リラ

色々考えて、つまづいて、うまくいかない人。

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男ウケに負けた日

『面白い格好』が好きだった。 ブラウスにデニム、ニットのベストは割と今年流行っていたけれど、私はそこに学生っぽいエンブレムのブローチがなきゃ嫌だったし、真っ黒のワンピースは背中からたっぷりとプリーツが入っていて、ドタバタ動き回っても、ちょっとはバレリーナみたいに見えそうと思って気に入っていた。 面白いと思えば、例えばイトーヨーカドーで売ってる服だってワードローブの一軍に入れたし、ボーイッシュもコンサバも、可愛い格好もするけれど、どこかが自分らしくて面白くないと嫌だった。

    • サウナの魔法は知らずにかかる

      サウナの熱波に焼かれてイライラを蒸発させる。 知り合いが「サウナに行ってととのうと素直になれる」って言うから、インターネットで勉強してはるばる来たのだけど、全然良さがわかんない。 あつい。あつい! 唇が焼けるようにヒリヒリするのが気になって、 隣の女が脚を広げて座るのが気になって、 誰かの汗にまみれた肌を鳴らす水っぽい音が気になって、 わたし向いてない事してるのかなって、虚しくなる。 水風呂は、足までしか浸かれなかった。 あんなの人間が入る温度じゃない。 外気浴が大事

      • 時々素敵な文章を書く人をnoteで見つけると、古い友人を見つけた時のような気持ちになってドキドキする。 気になる書き出し、句読点のリズム感、刺さるタイトルを見かけて読み進めた時に、私の感性が泡立つような感覚になって、ヤッター!って感じ。 まるで宝探しのようだ。

        • 1人が不安で寂しいから婚活するのは理解できるんだけど、整形とか矯正とか、モテ服とか、自分の意に沿わない事までした結果、自分を気に入ってくれた人を一生愛せるか自信はない。 ありのままじゃだめなのが婚活なんだろうけど、私はありのままでない自分を好きになれるか、ちょっとわからない

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        男ウケに負けた日

        • サウナの魔法は知らずにかかる

        • 時々素敵な文章を書く人をnoteで見つけると、古い友人を見つけた時のような気持ちになってドキドキする。 気になる書き出し、句読点のリズム感、刺さるタイトルを見かけて読み進めた時に、私の感性が泡立つような感覚になって、ヤッター!って感じ。 まるで宝探しのようだ。

        • 1人が不安で寂しいから婚活するのは理解できるんだけど、整形とか矯正とか、モテ服とか、自分の意に沿わない事までした結果、自分を気に入ってくれた人を一生愛せるか自信はない。 ありのままじゃだめなのが婚活なんだろうけど、私はありのままでない自分を好きになれるか、ちょっとわからない

          お前の顔を、殴りたい。

          夜10時、セブンイレブンの前。 予備校帰りで疲労が溜まった頭はとにかく栄養分を求めていて、少しの小銭で買える肉まんは受験生の俺達にはありがたい夕飯前のオヤツだった。 「エイジは、模試の結果どうだった?」 「…B判定。」 「そっか。K大だよな。きっと大丈夫だよ、エイジなら。」 「龍之介はN大だっけ。」 「そう。うちはじいちゃんの代からずっとN大だからさ。選ぶ余地もなかったよ。」 龍之介。小学生からの幼なじみ。 昔は俺と龍之介の家は隣同士だったけれど、うちの両親が離婚して俺達が

          お前の顔を、殴りたい。

          それゆけ野生のバツイチ、野を駆けろ!

          都内の至る所、主に飲み屋で「私、野生のバツイチなんですよ!」と、誰かしらに絡み酒している女がいたら、それは 十中八九私である。 野生のバツイチと言うとなんだか周りのウケがよくて 私の口にもよく馴染んだから、飲み屋で一人酒する時に寂しさを誤魔化すための持ちギャグになって久しい。 野生=婚活市場に出回っていない生き物 くらいの感覚でご理解頂きたい。 ついでに言うと、「この婚活戦国時代に、 石とおにぎりしか持たねぇで出陣しようとしてるんです!」と言ってる女も大体私で間違いない

          それゆけ野生のバツイチ、野を駆けろ!

          グッバイ・ロングヘア

          「本当に、いいの?」 付き合いも長くなった美容師のみっちゃんが、私の腰まである髪に櫛を通しながら気遣いがちに尋ねてくる。 これでいいんだ、もう決めたから。 20年近く手入れを重ねてきたこの髪を、 私は今、切ろうとしている。 「今まで長さだけは変えたくないってずっと言ってたのにさ、どうしちゃったのよ。」 「別れ…そうなんだよ。まだ別れてないけど。」 「なにそれ。」 彼氏のケイくんと付き合い初めて半年、久しぶりの恋愛だった。 彼が住むマンションで、たくさん話してキスをして抱

          グッバイ・ロングヘア

          生まれ直したい

          「早く帰って死のう」 リョウコは毎日デスクでパソコンに向かいながら、頭の中でそう呟く。 入社2年と、もうすぐ半年。 周りは違う時間軸が流れているかのように、みんな忙しなく仕事をこなしている。 リョウコの業務は、入社2年と半年、ほとんど同じで発展していない。 入社前はもっと出来ると思っていた。 人と話すのは嫌いじゃないし、パソコンも苦手じゃないし、頭の回転も早い方だと思っていた。 でも、リョウコにとって想定外だったのは、会社で上手くやるにはなるべく目立たないで皆と横並びで

          生まれ直したい

          わたしの蓋を開けるとき

          小さい頃からずっと『何者かになること』を夢見ていたような気がする 沢山勉強して、いい学校に入って、いいところに就職して、誰かと出会って結婚して、子供が産まれて家を買って… それが勝手に向こうからやってくるものだと、何故か勝手に思い込んでいた。 でも今、私の現実を見るとどうだろう。 転職した先でもイマイチうまくいかないし、そもそもバツイチだし、久しぶりに出来た彼氏には振られたばっかりで、思い描いていた将来とは全然違う現実を歩いている。 誰か、やんごとなき人が自分に気付いて

          わたしの蓋を開けるとき