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辻タダオの三多摩だより36

ということで今年はコロナのおかげで、
時間の流れ方が非常に遅く感じたのだった。
それまでは1年2年なんて1日2日みたいなもの
というような気がしてたんだが
今年はもうこないだの夏くらいでも大昔に思える。
ま、人それぞれいろいろあるんだろうけど
自分の場合は自営業の時間をほぼごっそり
派遣、日払い、などの外仕事に充てるようにしたので
生活スタイルが一変し、それに慣れるのに
あれやこれや試行錯誤し、
なおかつ現場現場でいろいろあるし、
常に不慣れな状況に挑まねばならず、
各所で慣れた現場も出来始めてきたら今度は
1回1回の仕事の時間がとてつもなく長く感じる
とかそんな感じだ。
いつのまにやらこういう日々の過ごし方だけど
はてさて2,3年前は何してたんだろう?
みたいなのもあるなあ。

なにはともあれ今はかなりペース配分もわかってきたし
闇雲に「仕事覚える」ために
どこへでも突進せねば、ってな焦りもないし
この年末年始のタイミングでようやく
先々しばらくは落ち着けそうだという見通しが立った。

見通しが立ったのも自分の働きによって
自分自身の可処分所得に多少なりとも余裕がでてきた
ってのもでかいが
「自営業」周りの家人の状況も落ち着いてきたってのもある。

それだけコロナによって自分も周囲もバタバタした
ってことだな。

で、ツイッターでちょっと予告したように、
派遣仕事についてのあれやこれやを書くことで
2020年の総括というか振り返りをする
ってのをこれから実行しよう。

まず大きな結論から言えば
「工場」は自分には向いてなかった。

数度行ったのは
家から近い、
車で行ける、
というコロナ状況下においては
嬉しい条件が重なる案件を見つけたので
なにはともあれ、と行ってみたんだが
自分の適性のなさというものは
「生来の不器用さ」は気合や精神論で克服できない、
というところに起因するものであった。

工場の中でも特に衛生管理の厳しい
「食品」系に行ったものだから
不器用者として右往左往すること実に激しく、
こりゃもうあかん、と2回で辞めといた。
まあ「日払い」アリの「派遣」なので
もめるもめない、クビって言われる言われない、
とかじゃなく単にそれ以上募集に申し込むのをやめた
という流れである。

何がダメって、身に着けるものの
重装備感がとてつもなくて
目が回ってしまうのだ。
マスクやら手袋やら場所変わったり
作業変わったりするたんびに付け替えるんだが
他の人たちがキッチリ装着してるのに
自分だけなんかダラーンとしてる、とか
そうゆう不器用さが出ちゃうわけだ。

いちばんやっかいなのは
エプロンだった。
エプロンの紐を後ろ手で縛る
ってのに気が遠くなるほど
もたついてしまい、
面倒になってえいやっと
片結びにしちゃう、みたいな。

ああ、おれこれ向いてないや
とその場面で即座に思ったのであった。

で、その後は
倉庫系、仕分け系の現場と
小売販売系の現場に行くようになり、
なんだかんだで今現在はほぼ9割以上は
小売販売系に行ってる。

倉庫やら、仕分けやら、は
食品工場に比べれば
ラフな格好で大丈夫だし
実際の作業もそんなに細かさは要求されないし
まあまあ適応できてたし
いろんな層の人たちが働きにきてるなかで
ドヤされたりせかされたりすることも
比較的少なく、そんなに悪くはないな、
とも思っていたのであるが
やはりその「物の持ち運び」「広い倉庫内の移動」
みたいなものの積み重ねの肉体疲労は
50半ば過ぎの人間にはキツいものがあるな、と
気づいた。

「今日の現場は階段の上り下りがないといいなあ」
とか切実に願うようになってきたりしたところで
軸を小売販売系にシフトした。

こっちに最初行かなかったのは
コロナ状況下でもあるし「接客よりは作業」を
という観点だったんだが
背に腹は代えられぬ、ということで
派遣登録した。

コロナ対策もしてるだろうし、と。

でまあ自分の場合はパチンコホール業界20年の
「経験者」でもあったし
接客キツいつってもゴト師とか台叩くやつとか
鉄板のリーチ目なのに当たらなかったから補償しろと
ゴネるやつとか、そうゆうのに比べればまあ
なんてこともなかろう、という思いもあった。
で、実際その読みは当たった。
接客に関しては特段なんということもなかった。
むろん接客場面で無風だったということではなく
そりゃ暴風台風吹き荒れることもしょっちゅうだが
パチ屋の猛者共に比べればなんということはない、
という意味ね。

問題は扱う商品がパチンコやパチスロじゃないので
逐一全部覚えねばならん、というところ、と
あるいはまたきょうびはどんな業種でも
一従業員のやる作業がひとつで済むわけはなく
商品を売ること以外のあれやこれやも覚えねばならず
と、そうゆうところが当初とにかくやっかいであった。

で小売販売系始めた最初の頃に
倉庫系掛け持ちの状況ももちろんあって、
倉庫作業員の翌日は店員みたいな流れもあって
商品知識の「予習」とかそういうの
やってきてね、と言われつつやってる余力なかったので
やらずに行ったらそりゃもう大騒ぎさみたいな
失態の連続でその現場の管理者からは
「二度と来るな」ばりの文句を言われたりもしたのだが
そうゆうところはパチンコで鍛えた面の皮の厚さで
ちょっとずつ乗り切った。
ま、実際「予習」もやるようにしたし。

でまあパチンコにせよ普通の小売にせよ
商品知識とか現場の諸々の各種作業とか
一旦覚えてしまえばあとはもう流れに乗ってくだけ
なので仕事の内容のことでいちいち思い悩むこともない。

そうゆう意味で今ようやく落ち着いたってことでもある。

で、ツイッターでも書いたが
工場でも倉庫でも小売りでも
全ての業種において
「職場のことをSNSに書かないでね♡」的な
お達しは必ずと言っていいほど出ていて
紙に書いて掲示しているところも少なからずあった
といった関係で今ここでは全てが大雑把な書き方に
なっているのである。

ということで
大雑把に「辻タダオの2020年派遣仕事エピソード」
のなかから個人的にインパクト強いと感じたものを
内容ぼやかしてベスト3形式で挙げよう。

第三位
「二度は言わないからね。」おばさん

自分の行った工場は
いろんなラインにあちこち短時間で方々まわされる形式だったんだが
清掃もあれば製造もあるみたいな感じで目まぐるしく
大概の作業は「初めて」で細かな説明もなく
見よう見まねでやることになったんだが
見張ってる人もいつのまにやら入れ替わったりして
見張ってる人同士のやり方が違うってのもしばしば。
で最初に教わった人のやり方でやってたら
いつのまにやら人が変わってて
「違う違うそうじゃない」が始まる、みたいな。
そのへんはネット各所で書いてあることなので
驚きはしなかったが実際その理不尽さを体感すると
「キター」ってなったなあ。
焼き菓子ラインで流れてきたやつをどう手で受け止めるか
のそのフォームでおばはんにダメ出しくらって
「二度は言わないからね」とかのたまったんで
「いやいやわかんなかったら
しつこく聞きますのでよろしくどうぞ」と返したら
不服そうに黙って去っていった。

第二位
「ミス2回目で段ボール解体5時間」

とある倉庫仕分け現場で
商品のコード読み取る機械の操作に戸惑い
最初のミスでこっぴどく叱られはしなかったものの
入れ直し置き直しなどで面倒な作業を増やしたのは
事実だったので平身低頭謝り倒して
そこから数時間はミスなくそつなくこなし、
またその作業も慣れれば実に楽しく快適で
身体の負担も少なく、なんならおれここの子になろうかな
とか思うほどのものであったが
やはりしょせんはその現場ではど素人の哀しさ、
最初とは違う突発的原因でコード読み取りミスを犯し
すぐさま申告しに行ったら、
即答で「ではライン離れてあちらで段ボール解体してください」
と言われ以降ほぼ5時間ずっと段ボール解体する羽目に。
仕分けに比べて単調なうえに段ボール自体がデカくて丈夫なので
まさに天国から地獄であった。

第一位
「竹内結子死んだってさ」と言ってくる初老男性

小売りの現場でそういうお客がいた。

単にそれだけなんだが
なぜ今おれにそれを言う?

みたいな。

その他の会話はなく
ただその話題に終始する初老男性であった。
「自殺みたいだよ」とか。
で、淡々と商品持って去っていく、みたいな。

一生忘れることはないだろうと思われる時間であった。


ってことで
2020年の振り返りは以上でございます。

来年はもうちょっとnoteの更新しようかな
とは思いますがどうなることやら。

なるべく頑張ります。

なにごとにつけ
「なるべく」頑張ります。

では皆様よいお年を。
































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