彼はいつ入り込んだのか?
不定期更新バンザイ!
というわけでお久しぶりの追放チャージフォトンである。本当に思いついた時にしか文章を書いてないが、まあその辺は定番ご挨拶なので置いておくことにする。
さて、記事投稿の本日、12月14日水曜日の15:00より、メギド72では新イベント「When'd he go into there?」が開催される。すでにルネちゃんの方で告知もされており、パイモンがかっこよく、カンセリエ商会が不穏なコンセプトアートが公開済みだ。
以下に、今イベントのあらすじを引用しよう。
どうやら今回はパイモンの副官についての話らしい。リジェネレイトパイモンはダムロックにも触れていたので、もしかしたらダムロックにも関わる話になるのかもしれない。そしてアリオクが同行するってことは、ヴィータであるカンセリエ商会を相手するソロモンにコシチェイの言葉がのしかかったりすんのかな……とか、そんな考えも出てくる。
ただ、このイベントで一番気になる点は「運営が"一部過激な表現がある"と告知していること」、そして「英語のタイトルにわざわざ"ウェンディゴ・イントゥ・ゼア"と読み仮名が振ってあること」である。
前者に関しては誰もが身構えてしまうだろう。わざわざ運営が告知したということは、そのくらいえげつない描写がイベント内に存在するということである。これまで散々ソロモン王たちの精神を抉ってきた運営だ、その言葉の重みは段違いである。
では後者はどうだろう?極端な英語苦手マンに対して、わざわざ読み仮名を振ってくれる親切な対応だと思われるかもしれない。しかしこの読み仮名、相当に厄い。この読み仮名に含まれている「ウェンディゴ」が、前述したえげつない描写に関わってくるのではないか、とTwitterなどでは噂されているのだ。
メギド72のプレイヤーは多少なりとも悪魔や怪物に造詣が深いものと思われるが、皆様方はこの「ウェンディゴ」という文字列に見覚え聞き覚えがあるかと思う。このウェンディゴはインディアン達の間に伝わる精霊の一種であり、一人で旅をする人間の背後に気配だけを漂わせて憔悴させた後、暗闇の中からささやき声で話しかけてくるという非常に陰険な嫌がらせを行う存在である。実際に危害を加えることはないものの、一人でいるときに襲われたら嫌すぎる存在である。
と、ここまでならそれほどのセンシティブではない。しかし本題はここからである。そうした伝承を持つインディアン達の間で発生する精神疾患、「ウェンディゴ症候群」が今回の問題になるのではないか、とされている。自分はそこまで詳しいわけではないので、ここはWikipediaからの引用という形にさせてもらおう。
これが「ウェンディゴ症候群」のあらましである(原文ママ引用)。直前まで開催されていた「閉ざされた世界の中で」における過去のバラムと似たような状況である。それに加えバラムとパイモンの対比も手伝って、「今回のイベントでは、食人描写が描かれるのだろう」という推測が見受けられるのだ。
でもそんなTwitterで散々見た考察で満足できるわけねぇよなぁ!!!!!!!?????
我々はもっと踏み込んでみるべきなのだ。もっと穿って見ることができる部分があるはずではないか?「15時になったらイベントが開催されるのに直前になって考察を垂れ流す必要が果たしてあるのか……?」についてはごめんなさい、こういう宿痾なんです。
私が気になったのは「読み仮名を振られる前の英語のタイトル」である。あまりにウェンディゴ・イントゥ・ゼアに囚われすぎてこっちを疎かにはしていないだろうか?という話だ。
When'd he go into there?
直訳すると、「彼はいつそこに入ったのか?」である。非常に優しい英文だが、これの意味するところは果たして何なのか。どこに入ったのか?そして誰が入ったのか?それがいまいち判然としない文章だとは思わないだろうか。
普通に考えれば、入る場所はあらすじにもある、トーア公国領内の森、ということになるだろう。この森は行方不明者が多発しており、アリオクが「腐臭」がすると発言していたということは腐った死体が見つかるはずである。それがこの文でいう「彼」であり、腐るほど放置されていた「彼」はいつこの森に入った人物なのか……という意味かな?とまずは推測できる。……が、これだけでは短絡的と言ってもいいと思う。もちろんその要素も含まれているだろうが、それだけではイベントのタイトル足り得ないとは思わないだろうか?
そこで「ウェンディゴ・イントゥ・ゼア」がようやくかかってくるのではないかと私は予想する。つまり、あの英文の「彼」とは「ウェンディゴ」なのではないかという考えだ。「ウェンディゴ」の正体については可能性が多く存在するが、このあらすじから考えてみると、精霊の名を持つ「彼」はパイモンの副官ではないかと推測される。バラムとアッキピテルのような原典における深い繋がりとはならないが、パイモンの好物が「まだ動いている心臓」であったことを考えると、先述した「ウェンディゴ症候群」とも合わせて食人という要素で繋がりは存在する。
ここでタイトルの英文にウェンディゴを代入すると、「ウェンディゴはいつそこに入ったのか?」となる。そうなると「そこ」に関しても少し考えを改めた方がいいかもしれない。メギドが森に入ったところで大した問題にはならない可能性が非常に高いからだ。ではウェンディゴは何に入ったのか。直感的に考えるならば、それはヴィータの体だろう。「ウェンディゴ症候群」のウェンディゴが人間に取り憑くように、ヴィータに取り憑いた、と考えるのが自然に思える。となると、ここで発生している現象は追放メギドと同じということにならないだろうか?
軍団長が追放された後の副官の末路は様々だ。無残にも殺されるものもいれば、軍団を受け継ぐ者、乗っ取る者、新たに旗揚げする者……様々な可能性がある。であれば、パイモンの副官がパイモンと同様に追放されるという可能性も0ではない。そして追放メギドとしてヴィータの体に宿り、覚醒してパイモンの前に現れる……なくもない話だ。ではウェンディゴは誰に入ったのか?
この可能性は数多あり、絞り切ることはできない。
だがここであえて私の可能性を述べさせてもらうとするなら、それは「セリエ」ではないかと思われる。それはこのコンセプトアートにおいて、カンセリエ商会が非常に浮いていることが一因だ。
カンセリエ商会はフルカネリ商会から分裂した団体であり、ヴィータを是としてメギドを唾棄する過激派思想の持ち主である。ただし、セリエはメギドに恨みを持つものの、カンセほどの強烈な思想を持っているとはいえない(事実、カンセがメギドを嫌う理由を耳にして引いている部分もあった)。そのような団体がなぜパイモンを主軸としたイベントに関わってくるのか、ここが薄い気がしたのだ。
であればその過激団体の構成員に、実は追放メギドが宿っていたとすればどうなるか。それがカンセであってもセリエであっても、とにかく大変なことになるのは間違いがない。では何故セリエを名指ししたかというと、それはパイモンとの対比が理由だ。パイモンのメギド体は女性であり、かつては女性のような口調で話していたが、追放された後は男性になり、器に影響されてか口調も男性側に寄っている。であれば「彼」と比定した副官のウェンディゴは、メギド体は男性だったが追放されてからは女性の体に宿ることになった、とすれば物語として形が整っているように思う。
ここに「ウェンディゴ症候群」を絡ませれば、「自分がメギドになってしまう」という焦燥をセリエは感じることになるだろう。近くにいるカンセは反メギド思想のヴィータであり、バレればどうなるかわかったものではない。覚醒のきっかけが何になるかまでは分からないが、彼女はきっと思うことだろう。
「奴はいつから入り込んでいたのだろう?」と。
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