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美箔ワタナベ様 年賀状デザインについて①

あけましておめでとうございます。ツジカワ株式会社SNSチームです。
今年も1年、よろしくお願いいたします!

さて、2023年一発目のnoteは、ツジカワがデザインに携わった、
株式会社美箔ワタナベ様の年賀状をご紹介していきます!

美箔ワタナベ様は、「他社でできないと言われたことは美箔ワタナベで」をモットーとされる、高い技術と熱い情熱を持った印刷加工会社様です。

ツジカワでは、データをいただいて版を作成する他に、試作や自社サンプルのデザインをお手伝いすることもあります。

その中でも、美箔ワタナベ様の年賀状は、携わらせていただいて早9年。
今回noteを書くために過去のデータを見返して、そんなに経つのかと驚いてしまいました。

とはいえ、初回のデザインは、
今見ると無邪気すぎて、恥ずかしいを通り越してこわい。

絵柄面:箔押4色/宛名面:箔押2色/黒と白の紙を合紙
(右下の馬のためだけに、箔3色って…)

勤続年数が長くなるほど
良くも悪くも加工のことを知りすぎて、かかるコストや手間が頭をよぎり
攻めたデザインをするのは勇気がいるもの。

でも今年の年賀状は、
「美箔ワタナベ様なら攻めしかないな」と、ある意味振り切った年でした。


これまでの年賀状

美箔ワタナベ様は、年賀状を自社サンプルと考えていらっしゃるので、
お打合せの最初には「今、イチオシな商材・技術」を教えてもらいます。

これまでの年賀状も、毎年様々な技術が盛り込まれた豪華仕様なので
いくつかご紹介させていただきます。

アクリル板に両面箔押

透明の板に、金と銀のホログラム箔

この年のイチオシ技術は
「異素材への箔押」「両面箔押しによる奥行き感」

箔押って、本の表紙やお菓子のパッケージなど「紙」に加工するイメージが強いですよね。
ツジカワでも、紙への加工品をご紹介する機会が多いです。
でも、箔押できるのは紙だけではないんです!
化粧品の入った透明ケースや家電製品のロゴ部分など、プラスチック製品にも箔押は多く使われています。

更に、材質が透明なものの場合は、剥がれ防止のために裏面から箔押を行うことも。
裏面から箔押するときには、両面に色がついた専用の箔を使用します。

2重に見えるのは、表面の影が落ちたもの。
裏面はベタ。
両面ともに金色なのは、裏押し用の箔ならでは。


紙象嵌

赤とシルバーの部分は、象嵌で作成。

この年のイチオシ技術は「象嵌」

象嵌(ぞうがん、象眼とも)は、一つの素材に異質の素材を嵌め込む工芸技法。象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味があり、金工象嵌・木工象嵌・陶象嵌等がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

伝統工芸品などで、木や金属を使用して使われる技術ですが
こちらは、紙に紙を埋め込んだ、紙による象嵌。

ベースのブラウン調の紙に、赤い紙が埋め込まれているので、色の境目がもこっとしているのがわかります。
合紙とは違い、横からみると1枚の紙。厚みが増さないのも特徴です。

印刷や箔押とは異なる風合い


剥がれる紙?

この年はなんと、めくると剥がれる仕掛けつきの年賀状です。

届いた時は真っ白

ダイレクトメールでよく届く、端から剥がして見開きになる「圧着ハガキ」
仕様としてはざっくりあんな感じです。

とはいえ、圧着ハガキを思い出していただきたいのですが、くっついている部分がツヤツヤのフィルムになっているのが通常の仕様です。
フィルムもなしに紙同士を貼り付けたら、剥がすときビリビリになりますよね。普通に考えて。今回のミソは、そこです。

ツヤツヤのフィルムコーティングをせず!
紙そのままの状態で貼り合わせて!
かつ、1枚だけ捲れるような三層構造!!!

百聞は一見に如かず!写真でご覧ください!!

表の「open here!」から剥がすと…
<1層目:裏面>
「2021」の数字部分だけが剥がれて、1枚目に貼り付く
断面図イメージ
<2層目>
剥がれた「2021」の部分だけ、レンズ箔が見えてキラキラ
<3層目>
レンズ箔は3層目の紙に箔押し


「特殊加工」と一言で言っても幅広く、多様な技術があるのを感じますね。

毎年のものなので他にも色々あるんですが、今回は3種ほどご紹介いたしました。担当される方が年によって異なるので、デザインのテイストが異なるのも面白いですね。

次回は、今年の年賀状をご紹介いたします!


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