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岡大流伝説③-3大学定期戦-

~昭和五十五年秋 3大学定期戦後のコンパにて~
先輩:どうだ?主将としての感想は?
オレ:押忍、役が重すぎます。
先輩:確かにどうなることかと心配したところはあるが、だんだん面構えもそれらしくなってきたぞ。
オレ:ごっつあんです。
先輩:今日もよかったんじゃないか。理大も商大も「岡大にはかなわねえ」と、戦意を喪失させるだけの戦い方だったと思うが。
オレ:「最初にガツンと言わしとけ」と言ったのは、先輩じゃないすか。
先輩:それはそうだが、あそこまでやるとは思わなかったから。気合が入った時のお前はこえーよ。
オレ:正確に言うと、それは違うんす。「ゾーン」に入った時っていうか。
先輩:どう違うんだ?
オレ:「気合」なら自分で入れることができるけれど、「ゾーン」は自分で入ろうと思っても
入れない。そんな感じっす。
先輩:めんどくせーな。じゃあ、岡大の主将を決める夏合宿最後の一戦もそういうことだったのか?
オレ:押忍。
先輩:なんか、よーわからんが、そういう星の下に生まれてきたやつっているんだな。
オレ:先輩、それはほめているんすか、それとも、けなしてるんすか?
先輩:別に、ほめてもけなしてもいないよ。「変な奴」と思っただけだ。
オレ:やっぱり、けなしてるんじゃないすか。

当時、神聖なはずの道場で、よく酒をかっくらって大騒ぎしていたものだった。

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