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写真を撮る理由@月に吠えよ、萩原朔太郎展

詩人萩原朔太郎展を見に世田谷文学館へ行ってきました。

四角い部屋を巡っていく通常の展覧会場と異なり、

(…)一冊の「本」を読み進めるように(…)

ごあいさつ より

展示を辿る設計になっていた本展の会場。

公式サイトより(会場イメージ 会場設計:DO.DO.)
実際の会場も蛇腹のようでした!

指ではなく自らの足でページを捲るように会場を進んでいきます。さまざまな朔太郎を体全体で感じられるワクワクする展示でした。

猫町に誘われるような雰囲気の会場入口

朔太郎の詩は読んでいても、朔太郎自身について無知だった私の今回の一番の驚きは、朔太郎が写真を撮る人であったということです。

朔太郎と「写真」というコーナーで、朔太郎の言葉が紹介されていました。

(…)僕はその器械の光学的な作用をかりて、自然の風物の中に反映されてる、自分の心の郷愁が写したいのだ。(…)

「僕の写真機」より

写真を撮る理由が明確に言語化されていること
何を写したいのかがはっきりしていること

この2点にびっくりしてしまいました。(あ、もしかして写真家の方にとっては当たり前のことなのか…!!!)

自分が写真を撮る時はどんな感じだろう…と振り返ってみると、その被写体に自分が何かを感じたということ、そしてその感じた何かを残したくて、記録するように撮ることが大半のように思います。

最近写真展に行くことも増え、写真に興味が湧いてきています。せっかくなので今度、何を写したいのか考えて写真を撮る、ということに挑戦してみたいです。

(…)朔太郎は、カメラやレンズが生み出す視覚的世界から、さまざまなインスピレーションを受けていた。

「萩原朔太郎大全」より

そして朔太郎の詩を読むときは、朔太郎がインスピレーションを受けた視覚的世界を想像してみたいと思います。今までとは違った読み方ができそうです。

公式サイトより 朔太郎肖像(昭和15年)

以上です。



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