T. Tsugami

現代中国研究家 公益財団法人 日本国際問題研究所 客員研究員 本業、趣味とも中国屋です。

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最近の記事

【謹告】NHKラジオに出演しました

4月1日のNHKラジオ「マイあさ!月曜6時台後半 マイ!Biz」に出演しました。 お題は「中国“ハイテク重商主義”の波紋」です。以下のリンクから聴き逃しをお聴きになれます(今週中)6:43AM頃から始まります。 https://www.nhk.or.jp/radioondemand/share/4_19.html?p=5642_01_3959247 #radiru

    • 日本株は中国人にも大人気w

      今週初め(1月15日)、日経平均が36,000円の大台に乗った。1年前は26,000円台だったんだから、びっくりだ。特に今年に入ってから半月の急速な上げ(2,000円、6%以上)は、投機の匂いさえ漂った。 ちょうどこの日、私は日本に遊びがてら研修(中国では「遊学」というw)に来ている中国人企業経営者何人かとご飯を食べた。日本株が爆上げしてる話になったので、「中国人が買ってる」って噂もあるんだよね」と言ったら、「個別銘柄は分からないから、ETFしか買わないけどね」と真顔で返さ

      • 金融に対する中国共産党の統制強化

        中国人民銀行や金融監督部門は、党の統制強化によって、みるみる影響力を失っているというFTの記事(China sidelines its once venerated central bank)。 けど、これを読んでも「何故?」なのか分からない。腐敗問題?、(西洋かぶれの)改革志向が嫌われた? 私の(嫌な予感を伴う)仮説はこうだ。 中国経済はいま不動産不況や地方財政危機などのお荷物をどうやって始末するか?という大変な難題を抱えている。 ところが習近平政権(のみならず体制全

        • 【謹告】「疲弊した中国を救う『禁じ手』は?」

          少し前になりますが、金融ファクシミリ新聞のインタビューを受けました。いまの中国経済の問題点に関する私の見方を要領よくまとめてくれているので、ご笑覧いただければ幸いです(無料で読めます)。 「疲弊した中国を救う禁じ手は」

        【謹告】NHKラジオに出演しました

          マスコミは政治プレーヤーたるべきか

          「また始まった」最近の朝日新聞の政治面を見ていて、そう感じる。時の政権が支持率を落として揺らぎ始めると、「筆圧がかかってペンがしなる」感じ。「(支持率)危険水域」の見出しを早く打ちたい・・・紙面を作る人たちのアドレナリンが分泌されている様が目に見える気がする。 私は以前から、そんな紙面に違和感を覚えてきた。いまの岸田政権のグダグダぶりを見ていると、こき下ろされても仕方ない。けれども、政権批判のペンがしなって、アドレナリンが出るのは、自分たちマスコミ人が「政局の一翼を担うプレ

          マスコミは政治プレーヤーたるべきか

          米中の制裁合戦は世界の半導体産業の発展を根底から阻害しないか

          【謹告】Nippon,comのウェブサイトに寄稿しました。 続きを読む

          米中の制裁合戦は世界の半導体産業の発展を根底から阻害しないか

          日中の「処理水対立」に関する朝日記事に賛同する

          23日付け朝日デジタルに「日中、勝者なき「外交戦」 処理水対立の先に、日本に求められること」という北京駐在斎藤徳彦記者のコラムが載っている。 この問題について僕が感じていることを二つ挙げると; 1.中国の強い反発には「官製」成分以上に「草の根」成分が多く含まれている印象がある。 事態を科学的に理解しているエリート層の間でも、予定していた訪日を取りやめる動きがかなりある。「こんなムードの中で日本に行けば、感情的になっている周囲や世間から後ろ指を指される」のを嫌がってのこと

          日中の「処理水対立」に関する朝日記事に賛同する

          【謹告】「中国の対米政策」と題する論考を発表しました

          防衛次官をされた秋山昌廣さんが主宰する安全保障・外交政策研究会(SSDP)において、「『覇権国』米国はどこへ行くのか」という共通課題のもとで行われた8月の集中研究会に提出した論考です(SSDPウェブサイトに掲載していただきました)。 中国政治に潜むもう一人のアクターとしての「民意」とか、過去数年に起きた中国人の対米観の激変、米国の制裁に対抗する中国の経済安保政策などを論じました。ご関心のある方、請うご笑覧。

          【謹告】「中国の対米政策」と題する論考を発表しました

          【謹告】nippon.comに投稿しました - 中国経済は「日本化」しているのか?

          https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00931/

          【謹告】nippon.comに投稿しました - 中国経済は「日本化」しているのか?

          【謹告】日刊工業新聞「講壇」欄への定期投稿です(8月28日付け)

          【謹告】日刊工業新聞「講壇」欄への定期投稿です(8月28日付け)

          中国の「対日感情」について

          内定していた公明党山口代表の訪中がドタキャンされたという。 たしかに深刻な事態だ。朝日の記事は国交回復前から続く公明党と中国の関係に触れているが、もっと参照すべきは、2012年9月「尖閣国有化」後の騒擾の記憶も覚めやらぬ2013年1月に山口代表が訪中して党総書記に就任したばかりの習近平主席と会見したことだ。 あの時に会えたのに今回は会えないとは、中国国内の情勢は、尖閣後のあの時よりもさらに険しいということなのか。 一つの違いは、あのときは既に事件から4ヶ月経って中国国民

          中国の「対日感情」について

          日経新聞「経済教室」に寄稿しました

          日経新聞「経済教室」に寄稿しました。同欄に寄稿するのは2019年に続いて2回目です。 改めて4年前に書いた経済教室を読み返してみると、「バランスシート不況の始まり」みたいなことにも触れています。「限界資本係数が~」とか、今回まったく同じことを書いているのです。「ブレてない」と胸を張りたいが、「バカの一つ覚え」と言われるかもしれませんなw。 「中国はやがて不採算投資を膨大な量積み重ねたツケを払うことになる」ということは、10年前「中国台頭の終焉」(日経プレミア)を書いたとき

          日経新聞「経済教室」に寄稿しました

          自由貿易時代の終焉ー通信・チップの次はいよいよクルマ

          読んで「先を越された」と感じた。7月13日付けのフィナンシャルタイムスへの寄稿、著者はクリス・ミラー氏。そう、あの話題書「チップ・ウォー」の著者だ。 ”As Chinese cars speed into global markets, tensions will only escalate" この記事の要点は4つ。 (1)中国製EVの輸出が急伸している これは私も最近の統計で確認した。いまや年間500万台以上、1000億ドルのペースだ。これからもっと増えるだろう。内訳は

          自由貿易時代の終焉ー通信・チップの次はいよいよクルマ

          【謹告】26日朝のNHKラジオで話した中身です

          【聴き逃し】マイあさ! 月曜6時台後半 経済のイマ:失速する中国経済 今後は 月曜日放送分を聴く 6月26日(月)午前6:40放送 「失速する中国経済」と題していますが、早とちりするヒトが居ると困るから予め断っておくと、「崩壊論」じゃありませんからねw。 https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=5642_01_3870630 #radiru

          【謹告】26日朝のNHKラジオで話した中身です

          沖縄慰霊の日に

          今日は沖縄慰霊の日だ。沖縄というと以前読んだ佐野眞一「沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史」を思い起こす。中でも、革新系知事だった大田昌秀にインタビューしたくだり。 大田は沖縄戦で「鉄血勤皇隊」の一員として、筆舌に尽くせない体験をして生き延びた経歴だそうだ。その大田が米軍施政下の沖縄でガリオア資金によって設けられた留学制度(沖縄ではこの経験者を「米留組」と呼ぶそうだ)でシラキューズ大学の大学院に留学したことをきっかけに、アメリカという国と国民に強い感銘を受け、同時に強い学問

          沖縄慰霊の日に

          丸川知雄教授にまたディスられた話

          数日前、フェースブックのタイムラインに突然、丸川知雄東大教授の投稿が出てきた。新聞の中国論調、及び寄稿を依頼してきた新聞協会の忖度姿勢を批判する内容だ(新聞協会寄稿の全文はここにアップロードされている)。 新聞の中国論調に対する批判については、私も共感する点があったが、投稿に載せられた寄稿の画像を斜め読みしていたら、私の名前が出てきた。 教授の判定では、私は嫌中日本人に「溜飲を下げさせる」類いの論者らしい。これをみて、「またか」とウンザリした。 丸川教授からディスられる

          丸川知雄教授にまたディスられた話