなので、見なければいいものの、どうしても開いてしまう。この状況に嫌気がさして、精神が暗くなってしまい中々寝付けなくなってしまった。結局4時半頃に眠った。

9時に起床。なんとか仕事のメールを送信して、無事に今日の…仕事と言えるのかんなのかを終了させた。

今日は夕方から映画を観に行く予定を立てていた。仕事には行けないが、映画には出かけることはできそうだったので、そうすることにした。

東京都と地方の対比がとても印象的な予告だったので、観てみたいと思っていた。たまたま主題歌がamazarashiだったことも、観に行くことを決心した一つの判断材料だった。

小さい頃から映画が好きで、最初はアニメの映画を中心に観ていて、毎回感動していたことが懐かしい。映画館に入る前に「僕がこの会場(館内)で一番しっかりこの映画を観てやる!」みたいな気持ちすらも込み上げるくらい熱心に観た映画が、"ロード・オブ・ザ・リング"だったことを思い出した。

大学から関東に出てきたので、地元とは比べものにならないくらい映画館が多い関東ということで、映画を観に行くことも飛躍的に増えた。

そして、社会人になって、特にここ最近の昼も夜もないような働き方をしているタイミングでは、更に映画を観る回数が増えていた。

映画は、僕にとっての逃避だった。自分とは違う人生経験、情緒的な部分も含めて味わうことができる。映画館での120分は、今自分が体感しているリアルで、平凡で、働き詰めの毎日から逃げる、ていの良い現実逃避だった。

強制的に携帯の電源を切れることも良かった。今、日本国民として正しく機能するためには、もはや電波の無い所では住むことができないと思う。それはつまり、人と電波の中で常にコミュニケーションが取りえる状況ということ。事実僕は、メールやSlackの通知が表示される度、その電波の奴隷になっていた。

そんな日本で、唯一ガラパゴス化できるのが、映画館のような気がした。

携帯の電源を切り、映画の上映終了まで、拘束される。少しずつ精神が蝕まれていた僕にとって、その時間は唯一精神を休められる時間だったと、今考えると思う。

「孤独を知るためには、孤独でない時間を知らなくてはいけない。」というような言葉があったはずだが(あったかな?)、今では孤独…というか、1人になれる時間を探すことの方が難しい時代なのかもしれない。もちろん子育てなどと比べてしまうと、というか比べようもないのだが、1人になることがとても難しい。

さて、今回観た映画だけれど「藤井道人」が監督の映画だったため、大変暗い映画だった。そこにamazarashiが主題歌に加わるのだから、センチメンタルを加速させるには十分だった。

内容について、細かい点で感情移入しづらい部分があったものの、総じてとても良い映画だった。こうして、人の人生やその一部分を味わえることに感謝したいと思った。

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