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同級生とゴッドタンに出た話。

うるとらブギーズ佐々木君と初めてのテレビ共演。嬉しかったどころの騒ぎではなく、それはもう、最高でした。佐々木君のおかげです。見逃した方は是非、よかったら観た後で、以下、読んでいただけたら幸いです。


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「3.5軍」。これはとても分かりやすい総称で、「そうか、我々は3.5軍だったのか」と妙に納得してしまった。もしかしたら「群」にも近いかもしれない。群れているというか、「3.5」はわらわらと存在していた感じで、僕らの他にもたくさんいた。

隣りの友達が長ボウキにまたがるよう指示され、両端を持ったヤンチャに持ち上げられてお御輿のように担ぎ上げられている。

「お、今日の佐々木君はけっこうしんどそうだな」

おとといは自分だったっけ。そんな毎日だった。マヒしていたと言われたらそれまでだけど、別に泣くほどツラかったわけでもなく、3.5同士はキャッキャしていたし、上に捕まったら「あら残念、いってらっしゃい」くらいなもんで、日常はそれなりに楽しかった。

僕らはマンガでいうところの脇役だった。脇役というのも恐れ多いくらいの、名前のないモブ的な存在だったと思う。たとえば王道バトル系マンガの主人公達が町にやってきて、町の酒場で宴会を始めたとして、酔っぱらった仲間の一人が「誰が一番の怪力か決めるぞ!」みたいなことを言い出し、そこから腕相撲対決に発展、相手のこぶしを倒す勢いで酒場の机ごと破壊しちゃう、なんて描写があったとする。この時、マンガのコマには「わー!力強い!」「机ごと持ってったぞ!」「ガッハッハ!やっぱ〇〇が一番の怪力だなッ!」などの言葉が飛び交い、コマの中央には力こぶを見せる怪力キャラのアップがドンと載っている。

僕らは、この光景を遠くから眺める「酒場の主人」である。

酒場の主人は、静かに、店で行われている惨事をジッと眺めている。「やめてください」なんて言えば、この怪力にワンパンで吹き飛ばされて、酒場の壁に自分型の穴が空いてギャグっぽく処理されて終わってしまう。願うこととすれば「最小限、最小限…」ということ。その後の酒場の主人の気持ちは、この漫画には存在しない。必要ないからである。僕らはそんな存在だと自覚していた。必要のないストーリー。そのことを「自覚」していただけの話である。

…と、こう言い切ってしまうと、ひどく虐げられ、悲しい日々だったのかと思われてしまいそうだけど、そういうわけでもない。先にも言ったけど、楽しかったのは楽しかったんです。3.5には3.5なりのささやかで楽しい日々がある。1軍は知らないであろう『深夜ラジオ』や『ネタ番組』の話をしている時間がまさにそれで、その時間をSNSがなかった時代に密に共有できたから、佐々木君とは仲良くなったんだと思います。


そんな、当時は誰からも必要とされなかったストーリーが、こんな場所で、大々的に披露されて、とても感慨深かったです。僕には佐々木君の歌の歌詞に出てくる人物も分かります。なので余計グッと来てしまい、スポットライトを浴びて歌う佐々木君をみて、その佐々木君越しに感動している皆さんの姿をみて、「こんな思い出なのに、、」と思ったら一気にこみあげてしまい、「二人とも辞めずにやっててよかったなー」と思った瞬間に泣いてしまいました。収録後、二人で帰って銭湯へ。僕は泣いた反省を、佐々木君は泣けなかった反省をしていました。

中学を出て、高校はそれぞれ違ったけど、同じタイミングで上京。それ以来、最寄駅を揃えるように引っ越しを重ね、未だに週3くらいで風呂に行く仲。振り返ればいろいろありましたし、なんなら一瞬だけコンビを組んでみたことがあったりとか、八木さんと組むのはどうかと勧めたことがあったりとか、言ってない昔話なんか山ほどあるので、機会があればまたしたいと思います。

ゴッドタンの中で着ていた学ランは未だに当時のものですし、僕の相方が着ている学ランは、実はデビュー当時に借りたまま使っている佐々木君のものです。学生時代を取り返せるよう、引き続き頑張ります。少しでも、全国の3.5軍の皆様が浮かばれますように。

#ラブレターズ #うるとらブギーズ #ゴッドタン

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