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小説家プロジェクト

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小説を書いてみよう。 思いついたものから。
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記事一覧

小説『洋介』 17話

喧嘩したあの日からしばらく。 平和が続いていた。 変わらない毎日が心地よい。 楽しい。 そ…

じょーじ
1日前
3

小説『洋介』 16話

 6年生の一学期が始まって数日経った帰り道。 あの子と帰る。 僕らは、新学期が始まってから…

じょーじ
4日前
2

小説『洋介』 15話

 春休みが終わり二人は6年生になった。 去年に引き続き、彼女と同じクラスになった。 と言っ…

じょーじ
13日前
3

小説「洋介」 14話

 季節は春になった。 一週間の春休みが始まる頃。 終業式の後、二人は河原にいた。きっと二人…

じょーじ
3週間前
4

小説「洋介」 13話

 始業式の朝。 教室につくと、久しぶりに見るあの子がいた。 なんとなく緊張してしまった。 …

じょーじ
1か月前
1

小説「洋介」 12話

 冬休みに入って一週間が過ぎた。  親戚が家に来たり、家族でおばあちゃんの家に行ったりし…

じょーじ
1か月前
3

小説「洋介」 11話

 決意の翌日。  学校であの子を見つけると、うれしくなって「おはよう!」と笑顔で話しかけた。 僕の前日からの変わりように彼女は驚いているようだった。 そうだった、昨日は気まずかったんだっけ。 彼女は少し照れくさそうに「おはよう」と言ってくれた。 その間に流れる空気に少し緊張した。 でも、自然な流れにゆだねようと決めたのだ。 リラックス、リラックス、感情が自然に出てくるままに。 緊張はあっても、その緊張を押しやるように、喜びが心から溢れ出てきて、表面まで到達する、みたいな感

小説「洋介」 10話

 次の日の学校。  ロクにあの子の顔を見ることができない。 さっと顔を避けてしまう。 彼女…

じょーじ
1か月前
2

小説「洋介」 9話

 最近は日が沈むのも早くなった。 河原に来ても、長くいられないのが残念だ。 夕日に間に合わ…

じょーじ
1か月前
4

小説「洋介」 8話

 石を浮かせられるようになったと、僕は確信した。 その方法を掴んだ、と。 あれから何度も、…

じょーじ
1か月前
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小説「洋介」 7話

 河原についた。 誰もいなかった。 河原に来るともう、自然にスイッチが入る。 太陽のほうに…

じょーじ
1か月前
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小説「洋介」 6話

 次の日の学校。女子に話しかけられた。 「なぁ、昨日河原おらんかった?」  ギクリ。なんと…

じょーじ
1か月前
1

小説「洋介」 5話

 初めに石が浮いてから3か月。 二回目から2ヶ月。 今日もいつものように、誰もいない河原で…

じょーじ
1か月前
3

小説「洋介」 4話

 うちの家族の帰りは遅い。 だから学校の後には大量の暇がある。 そして僕はどうやら変わり者らしい。 あんまり友達はいない。 話はできるやつが何人か。 いいんだ。一人のほうが好きだし。 どうやら周りのみんなもそれをわかっていた。 あんまり焦らない性格だったし、焦りを必要としない環境だった。 そのため他のことは気にせず、石を浮かせる練習にじっくりと時間をかけた。 “心の凝り”をほぐしていくにつれて気が付いたのは、 不安や恐れ、焦りが自分の中にあることだった。 その一つ一つを、