クロゴマルコとシロゴマルコ(第2話)

2022年7月。

「主人がお食事でもご一緒にと言っております。」

僕は漫画のように目をこすり、スマホを二度見しました。
突然の訪問にも関わらず、優しく接してくださった西村社長。

まさか、お食事までご一緒いただけるなんて。
天にも昇る心地です。

そしてそれは、7月7日に決まりました。
七夕の日に、社長と会えるなんて!
運命を感じます。

会食の場所は僕が決めることになりました。
もう、お店は1択でした。
いつもお世話になっている「焼鳥てんてん」さんにしよう。

「勝手に手作りでマルコの缶バッチ作りました。」
「勝手にエプロンに缶バッチつけて、応援してます。」
「勝手にお客さんにもオススメしてます。」

店主の枦木(はぜき)さんとサービスの明美さんには
どれだけの勇気をいただけたか。
勝手に、と笑い飛ばしながら、応援してくれたことは
僕にとって、精神的支柱となってくれていました。

勝手に応援団。
チーズマルコ公式アンバサダーが誕生した場所でした。

しかも、彼の焼鳥は一本ずつ本当に丁寧な焼き具合で
お客様へのご提供のタイミングも抜群のセンスです。

そんな丁寧な仕事ぶりが、西村社長とも気が合うのではないか。
ぜひ、お二人も一緒に、西村社長に会っていただきたい。
そんな想いもありました。

そして当日。

お二人がチーズマルコを応援してくれていることを
お知らせすると、西村社長は

「そうやったんですか。本当にありがとうございます。」

と、すごくうれしそうにしてくださいました。

それから、西村社長とたくさんの話をしました。

社長ご自身のお話、ご家族のお話、
西村製菓所の創業時のお話、
今の製菓・珍味業界の話。

僕の話もしました。
僕の家族や会社や趣味の話。
チーズ丸に出会い、チーズ万月に行き着き、
チーズマルコに至ったかの話。

西村社長は、どの話も、うんうん、と大きくうなずき、
ジッと耳を傾けてくださいました。

そして、

「僕と辻さんは、共通点がたくさんありますね。」

と言い、うれしそうに笑ってくれました。

同じ寅年で、息子と娘がいること、
スポーツや音楽の趣味、食べることが好きで、
ちょっと変わった経営者でもあること。

予想していた以上に楽しく、有意義な時間で、

(今日が終わって欲しくないな。)

そう思っていた時でした。

「辻さん、もしよかったら、もう1件行きませんか?」

僕は100回くらい首を縦に振ったのでした。

(つづく)

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