辻村優子

俳優、WSファシリテーター。   三度の飯なら麺がいい。もみほぐしと演技の相互性につい…

辻村優子

俳優、WSファシリテーター。   三度の飯なら麺がいい。もみほぐしと演技の相互性について検証。見てると身体がほぐれる、ほぐしばいを探求中。 お仕事はtsujikomame@gmail.com、俳優業の窓口はGritAgencyからも https://gritagency.jp/

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よみほぐし観劇の手引き

見ているだけで体がほぐれる演技を「ほぐしばい」と命名し探求を続ける俳優・辻村優子。自身のセラピストと俳優活動の体験をもとに、もみほぐしと演技の共通点を手掛かりにしてこれまで「パフォーマンスもまれ処」「サロン乗る場」「ほぐしばい~実話怪談編~」などの作品を発表してきました。 そして現在上演しているのが ここまでの発見とアイデアを盛り込んだ新作「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」 今作はもみほぐしと演技を融合させ、観客に触れる一対一の接触型の作品です。観客は施術台で横になり、テ

    • 「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた【文章稽古】

      「もみほぐしは演技に置き換え可能か?」の問いをもとに、見ているだけで体がほぐれる演技「ほぐしばい」の探求を続ける俳優・辻村優子。 その新作「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」は、いよいよ4月3日に初日を迎えます!(ご予約受付中) 本作では、観客は施術台の上で横になり、テキストの発話と手技による施術を組み合わせたパフォーマンス「よみほぐし」を体験します。発話されるテキストは、複数人から採取された言葉によって構成されており、いくつかの(実際には)存在しない景色を描きます。辻村の口か

      • 「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた【単語稽古】

        「もみほぐしは演技に置き換え可能か?」の問いをもとに、見ているだけで体がほぐれる演技「ほぐしばい」の探求を続ける俳優・辻村優子。 その新作「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」は、いよいよ4月3日に初日を迎えます!(ご予約受付中) 本作では、観客は施術台の上で横になり、テキストの発話と手技による施術を組み合わせたパフォーマンス「よみほぐし」を体験します。発話されるテキストは、複数人から採取された言葉によって構成されており、いくつかの(実際には)存在しない景色を描きます。辻村の口か

        • 「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【ゲネ(田上さん、浅倉さん)→本番の3回→乗る場の日(友田とんさん)】

          6月に円盤に乗る場で開催されるNEO表現まつりでの発表を目指して動き出した、「ほぐしばい~実話怪談編~」 前回は演出協力のみなさんと行った二周目の対面稽古でした。 今回は会場であるおぐセンターでのゲネ(と、記録映像全編!)お客様をお迎えしての本番と、乗る場の日でのトークイベントを含め、このnoteを書くに至るまでの振り返りの時間の様子です。 ここまでシリーズをお読みくださり、ありがとうございます! はたして、「もみほぐしは演技に変換可能か」 「演技に見えるもみほぐし」とはどん

        よみほぐし観劇の手引き

        • 「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた【文章稽古】

        • 「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた【単語稽古】

        • 「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【ゲネ(田上さん、浅倉さん)→本番の3回→乗る場の日(友田とんさん)】

          「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた

          🙌新作、やります🙌 見ているだけで体がほぐれる演技を「ほぐしばい」と命名し探求を続ける俳優・辻村優子。 もみほぐしと演技の共通点を手掛かりに、観客に直接触れる「パフォーマンスもまれ処」「サロン乗る場」、見た目には朗読をしている非接触型の「ほぐしばい~実話怪談編~」などの作品をこれまで発表してきました。 そして2024年春、ここまでの発見とアイデアを盛り込んだ新作を発表いたします。 その名も「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」 今回はもみほぐしと演技を融合させ、再び観客に触れる

          「ほぐしばい~よみほぐし実践編~」のつくりかた

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【稽古二周目 中尾さん→浅倉さん→涌田さん→田上さん】

          6月に円盤に乗る場で開催されるNEO表現まつりでの発表を目指して動き出した、「ほぐしばい~実話怪談編~」 前回は演出協力のみなさんとの一周目の稽古でした。 今回は、乗る場でおぐセンターで。演出協力の方々お一人ずつと二周目の稽古を行いました。 はたして、「もみほぐしは演技に変換可能か」 「演技に見えるもみほぐし」とはどんなものなのか。 サロン乗る場までの「もみほぐしに見える演技」で定義した ・目的を定めて ・息を合わせて ・行為する を辿る形ではなくなった、試行錯誤の記録です。

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【稽古二周目 中尾さん→浅倉さん→涌田さん→田上さん】

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【稽古一周目 中尾さん→涌田さん→浅倉さん】

          6月に円盤に乗る場で開催されるNEO表現まつりでの発表を目指して動き出した、「ほぐしばい~実話怪談編~」 前回は演出協力のみなさんとオンライン行ったキックオフミーティングの様子でした。 今回はいよいよ乗る場でお一人ずつと行った対面での稽古です。 はたして、「もみほぐしは演技に変換可能か」 「演技に見えるもみほぐし」とはどんなものなのか。 サロン乗る場までの「もみほぐしに見える演技」で定義した ・目的を定めて ・息を合わせて ・行為する を辿る形ではなくなった、試行錯誤の記録で

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【稽古一周目 中尾さん→涌田さん→浅倉さん】

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【キックオフミーティング】

          6月に円盤に乗る場で開催されるNEO表現まつりでの発表を目指して動き出した、「ほぐしばい~実話怪談編~」 前回のnoteでは上演テキストの立ち上げについてレポートしました。今回からは演技の立ち上げに向けて重ねた、演出協力のみなさんとの日々について書いていきます。 はたして、「もみほぐしは演技に変換可能か」 「演技に見えるもみほぐし」とはどんなものなのか。 サロン乗る場までの「もみほぐしに見える演技」で定義した ・目的を定めて ・息を合わせて ・行為する を辿る形ではなくなった

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【キックオフミーティング】

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【上演テキスト・柿内正午さんと】

          とにかくテキストが必要 「サロン乗る場」が始まってしばらく経った3月頭。私は人知れず次の事を考え始めていました。なにしろ6月の乗る場のイベントに参加することを決めていたものの、次こそは見た目に演技らしいことをしなければ。いや、そろそろしたい。 けれどこの「もみほぐしを演技に変換する」という誰も見たことのない試みの、最初の一歩をどう踏み出せばよいのか。 見た目に演技にしていくなら、テキストが必要だ。 でも「もみほぐしは演技に変換可能か」という問いと伴走してくれそうなテキスト

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた【上演テキスト・柿内正午さんと】

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた

          みなさんこんにちは!俳優の辻村優子です。とはいっても俳優だけじゃ食べていけないのでリラクゼーションチェーン店でセラピストとしてアルバイトをしています。その中で得た「もみほぐしと演技ってなんか似てる」という直感から、演技ともみほぐしの相互関係について探求を始め、気づけばかれこれ4年目。 最初は、施術のセオリーとセリフ劇の演技のセオリーにはどんな共通点があるかを言語化、レクチャーの後にお客さんに実際施術を受けていただく「パフォーマンスもまれ処」を松井周の標本室で発表(2021年)

          「ほぐしばい~実話怪談編~」のつくりかた

          サロン乗る場のつくりかた【メンテナンス】

          「サロン乗る場のつくりかた」シリーズ、ついに最終回です 公演前からスタートし、公演も終了する事はや数か月。およそ4か月にも及んだこのシリーズもついに最終回です。ここまでお読みくださった皆様ありがとうございます! 最終回はその名も【メンテナンス】 今回は公演期間中に起きたこの出来事についてレポートします。 きっかけはちょっとした違和感 記録をお読みいただいてもわかるように「サロン乗る場」はそれぞれのセクションを担当してくださっていた演出家のみなさんはご自身の仕事と他セクシ

          サロン乗る場のつくりかた【メンテナンス】

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その3

          サロン乗る場は、リラクゼーションサービスの提供を上演として捉え直し、リラクゼーションサービスを構成する要素を円盤に乗る場に参加するアーティストたちに演出してもらい、それを俳優・辻村優子が実践する、リラクゼーションサロンの形態をした演劇作品です。 上演は3月25日に終了しましたが、その創作プロセスのレポートである当シリーズ「サロン乗る場のつくりかた」はあと少し続きます。 前回までのこと 「ふるまい」担当、渋木すずさん(円盤に乗る派/ちょっとしたパーティー)との稽古、2回目の

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その3

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その2

          サロン乗る場は、リラクゼーションサービスの提供を上演として捉え直し、リラクゼーションサービスを構成する要素を円盤に乗る場に参加するアーティストたちに演出してもらう。リラクゼーションサロンの形態した演劇作品です! 前回までのあらすじ! 前回に引き続き【ふるまい】の稽古のレポートです。 円盤に乗る派/ちょっとしたパーティーの渋木すずさんと共に、サロン乗る場にとってしっくりくる接客とは何かを探す旅。 今回は2回目の稽古をレポート。接客を考え続けた先に、サロン乗る場の隠れた設定も

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その2

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その1

          五感がでそろいました! ここまで嗅覚・味覚・触覚・聴覚・視覚とお読みくださってありがとうございます! 五感をリレーのように繋いで、いよいよサロン乗る場の設えが整ってきました。 ここであらためて戯曲に立ち返ってみよう これが今回私が戯曲として扱っているテキストです。このテキストからリラクゼーションサロンの上演を立ち上げているわけなのですが、 最後の一文、 これがいわゆる接客にあたる部分ですね。 この前提に立つとつまり、リラクゼーションサービスには接客も含まれているわけで

          サロン乗る場のつくりかた【ふるまい】その1

          サロン乗る場のつくりかた【視覚】

          次は視覚だ! 嗅覚、味覚、触覚、聴覚、と来たら残る五感はそう視覚! サロンにとっての視覚とは、空間の設え。 家具の配置や照明などにあたる、のかな。 これまでのほぐしばいパフォーマンスシリーズでは機能だけを考えてその場その場で設置してきたことを思い出すと、もっとも手を付けてこなかった分野かもしれない。 視覚担当は中村大地さん(屋根裏ハイツ)! 内装や照明のことを一緒に決めてくれる人…と考えた時、中村大地さんのポップさを思い出しました。中村さんは屋根裏ハイツという劇団を主宰

          サロン乗る場のつくりかた【視覚】

          サロン乗る場のつくりかた【聴覚】

          次は聴覚だ! 嗅覚、味覚、触覚ときて、次は聴覚です!私としてはここからかなり理性が効いてくるというか、受け取ったものから意味を汲み取りやすい感覚、もしくは言語的な思考に直結しやすい感覚(ということはコンテンツ化しやすい感覚って事かもしれないです) 実はこの企画に6人もの演出家の方に関わってもらう以前から、もし次にもみほぐしの企画をやるならこの人にBGMをお願いしたいと思っていたのです。その人とは… 聴覚担当はカゲヤマ気象台さん! カゲヤマさん。円盤に乗る派の主宰であり、

          サロン乗る場のつくりかた【聴覚】